国際生物多様性の日(5/22)|身近な生物多様性と私たちにできること

国際生物多様性の日(5/22)|身近な生物多様性と私たちにできること

国際生物多様性の日(5/22)|身近な生物多様性と私たちにできること

目次

こんな人にオススメです

  • 5月22日が「国際生物多様性の日」と知らなかった方
  • 生物多様性の喪失が世界でどれくらい進んでいるか把握したい方
  • 自然・絶滅・外来種・気候変動の関係を整理したい方
  • 都会暮らしでも生物多様性に貢献する方法を知りたい方
  • SDGs目標14・15への入り口を探している方

脱炭素とSDGsの知恵袋の編集長、日野広大です。ずばり、5月22日「国際生物多様性の日」は、自然との関係を再設計する1年で最も重要な日のひとつです。1992年5月22日に国連で「生物多様性条約」が採択されたことを記念し、国際デーに制定されました。本記事では、最新のIPBES報告から、家庭・地域・企業で実践できる5つのアクションまで整理します。

国際生物多様性の日とは?

「国際生物多様性の日(International Day for Biological Diversity)」は、生物多様性条約が1992年5月22日に採択されたことを記念し、国連が定める国際デーです。日本では環境省と「J-GBF(2030年生物多様性枠組実現日本会議)」関連団体が、5月22日を中心に全国でイベントを開催しています。

生物多様性とは、植物・動物・微生物といった「種の多様性」、生態系の多様性、遺伝子の多様性を含む包括的な概念です。詳しくは【用語解説】生物多様性とは?私たちの暮らしと密接な関係もご参照ください。

世界の生物多様性の現状:3つの数字

  • 75%の陸域生態系が人間活動で改変:IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)2019年報告では、世界の陸域生態系の約75%、海洋面積の約66%が人間活動によって大きく改変されたと報告されています。
  • 約100万種が絶滅の危機:同報告書では、現在、動植物の約100万種が絶滅の危機に瀕していると推定されています。これは過去1,000万年と比べて数十〜数百倍の速度です。
  • 5つの主要因:IPBESは生物多様性損失の主因として、(1)土地・海洋利用変化、(2)直接的な生物の搾取、(3)気候変動、(4)汚染、(5)外来種の侵入の5つを挙げています。

日本では環境省「レッドリスト」が絶滅危惧種を毎年公表しており、減少傾向に歯止めをかけることが急務です。

なぜ「5月22日」が始めどきなのか

  • 国際的なイベント・キャンペーンに合わせて情報が豊富
  • 春から初夏は身近な生物(鳥・昆虫・植物)の活動期で観察しやすい
  • 学校・自治体の自然体験プログラムが開催されやすい
  • 環境月間(6月)の助走として位置づけられる
  • IUCNやWWFなど国際NGOの発信が増える時期
  • 連休後で日常リズムに戻った状態で取り組みやすい
  • 田植え・茶摘み・山菜採りなど、日本の里山が最も活発になる季節
  • 子どもが学校で「環境」「生き物」をテーマにする単元と重なる

編集長 日野広大の考察:生物多様性は「見えにくい資産」

生物多様性の最大の課題は、「見えにくく、損なわれてから初めてコストが見える」点にあります。土壌微生物、海中プランクトン、受粉する昆虫…。これらの目立たない生命の働きが、私たちの食料生産・水資源・気候安定を支えています。失われてから補償するコストは、保全コストの数十倍に達するという研究もあります。

IPBESの報告は警鐘的ですが、希望もあります。「ネイチャーポジティブ(自然を回復させる)」という新しい目標が国際的に共有され、2022年の国連生物多様性条約締約国会議(COP15)では「30 by 30」(2030年までに陸と海の30%を保全する)が採択されました。日本でも環境省が「30 by 30 ロードマップ」を公表し、国立公園拡大・OECM(保全に資する地域)の認定を進めています。

地球規模の課題と私たちの暮らしのつながりは、気候変動教育の重要性、海とのつながりは【用語解説】海洋プラスチック問題も合わせると立体的に理解できます。

都会暮らしでもできる5つの生物多様性アクション

  1. 「ベランダ・庭の在来種」を育てる
    日本の在来植物を1鉢でも育てるだけで、地域の昆虫・鳥のための生態系資源になります。外来種を選ばないこと、農薬を最小限にすることがポイント。
  2. 「市民科学(シチズンサイエンス)」に参加
    iNaturalist、バードリサーチなどの記録アプリで、見つけた生き物を写真記録。データは研究者に活用され、生物多様性の現状把握に直接貢献できます。月1回、近所の公園で15分観察するだけでも積み上がります。
  3. 「持続可能な水産物」を選ぶ
    MSC(海洋管理協議会)認証、ASC(水産養殖管理協議会)認証ラベルがついた水産物を選ぶことで、過剰漁獲・破壊的漁法の抑制につながります。
  4. 「30 by 30 賛同企業の応援」
    環境省「自然共生サイト」認定企業、日本生物多様性パートナーシップ参加企業の商品を意識的に選ぶ。消費が業界を動かします。
  5. 「外来種を持ち込まない」
    外来種放流・園芸種の野外放置は重大な生物多様性破壊。ペットの外来魚、観賞用の植物は、責任を持って最後まで飼育・栽培します。引っ越しや高齢化で飼育困難になる前の「迎える前の覚悟」が最も効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 生物多様性と気候変動はどう関係しますか?

双方向の関係です。 気候変動が種の絶滅を加速し、逆に森林・湿地の喪失が炭素貯蔵能力を低下させ気候変動を加速します。両者の解決策はセットで設計する必要があります。

Q2. 「30 by 30」とは具体的に何ですか?

2030年までに陸と海の30%以上を保全する国際目標です。 2022年COP15で採択され、日本も「30 by 30 ロードマップ」を策定しています。国立公園拡大とOECM認定が中心施策です。

Q3. 個人の行動で本当に意味がありますか?

消費・観察・発信の3点で意味があります。 認証商品の選択は市場を動かし、市民科学は研究データを増やし、SNSや会話での発信は政策の優先順位を変えます。

まとめ:5/22は、自然との契約を更新する日

生物多様性は、私たちの暮らし・経済・健康の土台です。5月22日を「自然との関係を見直す日」と位置づけるだけで、SDGs目標14・15達成への道は確実に近づきます。

SDGsとは?17のゴールと169のターゲットを徹底解説!もあわせてご覧ください。

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

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