米国のトラック燃料で脱炭素の第3の選択肢!電気でも水素でもないRDとは?

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

米国で再生可能ディーゼル(RD)の利用が急増しています。カリフォルニア州を中心にゼロ・エミッション化が進む中、RDは電気や水素に次ぐトラック脱炭素の新たな選択肢として注目されています。既存のディーゼルトラックでそのまま使用できるため、運送業界での導入が拡大しています。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:米国で「RD」の利用が急増中!? 電気でも水素でもないトラック脱炭素の第3の選択肢とは?

ニュースの内容

米国で再生可能ディーゼル(RD)の利用が急増し、トラック脱炭素の新たな選択肢として注目されています。RDは従来のディーゼルエンジンでそのまま使用でき、電気や水素よりも高いCO2削減効果を持つことが評価されています。カリフォルニア州の規制強化を背景に、RDの需要が急速に拡大しています。

SDGsニュースの主な要点

– 米国で再生可能ディーゼル(RD)の利用が急増中。

– RDはトラック脱炭素の第3の選択肢として注目されている。

– カリフォルニア州が一部トラックのゼロ・エミッション化を義務付けたことが背景にある。

– RDは既存のトラックにそのまま使用できる「ドロップイン燃料」である。

– RDは従来のバイオ燃料とは異なり、化学的に軽油と同等の性質を持つ。

– RDの利用により、内燃機関トラックのCO2排出を67.3%削減可能。

– 2023年の米国におけるRDの消費量は28億ガロンに達し、前年比66.9%増。

– RDの主要原料はUCO(使用済み食用油)、牛脂、大豆油など。

– 米国内でのRD消費量の約7割がカリフォルニア州で占められている。

– RDは温室効果ガス削減やカーボンニュートラルの達成に貢献。

– 中小企業にとってコスト効率の良い脱炭素手段となっている。

– RDの普及により、米国のトラック業界で脱炭素が進展している。

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

今日は、トラック業界の脱炭素化に向けた最新の取り組みについてお話しします。特に注目したいのが、「再生可能ディーゼル(RD)」という新しい燃料です。これが、トラック業界の温室効果ガス削減に大きな可能性を秘めているんです。

まず、なぜトラック業界の脱炭素化が重要なのか、おさらいしましょう。実は、アメリカでは輸送セクターが国全体の温室効果ガス排出量の28.9%を占めているんです。そのうち、中大型車両が23%を占めています。つまり、トラック業界の脱炭素化は、地球温暖化対策の重要な鍵を握っているんですね。

さて、そんな中で注目を集めているのが「再生可能ディーゼル(RD)」です。これは、従来の軽油と同じように使えるバイオ燃料なんです。面白いのは、既存のトラックにそのまま給油できるという点。新しい車両を購入する必要がないので、中小企業でも取り組みやすいんです。

RDの原料は、使用済み食用油や動物性脂肪、農林業の余剰生産物など。これらを加工して作られます。つまり、廃棄物を有効活用しているんですね。これって、まさにSDGsの考え方に沿っていると言えるでしょう。

実際、アメリカではRDの利用が急増しています。2023年のRD消費量は28億ガロン(約106億リットル)に達し、前年比で66.9%も増加したんです。特にカリフォルニア州では、州の低炭素燃料助成金の対象となっていることもあり、RDの約7割が消費されているそうです。

ここで気になるのが、RDの環境への影響です。アメリカの輸送研究機関ATRIの調査によると、既存のディーゼルエンジンにRDを使用した場合、CO2削減効果は67.3%にも達するそうです。これは、バッテリー式電気自動車(BEV)への切り替えによる30%の削減効果を大きく上回っています。

しかし、課題もあります。RDの原料となる油脂類の需要が高まることで、食料品との競合が起こる可能性があるんです。実際、アメリカは大豆の純輸入国に転じたそうです。また、航空機用の持続可能な航空燃料(SAF)との競合も懸念されています。

日本でも、RDを活用した実証実験が行われています。例えば、トナミ運輸がNESTEのRDを使ったトラックの運行を行っているそうです。しかし、まだ大規模な商用化には至っていません。

ここで、私見を述べさせていただきます。RDは確かに魅力的な選択肢ですが、これだけで全てが解決するわけではありません。トラック業界の脱炭素化には、RDの活用と並行して、電気トラックや水素燃料電池トラックの開発も進める必要があるでしょう。また、物流の効率化やモーダルシフトなど、輸送そのものの在り方を見直すことも重要です。

さらに、中小企業がSDGsや脱炭素化に取り組めるような支援策も必要だと考えます。帝国データバンクの調査によると、中小企業の半数が資金不足や人材不足でSDGsに取り組めていないそうです。一方で、7割の企業がSDGsへの取り組みの効果を実感しているという結果もあります。つまり、取り組みたくても取り組めない企業が多いのが現状なんです。

そこで、政府や自治体による支援策の充実や、大企業と中小企業の連携促進など、様々なアプローチが必要だと考えます。例えば、RDの導入に対する補助金制度や、SDGs推進のための専門家派遣制度などが考えられるでしょう。

最後に、私たち一人一人にできることも忘れてはいけません。例えば、環境に配慮した企業の製品やサービスを選ぶことや、自分の生活の中でできる省エネ・省資源の取り組みを実践することです。小さな一歩の積み重ねが、大きな変化につながるのです。

トラック業界の脱炭素化は、決して簡単な道のりではありません。しかし、再生可能ディーゼルのような新技術の登場や、企業の積極的な取り組みによって、着実に前進しています。私たちSDGsの知恵袋編集部も、これからも最新の情報をお届けし、皆さんのSDGs活動をサポートしていきます。一緒に、持続可能な社会の実現を目指しましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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