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「和を大切に成長し続ける」イーライフの持続可能な福祉への挑戦
1. オープニング
松尾:「本日はお忙しいところありがとうございます。まずはイーライフさんの事業概要や設立の背景について教えていただけますか?」
篠本様:「神奈川を中心に5店舗展開しています。福祉系のコンサルなど、福祉用具をリサイクルするサイト『セカンドタウン』が新しい取り組みとして始めた事業です。」
2. 設立の背景と経緯
篠本さまの経歴と設立のモチベーション
松尾:「大学卒業後、大手福祉用具会社での営業職経験が、現在の事業にどのようにつながったのでしょうか?」
篠本様:「氷河期で就職先が多いわけではなく、福祉系に就職することになりました。就職先ではお陰様で営業成績も良好だったのですが、もともと好奇心があり、経営を本で学ぶことよりも実践として学びたかったんです。そこで、仲間たちと起業することになりました。」
介護業界の課題とイーライフの取り組み
松尾:「福祉用具のレンタルや販売事業において、業界が抱える課題は何と感じていますか?」
篠本様:「福祉用具は高齢化社会の日本において日進月歩で技術が良くなって、また、市場のニーズも高まっていますが、新しい福祉用具はレンタルに回されることになります。毎年新しい商品が開発、販売されるため、当然、型落ちした商品がでてくるものの、耐久性が高く壊れることはほとんどないので、用具メーカーは在庫を抱えることになります。型落ちしした用具の倉庫代だけでもかなりの経費になり、廃棄をしなければならないと聞いています。海外に送るのにも輸送費が高く現実的ではないんですね。そして一方では福祉施設はコンビニエンスストアなみにどんどん増えていて用具も足りないほど。施設オーナーは常に最先端技術は求めていないものの、ある程度比較的新しい用具で経費を抑えて始めたいという課題があります。」
松尾:「それらの課題を解決するために、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?」
篠本様:「お陰様で全国の施設様や福祉用具メーカーさまとお取引やつながりがあるおかげさまで『セカンドタウン』というプラットフォームを作り、両者の課題解決を狙っています。」
3. SDGsとイーライフの具体的取り組み
福祉用具EC事業「セカンドタウン」について
松尾:「中古福祉用具を扱うECサイト『セカンドタウン』はどのような経緯で始められたのでしょうか?」
篠本様:「先ほどお話ししたようなメーカーの廃棄の問題の課題、そして福祉施設のニーズを埋めるサービスが他になかったのでチャレンジ精神旺盛な自分たちからいち早く始めることにしました。お陰様で業者さまにも福祉施設さまにも関心をいただいております。」
松尾:「SDGsの観点から、福祉用具の廃棄削減やコストダウンにどのように貢献できていると考えていますか?」
篠本様:「廃棄削減をすることである意味でリサイクルと言うか、捨てられる製品の有効活用となっており、メーカーさまにも役立てられていると考えております。新しく始められる福祉施設さまのコストダウンにも役立っているというお声もいただいております。」
松尾:「利用者の反応や手応えはどのように感じていますか?」
篠本様:「セカンドタウンはある意味でマッチングのプラットフォームではありますが、輸送費なども弊社が負担して、また、設置費用も込みで手配させていただいております。メーカー側も廃品が収益化されることも当然ですが、すぐに設置され使うことができることで福祉施設の皆様にも喜んでいただけているとのお声をいただいております。」
和を大切に成長し続ける企業としての姿勢
松尾:「経営理念『和を大切に成長し続ける』とSDGsの精神には、どのような共通点を感じられていますか?」
篠本様:「ビジョンとして仕事はみんなでいい会社にしていくと言う考え方を表す指針としている言葉です。独力ではなく、皆で大きなサービスにしていきたいと考えている、常に成長を続けたいという気持ちを表したものです。」
松尾:「社員の働きやすさやキャリア形成の面で、具体的にどのような制度や工夫を取り入れていますか?」
篠本様:「従業員は平均年齢28歳です。働く人たちが働きやすい環境づくりを工夫しています。営業先から直行直帰を許可しています。自宅でも仕事ができるように社用車やプリンターなどの仕事に必要な備品も支給しています。若手の採用をたくさんしていることもありますが、若者が成長、挑戦できる環境を大切にしています。若者の勉強などもたくさん奨励している。また、キャリア形成の面で、若手の意見も重視し相談をするなどの機会も多いですし、若手も抜擢するなど、若手の挑戦したいという感性を大切に考えています。」
4. ICT化の促進と福祉用具コンサルティング
ICTを活用した取り組み
松尾:「イーライフとしてICT化をどのように推進していますか? 具体的に取り組んでいるプロジェクトや事例があれば教えてください。」
篠本様:「福祉課題の課題としてアナログな習慣が残っているため、デジタル化を重視しています。現状の福祉業界は記録を紙で残しているものもふくめて働き方や管理が非効率であると考えています。
紙媒体であると、情報の管理が大変になり、従業員の負担が増えてしまいます。
弊社ではチャットや、データー化、FAXの情報をパソコンで受取などを行い、振り分けも自動で行っています。業務ではRPAなどを使って利用者の登録や価格などを登録しています。デジタル化は働くひとの負担を減らすことにもなるので特に力を入れており、エンジニアに見てもらっています。
将来的にはAIなどは資料作りや、福祉用具の商品選定の方法で使えたらと考えています。」
松尾:「ICT化によって利用者や介護従事者にもたらされるメリット・課題をどのように捉えていますか?」
篠本様:「弊社から社内から同業の方にも広げて行き、まずはICT化への抵抗が減っていくことができればと思いますし、コンサルをできたらと考えている。政府も非効率さの改善が必要と考えている。介護従事者は残業がとても長いが、イーライフでは月に残業が6−7時間と短いので働き方の効率化はできているのではないかと考えています。」
介護業界におけるコンサルティングの役割
松尾:「福祉用具コンサルティング事業では、どのような課題を解決できると考えていますか?」
篠本様:「人材育成、ICTが重要にしている。現状の福祉の現場では仕事が属人的なものとして捉えられていることが課題と感じられます。属人的な教育ではなく、システムとして組織が仕組み化として一人の一人に負担がかからないようにしていく工夫や意識の変革も必要だと思います。」
松尾:「コンサルティング分野での今後の展望や、SDGs達成へ向けた取り組み方針は?」
篠本様:「高齢化社会がこれだけ大きくなる日本ですから、成長をする業界全体を良くしていきたい、盛り上げていきたいという気持ちがやはり強いです。コンサル事例や仕組みを他の会社さんに提供することで、業界全体が働きやすいイメージができて、『働きがいも経済成長も』のゴールの達成を目指して良くなっていければと思っています。ただしデメリットもあり、コンサルを受けるならば中長期で腰を据えてやっていっていただきたいと思います。一朝一夕で変化するものではないので、コンサルをする自分たちもそうですが、受ける側もじっくりと対応する必要を持っていただくことが課題だと捉えています。」
5. 今後の展望・目指す社会貢献
社会貢献活動・人材育成について
松尾:「人材育成を重視されているとのことですが、特にどのような能力や価値観を大切にされていますか?」
篠本様:「学歴や資格ではなく、人柄・人間性が大事ですね。素直で明るい人が一番の魅力だと思います。弊社でも素直な人が伸びやすいなと感じています。会社として新しいことのチャレンジをしているので、好奇心の高い方やチャレンジ精神が旺盛な方にはピッタリの職場だと思います。」
松尾:「高齢者支援を通じて、どんな社会を実現したいと考えていますか?」
篠本様:「自分はこの仕事しか知らずに来ているので、狭い視野からの意見になりますが、福祉用具は役にたつことで生活の幅を広げてできないことを可能にすることでやれることが増えることが前向きな気持ちがつながる。自分で自立できるようになることでリハビリになる。人のやくに立てる仕事なのでもっと役に立てればと思います。」
今後の事業展開や連携の可能性
松尾:「国内外での事業展開を検討されていますか? 海外市場や他業種との連携など、何かプランはありますか?」
篠本様:「国外進出は韓国などで同じ少子高齢化の問題があるけどまだ考えていない。だけど福祉の軸足からいろいろな形を作っていける。これからなにか新しいものを作っていけたらと思います。」
松尾:「今後の取り組みがSDGs全体にどのように寄与するか、展望をお聞かせください。」
篠本様:「福祉用具の事業は業界の中でも見本になることやDXを高めて社会で亡くならない仕事で重要な仕事であるのかということを考えていきたい。」
6. まとめ・エンディング
松尾:「最後に、持続可能な社会に向けた介護業界の未来をどのように描いていらっしゃいますか?」
篠本様:「福祉業界全体的に人が集まらない、低賃金というイメージがあり、持続的な発展を遂げるための阻害になっているのかなと考えています。持続的におこなっていくには、中小企業もあげていかに賃金やイメージをあげていくか?という課題があります。福祉はとても必要な仕事なのにこのままではなかなか賃金が上がらず人が集まらないので、どうしたらいいかと考えている。弊社のICTなどで業界ポジティブな影響を与え、弊社のSDGsゴール達成の一歩になればと思います。」
松尾:「本日のインタビューを通して私たちが学べる点や協力できる点がたくさんあったように思います。今後のイーライフさんの取り組みに期待しています。」