【用語解説】ホワイト水素とは?再生可能エネルギーから生み出されるクリーンな水素
概要
ホワイト水素とは
ホワイト水素とは、再生可能エネルギーを用いて水を電気分解することで製造される、環境に優しい水素のことです。太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーを利用するため、製造過程でCO2を排出せず、カーボンニュートラルな水素として注目されています。ホワイト水素は、脱炭素社会の実現に向けた重要な要素として、様々な分野での活用が期待されています。
SDGsゴールとターゲット
ゴール7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
ターゲット:
・7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
・7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
ホワイト水素は、化石燃料に代わるクリーンなエネルギー源として、ゴール7の達成に貢献できます。ホワイト水素は、製造時にCO2を排出せず、利用時にも水しか出さないため、再生可能エネルギーの一つとみなすことができます。
ゴール9:産業と技術革新の基盤をつくろう
ターゲット:
・9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。
ホワイト水素の活用は、産業におけるクリーンな技術の導入拡大につながります。水素発電や燃料電池など、ホワイト水素を利用した技術は、産業の脱炭素化に寄与します。
ゴール13:気候変動に具体的な対策を
ターゲット:
13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
企業への影響
ホワイト水素は、企業にとって新たなビジネスチャンスをもたらす可能性があります。
再生可能エネルギーを活用した水素製造事業への参入や、ホワイト水素を利用した製品・サービスの開発など、様々な事業展開が考えられます。また、ホワイト水素の利用は、企業のESG評価の向上にもつながります。一方で、ホワイト水素の製造には、再生可能エネルギーの安定供給や、コスト面での課題もあるため、技術革新と経済性の向上が求められています。
主な事例
- 豊田通商は、オーストラリアにおいて、太陽光発電を利用したホワイト水素の製造プロジェクトを推進しています。現地の再生可能エネルギーを活用し、大規模な水素製造を目指しています。
- 東芝エネルギーシステムズは、福島県浪江町において、太陽光発電と水電解装置を組み合わせたホワイト水素の製造実証事業を行っています。再生可能エネルギーの有効活用と、福島県の復興に貢献することを目的としています。
- 中国電力は、広島県大崎上島町で、風力発電を利用したホワイト水素の製造実証事業を進めています。製造したホワイト水素を、島内の公共施設や燃料電池フォークリフトに活用する計画です。
まとめ
ホワイト水素は、再生可能エネルギーを利用してCO2を排出せずに製造される、環境に優しい水素です。
脱炭素社会の実現に向けて、ホワイト水素の役割は大きく、企業にとっても新たなビジネスチャンスとなる可能性があります。一方で、技術的・経済的な課題もあるため、官民一体となった取り組みが求められています。ホワイト水素の普及と活用が進むことで、持続可能な社会の実現に近づくことができるでしょう。