ダイバーシティ＆インクルージョンの概要

ダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）とは、多様な人材を受け入れ、一人ひとりが能力を発揮できる環境を整えることを指します。性別、年齢、国籍、障がいの有無などに関わらず、多様な価値観や経験を持つ人材が活躍できる組織づくりが目指されます。近年、グローバル化や少子高齢化が進む中、企業にとってD&Iの推進は重要な経営戦略となっています。

ゴール5：ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての⼥性と⼥児のエンパワーメントを図る。

主なターゲット:

• あらゆる場所における全ての⼥性及び⼥児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
• 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な⼥性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。

ゴール10：⼈や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する。

主なターゲット:

• 2030年までに、年齢、性別、障害、⼈種、⺠族、出⾃、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての⼈々の能⼒強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。
• 機会均等を確保し、成果の不平等を是正するため、差別的な法律、政策及び慣⾏の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、⾏動の促進などを通じて実現する。

D&Iの推進は、企業にとって様々なメリットをもたらします。多様な視点や発想を取り入れることで、イノベーションの創出や問題解決力の向上が期待できます。また、優秀な人材の確保や従業員のエンゲージメント向上にもつながります。一方で、D&Iの浸透には組織文化の変革が不可欠であり、トップのコミットメントや継続的な取り組みが求められます。D&Iの実践は、企業の持続的成長を支える基盤となるでしょう。

主な事例

1.株式会社FrankPRが運営する革製品ブランド「ラファエロ」は、バングラデシュと日本でシングルマザーを積極的に雇用し、障がい者の活躍推進にも取り組んでいます。多様な人材が活躍できる環境づくりを通じて、ジェンダー平等やインクルーシブな社会の実現を目指しています。

2.日本マイクロソフトは、女性管理職比率の向上や LGBT の就労支援など、D&I を重要な経営戦略に位置づけています。経営陣への女性登用や、社内のD&I推進組織の設置など、トップダウンとボトムアップの両面からD&Iを推進しています。

3.日本航空（JAL）は、女性パイロットの積極採用や、シニア人材の活躍推進に力を入れています。多様な人材が長く活躍できる環境整備や、ユニバーサルサービスの充実など、D&Iの視点を事業に組み込んでいます。

D&Iは、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」や目標10「人や国の不平等をなくそう」の達成に直結するテーマです。先進企業の事例からは、トップのリーダーシップと現場の主体的な取り組みが重要であることがわかります。D&Iを企業文化に根付かせ、事業戦略に組み込んでいくことが、持続可能な社会の実現につながるのです。私たち一人ひとりも、多様性を尊重し、誰もが活躍できる社会づくりに貢献していくことが大切ですね。