5月の衣替えで実践する「サステナブルファッション」

5月の衣替えで実践する「サステナブルファッション」

5月の衣替えで実践する「サステナブルファッション」

目次

こんな人にオススメです

  • 5月の衣替えを機に、クローゼットを整えたい方
  • ファッションは好きだが環境負荷も気になっている方
  • 不要な服の処分方法(捨てる/売る/譲る)を体系的に整理したい方
  • ファストファッションの大量消費・廃棄問題に問題意識をお持ちの方
  • SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」を衣の領域で実践したい方

脱炭素とSDGsの知恵袋の編集長、日野広大です。ずばり、5月の衣替えはクローゼットから始めるSDGs実践の最大のチャンスです。日本国内では年間51万トンの衣料品が廃棄されていますが、1着を1年長く着るだけで全国で4万トン以上の廃棄削減になると環境省は試算しています。本記事では、サステナブルファッションの基本と衣替えで実践できる5つのアクションをまとめます。

サステナブルファッションとは?環境省の定義

サステナブルファッションとは、環境省の定義によれば「衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した取り組み」を指します。素材選び・生産工程・流通・着用・廃棄の全段階を見直すアプローチで、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」と直結する概念です。

詳しくは【用語解説】サステナブルファッション入門:概要からSDGsゴールまで徹底解説、より広い経済モデルの視点では【用語解説】サーキュラーエコノミーとは?SDGsを実現する新しい経済モデルもご参照ください。

日本のファッションと環境負荷:3つの数字

  • 国内年間廃棄量 約51万トン:日本国内で供給される衣料品のうち、約9割(78.7万トン)が事業所と家庭から手放され、そのうち51.0万トン(手放される衣類の64.8%)が廃棄されています(環境省「ファッションと環境に関する調査業務」令和2年度)。
  • 国内供給衣類のCO2排出 約9,500万トン:原材料調達から廃棄までのライフサイクルで、世界のファッション産業から排出されるCO2の約4.5%に相当します(同調査)。
  • 1着を1年長く着るだけで4万トン以上削減:環境省の試算で、消費者の小さな行動が国規模のインパクトを持つことが示されています。

世界のファッション産業は世界の水消費の約13.3%を占めるとされ、日本に供給される衣類だけでも世界水消費の1.2%に達します。

なぜ「5月の衣替え」がチャンスなのか

  • 季節の変わり目で、クローゼット全体を見直す自然な機会
  • 冬服を片付ける際、「来年も着る/着ない」が判断しやすい
  • リユース市場(フリマアプリ・古着店)の繁忙期で売値が高い時期
  • 環境省も「衣替えを機にサステナブルファッション」とキャンペーン
  • 6月の梅雨前で、衣類の素材・機能性を見直すタイミング
  • ゴールデンウィークの時間を使い、家族で取り組みやすい
  • 春夏の新規購入の前に「持っているもの」の棚卸しができる

編集長 日野広大の考察:ファッションは「廃棄ありき」から「使い切り」へ

ファッション産業を語るとき、私が一番危機感を持っているのは「廃棄を前提に設計された産業」であるという点です。ファストファッションは安価・大量・短サイクルで魅力を提供してきましたが、その代償として日本だけで年間51万トンの衣料品が捨てられ、世界では水消費13.3%、CO2の数%を占めるようになりました。

ここで朗報なのが、消費者一人ひとりの「1着を1年長く着る」が国規模で4万トン以上の廃棄削減につながるという環境省の試算です。これは家庭由来食品ロス削減と並び、最も費用対効果の高い個人アクションのひとつです。詳しくは【用語解説】アップサイクルとは?廃棄物に新たな価値を吹き込むサステナブルな取り組み【用語解説】ゼロウェイストとは?SDGsの観点から見るゴミゼロへの取り組みもご参照ください。

業界側でも、ユニクロの「ダウンリサイクル」や伊藤忠商事の「RENU プロジェクト」など回収・再生の取り組みが拡大しています。家庭で「捨てる/売る/譲る/直す」の4択を意識するだけで、衣替えはSDGs実践の最も身近な現場になります。

国際的にも、EUは「Strategy for Sustainable and Circular Textiles」(持続可能・循環型繊維戦略)で2030年までの繊維廃棄物半減を目指しており、日本のサプライチェーンにも波及しています。エシカルな選択肢はエシカル消費の発想で広げていけます。

衣替えで実践する5つのサステナブルアクション

  1. 「3年ルール」で仕分け
    過去3年で1度も着ていない服は、リユース・寄付・回収ボックスへ。残す服は「来年も着る理由」を明確にすることで、判断のスピードが上がります。
  2. 「捨てる前に修理」を習慣化
    ボタン取れ、襟ほつれ、シミ抜き等は、街のリペアサービス・宅配修理サービスで対応可能。1,000〜3,000円で数年寿命が延びることも珍しくありません。
  3. 「フリマアプリ・古着店」で次の持ち主へ
    メルカリ、2nd STREET、ZOZO USED、RAGTAGなどリユースの選択肢が拡大。発送・買取の手間を惜しまなければ、家計にも優しい選択肢です。
  4. 「店頭回収・寄付」を活用
    ユニクロ、無印良品、H&M、GU、伊藤忠系などが衣料品回収を実施。リユース・リサイクルされ、廃棄ゼロのルートに乗せられます。
  5. 「次の購入」を見直す
    購入時に「素材」「生産国」「認証マーク(GOTS、フェアトレードなど)」「長く着られるデザインか」をチェック。安易な「セールだから1着追加」を再考します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 全部リユースに回せばOKですか?

全部はリユースに回せません。 環境省の調査でも手放される衣類のうちリユース率は19.6%、リサイクル15.6%、廃棄64.8%が現状です。「素材がボロボロ」「下着」など、リサイクル・廃棄が必然的なものもあります。「リユースを最優先」が現実的な姿勢です。

Q2. 古着を買うのは抵抗があります

「ヴィンテージ」「セレクト古着」と捉える文化が広がっています。 一点物・ブランド古着の市場は若年層を中心に拡大中で、SDGs意識とおしゃれを両立できる選択肢です。

Q3. ファッション業界はどう変わりつつありますか?

規制・自主基準の両面で動いています。 EUの繊維戦略、日本の店頭回収拡大、企業のESG報告強化など。消費者の選択がこの流れを加速します。

まとめ:クローゼットから始める、最も身近なSDGs

5月の衣替えは、SDGs目標12を実践するもっとも親しみやすい入り口です。「3年ルール・修理・リユース・店頭回収・賢い購入」の5ステップを回すだけで、年間4万トン規模の社会的削減効果につながります。

SDGsとは?17のゴールと169のターゲットを徹底解説!もあわせてご覧ください。

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次