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【用語解説】フェアトレード認証とは?企業にもたらすメリットと取得事例

編集部の菊尾
編集部の菊尾
フェアトレード認証は、開発途上国の生産者や労働者の自立と人権を守るための重要な仕組みであり、先進企業を中心に認証取得が進んでいます。

フェアトレード認証の概要

フェアトレード認証とは、開発途上国の生産者や労働者に対して適正な価格と労働環境が確保されていることを第三者機関が認証する制度のことです。

認証を取得するためには、生産者への公正な対価の支払い、強制労働や児童労働の禁止、労働安全衛生の確保、結社の自由の尊重など、一定の基準を満たす必要があります。

フェアトレード認証の目的は、貿易における不平等な構造を是正し、開発途上国の生産者や労働者の自立と人権を守ることにあります。適正な価格での取引を通じて、生産者の生活向上と地域社会の発展を後押しするとともに、持続可能な生産方式の普及にもつながります。

企業への影響

フェアトレード認証の取得は、企業にとって様々なメリットをもたらします。

まず、フェアトレードへの取り組みは、企業の社会的責任を果たす上で高く評価されます。消費者の間でも、フェアトレード商品への関心が高まっており、認証取得は企業イメージの向上につながります。

また、フェアトレードを通じた生産者との長期的な関係構築は、安定した品質と供給量の確保にもつながります。生産者の生活が改善されることで、より質の高い原料や製品の提供が可能となるのです。さらに、フェアトレードの取り組みは、社員の満足度や企業への帰属意識の向上にも好影響を与えます。

一方で、フェアトレード認証の取得には、一定のコストがかかることが課題となります。認証審査の費用や、生産者への適正価格の支払いなどが必要となるためです。また、認証基準を満たすための体制整備にも労力を要します。しかし、長期的な視点に立てば、フェアトレードへの取り組みは企業の持続的成長に不可欠な投資と言えるでしょう。

主な事例

1.スターバックスは、コーヒー豆の調達において、フェアトレード認証を受けた豆の購入を進めています。

2021年には、フェアトレード認証コーヒー豆の購入量が全体の7.6%に達しました。また、コーヒー農家の生活改善や環境保全に向けた取り組みも行っており、持続可能な調達を推進しています。

2.パタゴニアは、フェアトレード認証を受けたオーガニックコットンを使用したTシャツの販売を行っています。

同社は、衣料品業界におけるフェアトレードの先駆者として知られ、生産者との長期的な関係構築を重視しています。また、フェアトレードの普及に向けて、消費者への啓発活動にも力を入れています。

まとめ

 

 

フェアトレード認証は、開発途上国の生産者や労働者の自立と人権を守るための重要な仕組みです。

企業にとっても、社会的責任の遂行やイメージアップ、長期的な関係構築などのメリットがあります。一方で、認証取得にはコストがかかるという課題もあります。

しかし、スターバックス、パタゴニアの事例からもわかるように、フェアトレードへの取り組みは、企業の持続的成長に不可欠な投資と言えるでしょう。私たち消費者も、フェアトレード商品を選ぶことで、よりよい世界づくりに参加することができます。

フェアトレード認証は、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップです。企業と消費者が協力し合い、公正な貿易の実現を目指していくことが求められています。