土用の丑の日2026|絶滅危惧ニホンウナギを守る中小の持続可能調達

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土用の丑の日2026|絶滅危惧ニホンウナギを守る中小飲食・小売の持続可能調達

目次

こんな人にオススメです

  • 土用の丑の日にうなぎを扱う飲食店・うなぎ専門店・仕出し店の経営者
  • 蒲焼き・うな重を販売するスーパー・小売店・EC事業者の仕入れ担当者
  • 「持続可能な水産調達」をメニューや売り場でアピールしたい広報・CSR担当者
  • MSC・ASCなど水産エコラベルの導入を検討している飲食・小売の中小企業
  • 資源枯渇が心配な魚種を、どう仕入れ・販売すればよいか悩む事業者

「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長の日野広大です。土用の丑の日は、日本の食文化を支えてきた大切な行事ですよね。一方で、その主役であるニホンウナギは絶滅危惧種に指定されているのをご存じでしょうか。

結論からお伝えすると、ニホンウナギは2014年にIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「絶滅危惧種(EN)」に指定されており、うなぎを扱う事業者にはトレーサビリティの確認や認証品の活用といった持続可能な調達が求められています。本記事では、2026年の土用の丑の日を前に、中小の飲食・小売が今日から取り組める具体策をご紹介します。

土用の丑の日とは?夏バテ対策とうなぎ食文化の日

土用の丑の日とは、暦の上で季節の変わり目にあたる「土用」の期間中で、十二支の「丑」にあたる日のことです。とくに夏の土用(立秋前の約18日間)の丑の日は、栄養価の高いうなぎを食べて夏を乗り切る習慣として広く知られています。2026年の夏の土用の丑の日は7月下旬にあたるとされ、この時期はうなぎの需要が一年で最も高まります。だからこそ、供給側である事業者の「調達のあり方」が問われるタイミングでもあるのです。

最新のSDGsニュース: ニホンウナギの資源管理と持続可能な利用

SDGsニュースの要約

ニホンウナギは2014年にIUCNレッドリストで絶滅危惧種(EN)に指定され、国際的な資源保護の対象となりました。背景には稚魚(シラスウナギ)の激減があり、その漁獲量は1960年代のピーク時(年間200トン超とされる)から近年は十数トン規模まで落ち込んだと報告されています。日本は世界のウナギ消費の過半を占めるとされる最大の消費国であり、国内流通の大部分は養殖ですが、その養殖も天然の稚魚を捕まえて育てる方式に依存しています。こうしたなか日本・中国・韓国・台湾は2014年以降、シラスウナギの池入れ量に上限を設ける資源管理の枠組みで協調しています(出典: 水産庁、WWFジャパン)。SDGs目標12(つくる責任つかう責任)・14(海の豊かさを守ろう)に直結するテーマです。

SDGsニュースのポイント

  • ニホンウナギは2014年にIUCNレッドリストで絶滅危惧種(EN)に指定
  • 稚魚シラスウナギの漁獲量は1960年代ピークから大幅に減少したとされる
  • 日本は世界のウナギ消費の過半を占める最大の消費国とされる
  • 国内供給の大半は養殖だが、種苗は天然のシラスウナギに依存
  • 日本・中国・韓国・台湾が池入れ量の上限で協調(2014年〜)
  • 完全養殖は研究段階で成功済みだが、商業化・量産は未達
  • 密漁・密輸された稚魚の流通がトレーサビリティ上の課題
  • MSC(天然)・ASC(養殖)など水産エコラベルの活用が広がる
  • SDGs目標12・14に直結する「食と海」の課題
  • 事業者の仕入れ判断が資源の未来を左右する

SDGsニュースを考察

「うなぎが絶滅危惧種」と聞くと、扱いをやめるべきかと身構えてしまいますよね。しかし本質は「食べない」ことではなく、資源が続く形で賢く利用することにあります。ニホンウナギの生活史にはまだ解明されていない部分が多く、稚魚の来遊量は年によって大きく変動します。だからこそ、どこで獲れ・どう育てられたウナギなのかを追えるトレーサビリティの確保が、密漁・密輸を排除する最初の一歩になります。仕入れ先に産地・池入れ記録・流通経路を確認するだけでも、事業者としての姿勢は大きく変わります。

中小の飲食・小売にとっての論点は3つです。第一に、サステナブル調達は差別化の武器になること。MSC(天然水産物)やASC(養殖)の認証、あるいは資源管理に取り組む産地の商品を選び、その理由を売り場やメニューで語ることは、価格競争から抜け出すブランドづくりにつながります。

第二に、「一点集中」から「選択肢の提示」へという発想の転換です。土用の丑の日をうなぎ一択にせず、他の旬の魚や、うなぎに見立てた代替メニュー(穴子、鰯の蒲焼き、大豆やナスを使ったプラントベースの蒲焼き風など)を並べれば、資源への負荷を抑えつつ客単価と話題性を両立できます。これは食材を大切に使い切る食品ロス削減や、海の生物多様性を守る取り組みとも地続きです。

第三に、消費者のエシカル消費の高まりを追い風にすること。「安いから」ではなく「未来に責任があるから選ぶ」という価値観は着実に広がっています。事業者が背景を丁寧に伝えれば、割高でも支持してくれるお客様は必ずいます。うなぎを扱い続けるからこそ、資源を守る発信ができる――そう捉え直してみませんか。

私たちにできること:持続可能なうなぎ調達3アクション

  1. 仕入れ先にトレーサビリティを確認する
    産地、養殖場、池入れ記録、流通経路を仕入れ時に確認。答えられない業者からは仕入れないという基準を社内で決め、密漁・密輸由来のリスクを避けましょう。
  2. 認証品・資源管理産地の商品を一部でも導入する
    ASC認証やMSC認証、資源管理に積極的な国内産地の商品を、まずは一部メニュー・一部売り場から採用。POPやメニュー表に理由を明記して価値を伝えます。
  3. 代替メニューと「食べ方の提案」を用意する
    穴子や旬の魚、プラントベースの蒲焼き風など、うなぎ以外の選択肢も土用の丑の日メニューに追加。うなぎは少量を大切に味わう提案に切り替え、資源負荷と食品ロスの両方を抑えます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 絶滅危惧種のうなぎを、お店で販売してもよいのですか?
A. 現時点でニホンウナギの国内での販売自体は禁止されていません。ただしIUCNの絶滅危惧種であり、密漁・密輸された稚魚由来の流通が課題とされています。合法かつトレーサビリティの取れた商品を選び、資源管理に配慮して扱うことが事業者に求められます。

Q2. MSCとASC認証は、うなぎでも使えますか?
A. MSCは天然の水産物、ASCは養殖水産物を対象とした国際的な認証です。ウナギに関する認証・基準づくりは発展途上の分野ですが、認証品や資源管理に取り組む産地を選ぶ姿勢は、持続可能な調達の分かりやすい指標になります。詳細は各認証機関や仕入れ先にご確認ください。

Q3. 中小の飲食・小売が、いきなり全部を切り替えるのは難しいのですが?
A. 一度に完璧を目指す必要はありません。まずは仕入れ先への産地確認から始め、次に一部メニューへ認証品や代替メニューを導入する、という段階的な進め方で十分です。小さな一歩でも、続けることが資源保全への確かな貢献になります。

まとめ:うなぎを味わい続けるために、今できること

土用の丑の日は、日本人がうなぎに感謝し、夏を元気に越えるための大切な文化です。その文化を来年も、10年後も続けていくために必要なのは「食べない我慢」ではなく、資源が続く形で賢く選び、伝えることです。仕入れ先へのトレーサビリティ確認、認証品や資源管理産地の一部導入、代替メニューの用意――どれも今日から始められます。あなたのお店の一皿から、絶滅危惧のニホンウナギと日本の食文化を未来へつなぐ大きな流れが生まれます。

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

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