SDGs・脱炭素の用語

【用語解説】電気自動車(EV)とは?基礎知識とSDGsへの貢献

概要

電気自動車(EV)の概要

電気自動車(EV)は、バッテリーに蓄えた電気エネルギーを使ってモーターを駆動し、走行する自動車です。ガソリンや軽油などの化石燃料を使用せず、走行時に二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質を排出しないため、環境負荷が低いのが特徴です。近年、地球温暖化対策やSDGsへの関心の高まりを背景に、EVの普及が加速しています。EVのメリットは、何といっても環境性能の高さです。走行時のCO2排出量がゼロであるため、地球温暖化対策に大きく貢献します。また、大気汚染物質の排出もないため、大気環境の改善にも役立ちます。さらに、エネルギー効率が高く、燃料費を大幅に削減できるのも魅力です。

対象のSDGsゴールとターゲット

電気自動車(EV車)は、以下のSDGsゴールとターゲットに貢献します。

・ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに):すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

-ターゲット7.2:2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。

-ターゲット7.3:2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

・ゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう):強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

-ターゲット9.4:2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。

・ゴール11(住み続けられるまちづくりを):包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

-ターゲット11.6:2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。

・ゴール12(つくる責任 つかう責任):持続可能な生産消費形態を確保する

-ターゲット12.4:2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

・ゴール13(気候変動に具体的な対策を):気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

-ターゲット13.2:気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。

企業への影響

企業にとって、EVの導入は、環境負荷の低減だけでなく、経済的なメリットももたらします。

燃料費の削減により、ランニングコストを大幅に抑えることができます。また、EVは構造がシンプルで部品点数が少ないため、メンテナンスコストも低く抑えられます。

さらに、EVの導入は、企業のイメージアップにもつながります。環境に配慮した企業として評価されることで、顧客や投資家からの信頼を得ることができます。SDGsへの貢献をアピールすることで、企業価値の向上が期待できます。

主な事例

日本郵便株式会社

2020年までに配送用車両の10%をEVに切り替える計画を発表しました。2020年3月時点で、全国で約1,200台のEVを導入し、CO2排出量の削減に取り組んでいます。日本郵便は、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、EVの導入はその重要な施策の一つとなっています。

イオン株式会社

店舗の駐車場にEV用の充電スタンドを設置し、EVの普及を支援しています。2020年2月時点で、全国のイオン店舗に約1,900基の充電スタンドを設置しています。また、イオンは自社の配送用車両のEV化も進めており、2020年2月時点で約300台のEVを導入しています。

まとめ

電気自動車(EV)は、環境負荷の低減と経済的なメリットを両立できる次世代の自動車です。

企業にとっては、燃料費やメンテナンスコストの削減、企業イメージの向上など、様々なメリットがあります。SDGsへの貢献という観点からも、EVの導入は重要な取り組みと言えるでしょう。今後、更に多くの企業がEVを導入し、持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことが期待されます。