日本とEUが脱炭素戦略で合意、共通ルールでサプライチェーンを革新

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

日本とEUが脱炭素支援の共通ルール策定で合意へ。電気自動車や洋上風力などの供給網構築を目指し、特定国への依存度低減を図る方針です。国際協力による安定供給網と公正な市場競争を促進。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:日EU、脱炭素支援で共通ルール 供給網の中国依存避ける

ニュースの内容

日本とEUは、脱炭素分野での共通ルール作りに合意予定。中国製品への依存を減らし、EVや洋上風力などの供給網を強化する方向で調整中です。

SDGsニュースの主な要点

– 日本と欧州連合(EU)が脱炭素分野で共通ルールの策定に合意予定。

– 共通ルールには、公共調達基準の統一や補助金政策の調整が含まれる。

– 目的は、中国製の安価な脱炭素製品への依存度を減らすこと。

– 日EU連携により、電気自動車(EV)や洋上風力などの供給網強化を目指す。

– 日米欧の協力体制を通じて、安定供給と公正な市場競争を促進する計画。

– 今後の具体的な規制内容や対象製品は、今後詰められる段階にある。

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

本日は、日本とEUが脱炭素分野で共通ルール作りに乗り出すという最新ニュースについてお伝えしたいと思います。

日本とEUは5月にも、電気自動車(EV)や洋上風力など脱炭素関連製品の支援策や公共調達に関する共通ルールで合意する見通しです。これは、中国を念頭に、巨額の補助金政策で不当に安い製品を輸出する特定国への過度な依存を減らすことが目的です。

実は、EUでは中国製の安価なEVや太陽光パネルが大量に流入しており、産業保護の観点から問題視されているのです。日本でも、太陽光などの再生可能エネルギー設備で安価な中国製品への依存度が高く、脱炭素のための補助金が国内産業の支援に十分に回っていないという課題があります。

そこで日本とEUは、脱炭素関連の補助金や公共調達などの支援策について、二酸化炭素排出量の削減といった環境対応や、特定国への過度な依存を避けるための安定供給の確保、サイバーセキュリティー対応などの基礎的な条件を揃える検討に入るとのことです。

対象となるのは、EVや洋上風力、パワー半導体など、脱炭素に関わる幅広い製品が想定されています。EUは特に、脱炭素製品の公共調達について、域外の特定国からの輸入依存を防ぐようなルール作りを検討しているようです。これにより、環境対応などを無視した不当に安価な製品の流入を防ぎ、日本やEU域内の脱炭素分野における公正な競争環境を守ることが狙いです。

日本政府は「グリーントランスフォーメーション(GX)戦略」で今後10年間に20兆円規模の脱炭素支援を打ち出し、EUも「グリーンディール産業計画」で大規模な支援策を掲げています。日EU間で緊密に協議する枠組みを設け、共通ルールに実効性を持たせていく方針とのことです。

さらに、この動きには中国を念頭に、日米欧で脱炭素戦略を協調して進めたいという狙いもあるようです。実際、日米両政府は先日、補助金の支給要件などのルール整備に向けた方針で合意しています。

このように、日本とEUが手を携えて脱炭素分野のルール作りを進めることは、公正な産業競争と安定した供給網の整備につながる重要な一歩だと言えるでしょう。特に、中小企業にとっては、資金不足や人材不足でSDGsや脱炭素への取り組みが難しい現状がある中で、日EU間の共通ルールができれば、より参入しやすい環境が整備されることが期待できます。

また、SDGsに積極的に取り組む企業が増えれば、サステナブル人材の育成にもつながり、日本企業全体の国際競争力強化にも資すると考えられます。実際、帝国データバンクの調査では、SDGsに取り組む企業の7割が効果を実感しているという結果も出ています。

日EU間の脱炭素分野における共通ルール作りは、企業のSDGs活動や脱炭素への取り組みを後押しする重要な動きだと言えます。今後の進展に注目していきたいと思います。

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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