夏の全国高校野球選手権大会3日目、広島の名門・広陵高校は北海道の旭川志峯を3-1で下し、初戦を突破しました。しかし、その勝利の裏で、同校が抱える深刻な問題が次々と明るみに出ています。試合後の異例の”握手拒否”騒動から、保護者によるSNSでの衝撃的な告発まで、事態は複雑な様相を呈しています。
甲子園で起きた異例の事態「握手拒否」
問題のシーンは、試合終了後の挨拶で起こりました。通常であれば互いの健闘をたたえ握手を交わす場面で、対戦相手である旭川志峯の選手3人が握手を拒否したのです。
この行動の背景には、広陵高校野球部で今年1月に発覚した暴力事案があります。当時1年生だった部員に対し、2年生部員が暴力をふるったとして、日本高等学校野球連盟(高野連)は3月に同校を厳重注意としました。この件はSNSでも大きく拡散されており、握手を拒否した選手たちに対して、
《事件が耳に入ってたらそりゃ嫌悪感抱くでしょ》
と擁護する声がある一方、
《握手拒否はダメだろ!》
といった苦言も呈され、賛否両論を呼んでいます。
浮上した「別の事案」と保護者の実名告発
騒動はこれだけにとどまりませんでした。厳重注意の原因となった事案とは別に、さらに深刻な「別の事案」の存在が明らかになったのです。
学校側の発表によると、この「別の事案」は、元部員が1年生だった2023年に監督、コーチ、一部の部員から暴力などを受けたとされるものです。元部員は退部後の2024年3月に被害を申告しましたが、学校側は当初の聞き取り調査では「事実を確認できなかった」としていました。
しかし、事態が大きく動いたのは、学校が「別の事案」について公式に発表する前日の8月6日深夜でした。被害生徒の保護者がSNS上で実名で告発文を投稿。
《性被害に遭いました》《殺人行為》
など、単なる”いじめ”では済まされない衝撃的な言葉が並んでいました。
この告発を受けてかのように、学校側は第三者委員会の設置を発表。この後手に回った対応に、
《告発がでなければ隠蔽する気満々だったんじゃん》
《マジで隠蔽体質なんだな。残念過ぎる》
などと、学校の姿勢を批判する声が殺到しています。
第三者委員会が調査、年内に結論か
学校側は、元部員の保護者からの要望を受け、文部科学省のガイドラインに沿って今年6月に第三者委員会を設置したと説明しています。委員は学校と利害関係のない弁護士らで構成され、7月までに2回の会合を開いて調査を進めているとのことです。
学校側は「独立した第三者委で調べてもらうのが最も適切と判断した。遅くとも年内には結論を得たい」としており、調査結果は2025年12月までに取りまとめられる見通しです。
日本高野連は、この第三者委員会の調査結果を待って、対応を検討するとしています。過去には、暴力事件をきっかけに名門・PL学園が廃部に追い込まれた例もあります。聖地・甲子園の裏で起きた深刻な問題の全容解明と、然るべき措置が厳しく求められています。
https://www.sankei.com/article/20250808-S6Z22TG3HZNMJKUUKQ4OFJ3N7M
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