ファッション産業の脱炭素化、遅れをとるブランドの実態とは? – 化石燃料削減と再生可能エネルギーへの移行が急務

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

ファッション・レボリューションの最新レポートによると、多くのファッションブランドはサプライチェーン全体での化石燃料の使用削減が進んでいません。気候変動対策として、再生可能エネルギーへの移行やサプライヤーへの資金提供が急務とされています。業界全体の脱炭素化に向け、透明性向上と長期的な投資が求められています。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:Fashion Brands Lagging in Fossil Fuel Reduction Efforts

ニュースの内容

ファッションブランドは化石燃料削減の取り組みで遅れをとっており、サプライチェーン全体での透明性が欠如している。ファッション・レボリューションのレポートによると、主要ブランドの多くは脱炭素化目標を掲げていないか、進捗を開示しておらず、気候危機に対する責任を果たしていない。特に、労働者への支援が不足しており、持続可能なエネルギーへの移行が急務である。

SDGsニュースの主な要点

• ファッション・レボリューションは、ファッション業界の化石燃料使用に関するレポート「ファッションの燃料は何か」を発表した。

• レポートは、売上高4億ドル以上の250の主要ファッションブランドを対象に、気候変動対策に関する70以上のデータポイントを評価。

• 多くのブランドが、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えるという目標達成に必要な排出削減目標を達成できていない。

• 労働者と地域社会への支援を表明しているブランドはわずか3%。

• 再生可能エネルギーへの移行コストがサプライヤーに転嫁され、労働者や地域社会に負担がかかっている。

• エネルギー調達に関する透明性が不足しており、運用レベルで開示しているブランドは43%、サプライチェーン全体で開示しているブランドはわずか10%。

• 大手ファッションブランドの94%がサプライチェーンの脱炭素化への投資を開示していない。

• 国連の呼びかけに沿った排出削減目標を掲げているブランドはわずか4社。

• 117ブランドが脱炭素化目標を掲げているものの、42社はスコープ3排出量が増加。

• 86%の企業がサプライチェーンにおける石炭段階的廃止の目標を、94%が再生可能エネルギーの目標を、92%が再生可能電力の目標をそれぞれ持っていない。

• ほとんどのブランドが生産量や原材料の排出量を開示していない。

• 持続可能な素材の目標を掲げているブランドは58%だが、サプライチェーンのエネルギー源を開示しているのはわずか11%。

「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

脱炭素とSDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

おしゃれが大好きな私にとって、ファッション業界のニュースは常に気になるものですが、最近、ちょっとショッキングなレポートが発表されました。

なんと、多くのファッションブランドが、 脱炭素化 の取り組みで遅れをとっているというのです!

これは、ファッション・レボリューションという非営利団体が発表した「ファッションの燃料は何か」というレポートで明らかになったもの。

このレポートでは、売上高が4億ドルを超える250の世界的なファッションブランドを対象に、 気候変動対策 に関する70以上の項目を調査し、その結果を評価しています。

そして、その評価結果が、かなり厳しいものだったんです…。

多くのブランドが、 化石燃料 の使用を削減できておらず、 再生可能エネルギー への移行も進んでいないという現状が浮き彫りになりました。

さらに、 サプライチェーンの透明性 が不足していることも指摘されています。

例えば、サプライヤーに 再生可能エネルギー を導入するための資金提供を行っているブランドは、ほんの一握り。

多くのブランドは、そのコストをサプライヤーに転嫁しているため、途上国の工場で働く人々や地域社会に大きな負担がかかっている可能性があります。

これでは、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」社会の実現からは、ほど遠いと言わざるを得ませんよね…。

ファッション業界が抱える課題

では、なぜファッション業界は、 脱炭素化 の取り組みで遅れをとっているのでしょうか?

その背景には、

• 多くのブランドが、短期的な利益を優先し、長期的な視点に立った投資を行っていないこと

• 複雑なサプライチェーンの中で、情報共有や連携が不足していること

• 消費者の環境意識がまだ十分に高まっていないこと

など、様々な要因が考えられます。

私たちにできること

私たち消費者は、どのようなことができるでしょうか?

まずは、 サステナビリティ に配慮したブランドを選ぶように心がけたいですね。

最近では、環境負荷の低い素材を使用したり、生産過程で排出されるCO2を削減したりするなど、様々な取り組みを行っているブランドが増えてきています。

また、衣服を長く大切に着ることも重要です。

ファストファッションの流行によって、衣服の寿命が短くなっていることが、環境問題を悪化させている一因とも言われています。

お気に入りの服を長く愛用したり、リサイクルに出したりすることで、私たちも 脱炭素化 に貢献することができます。

企業のSDGsへの取り組みについて

ところで皆さん、企業におけるSDGsの取り組み状況についてご存知ですか?

帝国データバンクの調査によると、中小企業の約半数は、資金不足や人材不足などを理由にSDGsへの取り組みが進んでいないという結果が出ています。

一方で、SDGsに取り組んでいる企業の約7割は、その効果を実感しているという調査結果もあります。

SDGsへの取り組みは、企業にとって新たなビジネスチャンスの創出や、企業価値の向上、優秀な人材の確保など、様々なメリットをもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。

私たちFrankPRの取り組み

私たち株式会社FrankPRは、バングラデシュで製造した革製品ブランド「ラファエロ」を通じて、SDGsの達成に貢献しています。

私たちは、

• 女性の雇用創出と経済的自立支援

• 障がい者雇用の推進

• 環境に配慮した素材の利用

• 教育支援への寄付

など、様々な活動を行っています。

これらの活動が評価され、第6回ジャパンSDGsアワードでは外務大臣賞、第9回グッドライフアワードでは環境と福祉賞を受賞しました。

(詳細は添付ファイル「SDGsの知恵袋を運営する株式会社FrankPRのサステナブル活動詳細」をご覧ください。)

私たちは、ファッション業界の一員として、今回のレポートを真摯に受け止め、 サプライチェーン 全体の 脱炭素化 に向けて、より一層努力していきたいと考えています。

この記事が、少しでも皆さんのSDGsへの理解を深めるきっかけになれば幸いです。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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