SDGs・脱炭素の用語

【用語解説】エネルギー効率の向上で企業はどう変わる?SDGsへの貢献と経済効果

概要

エネルギー効率の概要

エネルギー効率とは、投入したエネルギーに対して得られる有効な仕事やサービスの割合を示す指標です。エネルギー効率が高いほど、同じ量のエネルギーでより多くの仕事やサービスを得ることができ、エネルギーの無駄が少ないことを意味します。化石燃料の枯渇や地球温暖化対策の観点から、エネルギー効率の向上は脱炭素社会実現のカギを握る重要な取り組みと言えるでしょう。

 

対象のSDGsゴールとターゲット

エネルギー効率は、以下のSDGsゴールとターゲットに貢献します。

・ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに):すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

- ターゲット7.3:2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

・ゴール12(つくる責任 つかう責任):持続可能な生産消費形態を確保する

- ターゲット12.2:2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

・ゴール13(気候変動に具体的な対策を):気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

- ターゲット13.2:気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。

 

企業への影響

企業にとってエネルギー効率の向上は、コスト削減や競争力強化につながる重要な経営課題です。

省エネ設備の導入や運用改善によってエネルギー消費量を減らせば、光熱費などのランニングコストを大幅に抑えられます。また、環境負荷の少ない企業として評価されることで、顧客や投資家からの支持を得やすくなります。さらに、SDGsやESG経営への貢献は、企業価値の向上や持続的な成長の実現にもつながるでしょう。

主な事例

1.トヨタ自動車工場

省エネルギー化や高効率設備の導入、再生可能エネルギーの活用などにより、エネルギー効率を大幅に改善。2020年には2013年度比で36%のCO2排出量削減を達成しました。

2.日本マイクロソフト

クラウドサービスのデータセンターにおいて、AIを活用した空調制御や再生可能エネルギーの利用により、エネルギー効率を向上。2030年までにカーボンネガティブの達成を目指しています。

3.株式会社FrankPR

再生可能エネルギーを利用した事業運営により、エネルギー効率の高い経営を実践。ファッション業界で初のジャパンSDGsアワード受賞につながりました。

まとめ

エネルギー効率の向上は、脱炭素社会の実現とSDGsの達成に不可欠な取り組みです。

企業は省エネ設備の導入や再エネ利用などを通じて、エネルギー効率を高めることで、コスト削減や企業価値の向上を図ることができます。SDGsやESG経営の観点からも、エネルギー効率への積極的な取り組みが求められる時代と言えるでしょう。先進企業の事例を参考に、自社に合ったエネルギー効率改善策を検討していくことが重要です。