「再エネって本当にいいの?」その答えは長崎・五島に。地域を元気にする希望の風

「再エネって本当にいいの?」その答えは長崎・五島に。地域を元気にする希望の風

こんにちは、「SDGsの知恵袋」編集長の日野です。

「再生可能エネルギー(再エネ)」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか? 地球にやさしいクリーンなエネルギーという良い印象もあれば、最近では「太陽光パネルが景観を壊している」といった少しネガティブなニュースを思い浮かべる方もいるかもしれませんね。

「再エネって、本当に地域にとって良いものなの?」そんな疑問が湧いてくるのも当然です。しかし今日ご紹介するのは、再生可能エネルギーが地域と見事に手を取り合い、水産業も、雇用も、そして人も元気にした、「希望」の物語です。

目次

舞台は長崎・五島列島。そこで起きた「奇跡」とは?

物語の舞台は、長崎県の五島列島。ここで導入されたのが「浮体式洋上風力発電」という新しい技術です。これは、風車を海底に固定するのではなく、海に浮かべるタイプの風力発電で、水深の深い場所にも設置できるのが特徴です。

この風車が、五島に素晴らしい好循環を生み出しました。

  • 海の幸が豊かに!:なんと、海に浮かぶ風車の土台部分が、魚たちが集まる格好の住処「魚礁(ぎょしょう)」になったのです。これにより、島の主力産業である水産業がさらに活気づきました。
  • 新しい仕事が生まれた!:風車を組み立てる工場が島にできたことで、新たな雇用が生まれ、地域経済が潤いました。
  • 人の意識が変わった!:元漁協組合長は「この風力を活用して、水産業を良くしたい」と語り、長年ガソリンスタンドを営んできた商工会議所の会頭は「石油から再エネに変わるのが時代の流れ」と、自ら再エネ供給会社を立ち上げました。

ここがポイントです。五島の事例は、再エネが単に都会に電気を送るためのものではなく、地域の基幹産業を後押しし、経済を活性化させる力を持っていることを見事に証明してくれました。

成功の秘訣は「地域との共存」

なぜ五島ではうまくいったのでしょうか。それは、このプロジェクトが最初から「地域との共存」を第一に考えて進められたからです。

「風力発電をやりたい」という企業の都合だけでなく、「水産業を良くしたい」という漁師さんたちの願いと結びついたからこそ、大きな成功につながりました。これは、企業の利益と地域の利益が同じ方向を向いた、理想的なステークホルダー・エンゲージメントの形と言えるでしょう。

もう一つの大切な視点:「誰一人取り残さない」

この記事を紹介してくれたライターの方は、もう一つ重要な視点を教えてくれています。それは「気候正義」「ジェンダーバランス」です。

最初のテレビ番組では、この素晴らしいプロジェクトに関わった女性が一人も紹介されていなかったそうです。しかし、その声が届き、翌年以降の放送では、事業の決断を下した女性市長や、現場で活躍する女性たちがきちんと紹介されるようになりました。

気候変動のような地球規模の課題を解決するには、男性だけでなく女性、そして多様な立場の人々の知恵と力が必要です。これは、SDGsの核心である「誰一人取り残さない」という理念にも通じる、とても大切な気づきですね。

五島の奇跡は、再エネが環境問題の解決策であるだけでなく、私たちの暮らしや経済、そして社会をより良くするための「地方創生の切り札」になり得ることを示しています。課題はまだありますが、対話を重ね、知恵を出し合えば、日本中に希望の風を吹かせることができる。そう信じさせてくれる、素晴らしいニュースでした。

日野広大

編集長日野

日野広大(ひの こうだい)
「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長。ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した株式会社FrankPRのサステナビリティコンサルタント、気候変動コミュニケーター。
専門は脱炭素経営、サーキュラーエコノミー、SDGsの企業経営への統合。学生時代のボランティアを機に環境問題に目覚め、現在は編集長として、科学的根拠と実用性を両立した情報発信を行う。
複雑なテーマを、データと自身の経験に基づいた身近な解説で「初めて理解できた」と読者から高い評価を得ている。単なる問題提起に留まらず、読者が「今日からできるアクション」を見つけられる、具体的で希望の持てる解決策を伝えることを信条とする。

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