「光を電気のように当たり前にする」——フォトニクスで持続可能な社会インフラを築くLightBridgeの挑戦(2)

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日本の教育をモロッコへ——技術を次の世代につなぐ

松尾:カトフ博士はモロッコに日本の教育モデルを持ち帰りたいとお考えだと伺いましたが、日本の工学教育のどこに魅力を感じていらっしゃいますか。

カトフ:日本の工学教育の良さは、知識を教えるだけでなく、学生をしっかり育てようとするところだと思います。先生方が一人ひとりをよく見て、時間をかけて導いていく。その積み重ねが、日本のエンジニアの強さにつながっていると感じています。

松尾:次世代を育てるという視点は、持続可能な社会の根幹ですね。5年先、10年先の技術者を今どう育てるかが、その国の未来を決める。

カトフ:まさにその通りです。私はモロッコ、カナダ、日本の教育を経験してきましたが、日本の教育には学ぶことが多いと感じています。将来は、その良さをモロッコでも形にしていきたいと思っています。


光が「当たり前」になる未来へ

松尾:最後に、10年後、15年後にLightBridgeがどのような役割を果たしていると思い描いていますか。

カトフ:光は、これから電気と同じように当たり前の技術になっていくと思っています。私がやりたいのは、より多くの人が光技術を使って、新しいデバイスや製品を生み出せる環境をつくることです。今はまだ専門性が高い分野ですが、そのハードルを下げて、アイディアを持つ人が実際に設計し、試作し、世の中に出せるようにしたい。そうした世界を実現したいと考えています。

松尾:「光が当たり前になる世界」というビジョンは、まさにインフラそのものを変える構想ですね。技術を知る者がビジネスを動かし、次の世代に教育として手渡していく。LightBridgeの取り組みは、持続可能な社会の土台をつくるものだと感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

カトフ:ありがとうございました。


【企業情報】 株式会社LightBridge

所在地:東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス2F

代表取締役:カトフ レドワン博士(工学)

事業内容:光学シミュレーションソフトウェア(Ansys Lumerical / Zemax)の販売・技術サポート、光集積回路の設計支援・MPW試作サービス

公式サイト:https://lightbridge.co.jp


編集部メモ

LightBridgeの取り組みは、エネルギー効率の改善(SDGs目標7)、研究開発機会の拡大と産業基盤の構築(目標9)、技術人材の育成(目標4)という観点から、持続可能な社会の実現に貢献するものです。

光技術による消費電力削減はCO2排出量の低減に直結し、MPWサービスによる試作コストの引き下げは、スタートアップや大学研究室にもイノベーションの門戸を開いています。

電気の代わりともなりうる光について光の国際デー(5月16日)を記念し、インタビューをお送りしました。

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

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