6月17日は世界砂漠化と干ばつの日|食料安全保障と中小企業の調達戦略【2026年最新】

6月17日は世界砂漠化と干ばつの日|食料安全保障と中小企業の調達戦略【2026年最新】

6月17日は世界砂漠化と干ばつの日|食料安全保障と中小企業の調達戦略【2026年最新】

目次

こんな人にオススメです

  • 食品・飲料・外食を扱う中小企業の経営者・調達担当者
  • 輸入原材料の価格高騰に悩んでいる仕入れ・経理担当者
  • サプライチェーンBCP(事業継続計画)を見直したい経営企画担当者
  • 食料自給率や農業の構造課題に関心がある経営者
  • 6月の環境月間で「気候×食料」のコンテンツを発信したい広報担当者

「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長の日野広大です。6月17日は国連が定める砂漠化および干ばつと闘う国際デー。「日本に砂漠はないし関係ない」と思っていませんか?実は世界の土地劣化と干ばつは、日本の中小企業の食料調達コスト・原材料供給の安定性に直接ダイレクトに響いています。

結論からお伝えすると、食料自給率38%(カロリーベース)の日本にとって、世界の土地劣化は他人事ではない経営リスクです。本記事では、世界砂漠化デーの基礎情報と、中小企業ができる3つの調達戦略をご紹介します。

砂漠化および干ばつと闘う国際デーとは?

砂漠化および干ばつと闘う国際デーとは、土地の劣化・干ばつ問題への国際的な認識を高めるため、1995年に国連総会で定められた6月17日の国際デーです。1994年6月17日に「国連砂漠化対処条約(UNCCD)」が採択されたことに由来し、2001年のUNCCD COP5以降、毎年テーマが設定されています。砂漠化は単に「砂漠が広がる」現象ではなく、乾燥地域における土地の生産力低下を指す概念で、SDGs目標15.3「2030年までに土地劣化に荒らされない世界」に直結しています(出典: 国連広報センター)。

最新のSDGsニュース: 食料安全保障を脅かすリスクシナリオ(三菱総合研究所)

SDGsニュースの要約

世界では気候変動・土地劣化・地政学的リスクが重なり、食料サプライチェーンが構造的な揺らぎを見せています。日本の食料自給率はカロリーベースで38%と先進国最低水準で、小麦・大豆・トウモロコシ・飼料などの輸入依存度が高い構造です。日本の食品産業は中小企業比率が99%以上を占め、輸入原材料の調達リスクが顕在化する中、農林水産省は「食品原材料調達リスク軽減対策事業」を通じて、産地との連携強化や調達先の多角化を支援しています。世界経済フォーラムは食品サプライチェーンを「9兆ドル産業」と位置づけ、サステナブルな転換が国家・企業の競争力を左右すると指摘しています(出典: 農林水産省・WEF)。

SDGsニュースのポイント

  • 6月17日は1995年制定の「砂漠化および干ばつと闘う国際デー」
  • 国連砂漠化対処条約(UNCCD)採択日(1994年6月17日)に由来
  • 砂漠化=乾燥地域における土地の生産力低下のこと
  • SDGs目標15.3「土地劣化に荒らされない世界」と直結
  • 日本の食料自給率はカロリーベースで38%(先進国最低水準)
  • 日本の食品産業は中小企業比率99%以上
  • 小麦・大豆・トウモロコシ・飼料の輸入依存度が高い
  • ロシア・ウクライナ戦争で穀物相場が不安定化
  • 農水省「食品原材料調達リスク軽減対策事業」が産地連携・調達多角化を支援
  • 食品サプライチェーンは世界経済フォーラム推計で「9兆ドル産業」

SDGsニュースを考察

世界の土地劣化と日本の中小企業を結ぶ線は、思っているよりずっと太く短いです。カロリーベースで62%を輸入に依存する日本は、世界各地で起きる干ばつ・砂漠化・土壌劣化の影響を価格と供給量で直接受け取る構造になっています(出典: 三菱総合研究所)。2022年以降のロシア・ウクライナ情勢、米国中西部やオーストラリアの干ばつ、欧州の熱波――これらが小麦価格・大豆価格・パスタ・パン・飼料コストとなって、すでに飲食店・食品メーカーの利益を圧迫しています。

中小企業にとっての論点は3つあります。第一に、「リスクを認識する」段階から「備える」段階へ。これまでは調達価格の上下を「天候のせい」として受動的に受け止めてきた企業も、今後は気候変動・土地劣化を前提に調達ポートフォリオを設計する必要があります。農林水産省の「食品原材料調達リスク軽減対策事業」は、まさにこの転換を支援する制度です。

第二に、国産・地産地消の見直しです。輸入依存度を下げる方向だけでなく、国内のレジリエント農業を支える調達への切替は、SDGs目標2.4と連動した経営判断になります。同時に、水資源管理の文脈ではウォーターポジティブ戦略の知見も参考になります。

第三に、サステナブルな調達基準の明文化です。仕入先の土地利用・水利用・農薬使用を含む環境配慮を仕入条件に組み込むサステナブル調達方針は、大手取引先のスコープ3対応とも整合します。これは中小企業にとって、コスト最適化と長期的な競争力の両立を図る経営判断です。

つまり6月17日は、自社の「食卓と原材料」を世界の土地・気候とつなぎ直す日。気候変動と食品ロス削減を含めた総合的な調達戦略が問われています。

私たちにできること:中小企業の調達戦略3アクション

  1. 重要原材料の「気候リスクマップ」を作る
    小麦・大豆・コーヒー・カカオ等の主要原料について、産地・生産国・代替地を一覧化。エクセル1枚で十分です。これだけで取引先・金融機関への説明力が一段上がります。
  2. 国産・地産地消の比率を5%上げる
    全原材料を国産化するのは現実的でなくとも、5%だけでも国産・地産地消にシフトすれば、調達リスクの分散と地方創生CSRの両立ができます。農水省の補助金活用も視野に入ります。
  3. 「干ばつ・土地劣化に強い」原料への転換を検討
    ミレット(雑穀)、テフ、グルテンフリー穀物など、干ばつに強く土地劣化を起こしにくい作物のメニュー導入は、食料安全保障時代の差別化要素になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 砂漠化と干ばつの違いは?
A. 砂漠化は乾燥地域における土地の生産力低下(長期的・構造的)、干ばつは降水量不足による短期〜中期的な水不足を指します。両者は連動しており、干ばつの長期化が砂漠化を進行させ、砂漠化した土地はさらに干ばつに弱くなる悪循環があります。

Q2. 日本の中小企業がいきなり国産化を進めるのは難しいのでは?
A. すべてを国産化する必要はありません。まずは「重要原材料1〜2品目について、国産・地産地消の比率を5%上げる」ところから始めるのがおすすめです。農林水産省の食品原材料調達リスク軽減対策事業など、補助制度も活用できます。

Q3. 干ばつ・気候リスクを反映した価格設定は値上げの口実と見られませんか?
A. むしろストーリーを伴う価格改定は受け入れられやすい傾向があります。「気候変動と原料調達コストの実態」「サステナブルな調達への切替」をセットで説明することで、顧客理解を得ながら持続可能な値付けが可能になります。

まとめ:6月17日は調達戦略を見直す日

世界砂漠化と干ばつの日は、遠い砂漠の話ではなく、今日仕入れた小麦・大豆・コーヒーの価格に直結する日です。気候変動が日常になりつつある時代に、中小企業が取れる最も合理的な打ち手は「リスクを見える化し、選択肢を分散する」こと。エクセル1枚の気候リスクマップ、国産5%シフト、新しい原料の検討――今日から始められるアクションは小さくとも、3年後・5年後の経営の安定性を大きく変えます。あなたの会社の調達ポートフォリオ、6月17日に1度見直してみませんか?

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

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