SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。
EUはグリーンウォッシングを行う航空会社20社を特定し、消費者が誤解を受ける広告を防ぐための対策を強化しています。持続可能な航空燃料の使用促進と正確な情報提供が求められています。
Contents
今回解説する脱炭素・SDGsニュース:What is the EU’s Response to Airline Greenwashing?
ニュースの内容
EUはグリーンウォッシングに取り組む航空会社20社を特定し、消費者がフライトのCO2排出量を相殺できると誤認させる広告を防ぐ対策を講じています。
SDGsニュースの主な要点
– EUがグリーンウォッシングを行う航空会社20社を特定しました。
– これらの航空会社は、フライトの炭素排出量をカーボンオフセットや持続可能な航空燃料の使用によって相殺できると誤認させる広告を展開していました。
– 欧州委員会は、EU消費者法に基づいて、誤解を招く広告に対して30日以内に適正な措置を講じるよう航空会社に命じました。
– 航空業界の脱炭素化を促進するため、EUは消費者に対して正確な情報提供を強調しています。
「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見
航空会社のグリーンウォッシングに対するEUの対応について、わかりやすく解説します。
近年、SDGsや脱炭素への関心が高まる中、企業の環境への取り組みが注目されています。しかし、一部の企業では実態を伴わない「エコ」アピールが問題視されており、これを「グリーンウォッシング」と呼びます。
航空業界は、世界の炭素排出量の2.5%を占める、脱炭素化が難しい分野の一つです。そんな中、欧州の航空会社の中には、追加料金を払えば飛行機の排出量を相殺できると宣伝したり、持続可能な航空燃料(SAF)の使用をアピールしたりする企業が出てきました。
これに対し、欧州委員会や欧州消費者機構(BEUC)は、航空会社20社を名指しで批判。グリーンウォッシュだとして、30日以内に是正するよう求めています。もし従わなければ、制裁を含むさらなる措置を取る可能性もあるとのことです。
EUが問題視しているのは、以下のような点です。
– カーボンオフセットで排出量を相殺できると示唆する
– SAFの環境影響を明確に示さずに使う
– 「グリーン」「持続可能」などの用語を根拠なく使う
– 排出量ネットゼロ目標を掲げるが、明確な計画がない
– 排出量計算の根拠を示さない
– 比較基準が不明確なまま、排出量の比較を示す
つまり、客観的な根拠に基づかない環境アピールを、あいまいなまま行うことが問題なのです。
EUのヨウロヴァ副委員長は、「責任ある消費者を求めるなら、正確な情報提供が必要」と述べています。SDGsや脱炭素に積極的な企業が増える一方で、その実態をしっかり見極めることが大切ですね。
航空業界に限らず、私たち消費者も企業の環境への取り組みを冷静に見極める目を養っていく必要があります。そのためにも、EUのようなグリーンウォッシュへの厳しい姿勢は重要だと思います。日本でも同様の動きが広がることを期待したいですね。
SDGsや脱炭素は、もはや企業にとって避けて通れない課題です。でも、それを単なるイメージアップに使うのではなく、実効性のある取り組みを着実に進めていくことが肝心。私たちSDGsの知恵袋も、皆さまに正確で役立つ情報をお届けできるよう、しっかり取り組んでまいります。