6月8日は世界海洋デー|ブルーカーボンとJ-ブルークレジットで中小企業ができる海の脱炭素

6月8日は世界海洋デー|ブルーカーボンとJ-ブルークレジットで中小企業ができる海の脱炭素

6月8日は世界海洋デー|ブルーカーボンとJ-ブルークレジットで中小企業ができる海の脱炭素【2026年最新】

目次

こんな人にオススメです

  • 沿岸地域でビジネスをしている中小企業の経営者・店舗オーナー
  • 自社のCO2排出量をクレジットでオフセットしたいサステナビリティ担当者
  • 海・水産・観光と関わる事業で新しいCSRストーリーを探している方
  • 取引先からスコープ3削減を求められている調達・経営企画担当者
  • 6月の環境月間で「陸の話」だけでなく「海の話」も発信したい広報担当者

「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長の日野広大です。6月8日は国連が定める世界海洋デー(World Oceans Day)。「海の脱炭素」と聞くとピンと来ないかもしれませんが、いま日本で急速に広がっているのがブルーカーボンJ-ブルークレジットです。

結論からお伝えすると、アマモ場・海藻藻場・干潟が吸収するCO2は、設備投資ゼロで企業のカーボンオフセットに使える”日本独自のクレジット”として注目されています。本記事では、ブルーカーボンの基礎、J-ブルークレジットの最新動向、中小企業が活用できる3つのアクションをご紹介します。

ブルーカーボンとは?海が吸収するCO2の新たな主役

ブルーカーボンとは、海草藻場(アマモ・ウミショウブ等)、海藻藻場(ワカメ・コンブ等)、潮汐湿地・干潟、マングローブ林などの海洋・沿岸生態系が吸収・貯留する炭素のことです。2009年に国連環境計画(UNEP)が報告書『ブルーカーボン』を発表し、新たなCO2吸収源として国際的に位置づけられました(出典: 国連広報センター)。陸上の森林由来の「グリーンカーボン」と対をなす概念で、海洋大国・日本にとって特に重要な領域です。

最新のSDGsニュース: J-ブルークレジット制度(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)

SDGsニュースの要約

J-ブルークレジット制度は、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が2020年7月に国内初のブルーカーボンクレジット発行イニシアティブとして設立した制度です。海草藻場・海藻藻場・干潟・マングローブの吸収量を認証し、企業のカーボンオフセットに活用できます。2024年4月には世界初となる海藻・海草の吸収量算定・報告が始まりました。クレジット価格は福岡市博多湾の8,000円/t-CO2、J-ブルークレジットでは13,000円/t-CO2以上の取引実績があり、地域の漁協・市民団体・自治体と企業の連携プロジェクトが各地で立ち上がっています(出典: ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)。

SDGsニュースのポイント

  • 6月8日は2009年に国連が定めた「世界海洋デー」
  • 世界100カ国以上で海洋保全イベントが開催
  • 2009年UNEP報告書『ブルーカーボン』が国際的な発端
  • J-ブルークレジットは2020年7月設立の国内初イニシアティブ
  • 対象は海草藻場・海藻藻場・潮汐湿地・干潟・マングローブ
  • 2024年4月、世界初の海藻・海草吸収量算定報告が開始
  • 福岡市博多湾ブルーカーボン・オフセットは8,000円/t-CO2で取引
  • J-ブルークレジットは13,000円/t-CO2以上の取引実績
  • 海洋生態系に直接関わらない企業でも購入オフセットが可能
  • SDGs目標14(海の豊かさ)・13(気候変動)・15(陸の豊かさ)に直結

SDGsニュースを考察

「脱炭素」というと、太陽光・風力・EVといった陸の話が中心になりがちです。しかし日本は世界6位の排他的経済水域(EEZ)面積を持つ海洋大国であり、ブルーカーボンを語らずしてカーボンニュートラルは達成できません。J-ブルークレジット制度が2020年に立ち上がり、わずか4年で海藻・海草の吸収量算定(世界初)まで進んだのは、日本ならではの強みを生かした取り組みといえます(出典: ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)。

注目すべきは、ブルーカーボンが地域経済と直結している点です。アマモ場の保全には地元の漁協・ダイバー・市民団体の協力が不可欠で、クレジット販売収益は地域の海洋保全活動に還元されます。中小企業がクレジットを購入することは、単なるCO2オフセットを超え、地域の海と漁業を守る投資でもあるのです。これは私が以前の記事でお伝えしたブルーエコノミーの具体的実装でもあります。

中小企業が今すぐ動ける論点は3つあります。第一に、13,000円/t-CO2前後のクレジット購入で「海と地域に還る脱炭素」というストーリーが作れること。これは森林J-クレジットや太陽光由来クレジットでは語れない独自性があります。第二に、海洋プラスチックや海洋プラスチック問題への対応とセットで進めると、SDGs目標14(海の豊かさ)への貢献を一貫して説明できること。第三に、サプライチェーンに水産物・観光を含む企業は、スコープ3対応の文脈でブルーカーボンを位置づけることが合理的になりつつあります。

特に飲食・観光・水産加工業の中小企業にとっては、6月8日の世界海洋デーは年間で最も発信効果が高い日。地域漁協と連携したアマモ場再生プロジェクトは、CSRと地方創生を兼ねる優れたサステナビリティ経営の入口です。

私たちにできること:中小企業ができる3つのアクション

  1. J-ブルークレジット購入で自社のCO2をオフセットする
    J-ブルークレジット公式サイトから1t-CO2単位で購入可能。13,000円〜のコストで、製品・店舗・イベント単位での「ブルーカーボンオフセット」表示ができ、メニュー・ECページの差別化要素になります。
  2. 地域の海洋保全プロジェクトに社員ボランティアで参加
    アマモ場再生、海岸清掃、漁網リサイクルなど、地域漁協・NPOが実施するプロジェクトに月1日参加。地域貢献とステークホルダー・エンゲージメントを同時に進められます。
  3. 6月8日に合わせた「海テーマ」コンテンツを発信する
    水産物の地産地消メニュー、海洋プラスチックフリー商品、ブルーカーボン豆知識など。世界海洋デーは年に1度の集中発信日です。SNSハッシュタグ「#WorldOceansDay」「#世界海洋デー」を活用しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 海から離れた内陸の中小企業もブルーカーボンに関わる意味はありますか?
A. はい、明確にあります。J-ブルークレジット購入は地理的制約なくどの企業でも可能で、購入収益が沿岸の海洋保全活動に還元される仕組みです。さらに「お米」「水産物」「観光」など海洋と関わる原材料・サプライチェーンを持つ企業は、間接的にブルーカーボンの恩恵を受けています。

Q2. ブルーカーボンと森林J-クレジットの違いは?
A. ブルーカーボン(J-ブルークレジット)は海草藻場・海藻藻場・干潟・マングローブが吸収したCO2、森林J-クレジットは森林の植林・間伐などによるCO2吸収を対象とします。価格帯はブルーカーボンの方がやや高め(13,000円/t-CO2前後)ですが、地域漁業・海洋保全との連動性が強くストーリー性で差別化できます。

Q3. クレジット購入の手続きは複雑ですか?
A. それほど複雑ではありません。ジャパンブルーエコノミー技術研究組合の公式サイトから直接申し込めるほか、サステナビリティコンサルティング会社や商社経由でも購入可能です。1t-CO2から取引でき、購入後は無効化(リタイア)処理を経て自社のオフセット実績として報告できます。

まとめ:6月8日、海から始める脱炭素ストーリーを

世界海洋デーは、海洋大国日本にとって最も発信力のある国際デーの一つです。アマモ場が吸収する1tのCO2が、地域の漁協と海洋保全に還元される仕組みが日本にはすでに整っています。設備投資ゼロで参加でき、地方創生・採用ブランディング・サプライチェーン対応という3つの効果を同時に得られるブルーカーボンは、中小企業にこそ向いた脱炭素アクションです。あなたの会社の6月8日、海とつながる一歩を踏み出してみませんか?

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

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