SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。
Googleは、2029年までに大手サプライヤーに100%再生可能エネルギーを求める新プログラムを発表しました。2024年の環境レポートと共に、この取り組みが明らかになり、持続可能性目標達成に向けた進展と課題が強調されました。AI関連の成長と共に、スコープ3排出量が増加している現状を報告しています。
Contents
今回解説する脱炭素・SDGsニュース:Google Asks Large Suppliers to Commit to 100% Renewable Energy as Emissions Continue to Rise
ニュースの内容
Googleは、2029年までに大手サプライヤーに100%再生可能エネルギーの使用を求める新プログラムを発表しました。同社のスコープ3排出量は増加しており、AI関連の成長が影響しています。2024年の環境レポートと共に、この取り組みの詳細が明らかにされました。
SDGsニュースの主な要点
- Googleは、大手サプライヤーに対し、2029年までに100%再生可能エネルギーを達成することを義務付ける新しいプログラム「Google再生可能エネルギー補足条項」を発表。
- これは、バリューチェーンとデータセンターの成長に伴い増加し続けるGoogleの排出量に対処するための取り組みの一環。
- Googleは2030年までに事業とバリューチェーン全体でネットゼロを達成することを目標としているものの、2023年の環境レポートによると、排出量は2019年の基準年から48%増加。
- 特にスコープ3排出量はGoogleの総排出量の75%を占め、その増加の大部分は購入した商品・サービス、購入した電力からの上流排出、データセンター建設によるもの。
- Googleはスコープ3排出量削減のため、サプライヤー行動規範や排出量削減目標の設定要請などを行っているものの、AI関連の設備投資などによりスコープ3排出量は短期的には増加すると予想。
- スコープ2排出量もデータセンターの電力消費増加により37%増加しており、Googleは再生可能エネルギーの調達を加速させているものの、電力需要の増加に追いついていない状況。
- Googleは2017年以降、エネルギー消費量の100%を再生可能エネルギーで購入で賄っているとしているが、クリーンエネルギー調達とスコープ2計算の不一致を指摘。
- 残留排出量管理は初期段階で、2023年に初めて3つの炭素クレジットオフテイク契約を締結。今後、炭素除去の取り組みを加速させていく予定。
「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見
Googleは2030年までに事業全体でカーボンニュートラルを達成するという野心的な目標を掲げています。しかし、最新の環境レポートによると、2023年のGoogleの温室効果ガス排出量は2019年比で48%も増加してしまいました。その主な原因は、AIの普及に伴うデータセンターのエネルギー消費量の増大とサプライチェーン(スコープ)からの排出です。
Googleは再生可能エネルギーの導入を進めており、2017年以降は電力消費量の100%を再エネで賄ってきました。2023年にも約4GWもの再エネ発電容量の購入契約を結んでいます。日本でも、千葉県の大規模太陽光発電所や各地の分散型太陽光発電所から合計60MWの電力を調達する契約を結びました。
しかし、米国やアジア太平洋地域での電力需要の急増に再エネ調達が追いつかず、化石燃料由来の電力使用が増えてしまっているのが現状です。サプライチェーンからの排出削減にも課題が残ります。
そこでGoogleは、ハードウェアサプライヤーに2029年までに100%再エネ利用を求める新プログラムを開始しました。また、排出量の増加分を相殺するため、自然およびテクノロジーベースの炭素除去(カーボンオフセット)にも取り組み始めています。
Googleのように、企業の脱炭素化への道のりは平坦ではありません。再エネ調達を加速し、サプライチェーン全体でも脱炭素を進めていく必要があります。同時に、どうしても削減できない排出は、森林保全などの炭素除去でオフセットしていくことも重要になるでしょう。
日本企業の多くはまだ脱炭素化の取り組みが遅れていますが、Googleの挑戦は、私たちにとって良い学びの機会だと思います。資金や人材の乏しい中小企業でも、できることから始めていくことが大切ですね。再エネの導入、省エネの推進、サプライヤーとの協力など、一歩ずつ前に進んでいきましょう。SDGsの知恵袋では、皆さんの脱炭素化をサポートする情報を今後も発信していきます!