松尾真希の雑感:インパクト投資の測定方法やアプローチ

インパクト投資の考察

最近話題のインパクト投資について、記事を書きました。

インパクト投資とはなにか?と思われる方も多いかと思いますので、説明しておきます。

投資家が、社会的または環境的な良い影響を生み出すことを目的としながら、同時に利益のリターンを追求する投資のことです。

さて、ではこの「インパクト」なのですが、インパクトの測定と管理(IMM)にて測定されます。

インパクトの測定と管理(IMM)は、インパクト投資の成果を評価し、改善するためのプロセスです。このプロセスは、投資が社会や環境にどのような影響を与えているかを明確にし、それに基づいて意思決定を行うことを目的としています。

具体的には、以下のステップを含みます:

  1. インパクト目標の設定: 投資から期待する具体的な社会的または環境的成果を定義します。
  2. インパクト指標の選定: 目標達成の進捗を測定するための具体的な指標を決定します。
  3. データ収集と分析: 指標に基づくデータを収集し、分析することでインパクトの実際の成果を評価します。
  4. 結果の報告とコミュニケーション: 得られた成果をステークホルダーに報告し、必要に応じて戦略の調整を行います。
目次

インパクト投資の測定をするIRIS+ツールとは?

IRIS+はGIINによって開発された、インパクト投資のための標準化されたインパクト測定フレームワークです。このツールは、投資家がインパクトの測定と管理をより効果的に行うためのガイドラインとリソースを提供します。IRIS+は以下のように機能します:

  • インパクトテーマと戦略の選定: 投資家はIRIS+のカタログから関心のあるインパクトテーマ(例えば、健康、教育、環境保護など)を選び、そのテーマに沿った投資戦略を策定します。
  • インパクト指標の選定: IRIS+は、各インパクトテーマに対して標準化されたインパクト指標を提供します。これにより、投資家はインパクトの測定を一貫性を持たせることができます。
  • ベストプラクティスの共有: IRIS+は、インパクト測定のベストプラクティスやケーススタディを提供し、投資家が知見を共有し、学び合うことを促します。

IRIS+ツールを活用することで、投資家はインパクト投資の効果をより明確に評価し、社会や環境へのポジティブな影響を最大化することができます。また、インパクトの透明性と信頼性を高めることによって、より多くのステークホルダーをインパクト投資に引き付けることが可能になります。

製造業や小売業などの非金融セクターにおけるインパクト投資の応用について考える場合、以下のアプローチを検討することが有効です:

  1. サプライチェーンの持続可能性向上: 製造業や小売業では、サプライチェーン全体にわたる持続可能性の取り組みが重要です。インパクト投資を通じて、環境に配慮した材料の調達、エネルギー効率の良い製造プロセス、公正労働条件の確保など、サプライチェーンの各段階での持続可能な実践に資金を投じることができます。
  2. 製品の持続可能性向上: 製品設計の段階から環境影響を考慮し、持続可能な材料の使用、エネルギー消費の削減、長寿命化、リサイクル可能な製品の開発に投資します。これらの取り組みは、製品のライフサイクル全体の環境負荷を低減し、顧客からの信頼を得ることにも繋がります。
  3. 従業員および地域社会への投資: 従業員のスキル向上や福祉向上に投資すること、地域社会の持続可能な発展をサポートするプロジェクトに資金を提供することも、インパクト投資の一形態です。これにより、企業の社会的責任を果たすと同時に、長期的な業績向上に寄与します。
  4. 環境負荷の低減: 製造プロセスや小売活動における環境負荷を減らすための技術やプロセスの改善に投資します。例えば、再生可能エネルギーの利用、廃棄物の削減、水資源の効率的利用などが挙げられます。
  5. 消費者とのコミュニケーション: 持続可能性に関する取り組みを積極的に消費者に伝え、製品の購入やブランドのサポートを通じてインパクト投資への参加を促します。これは、顧客ロイヤルティの向上や新しい顧客層の獲得に繋がります。
  6. 持続可能性レポートの公開: 企業の持続可能性に関する取り組みと成果を定期的に公開し、透明性を高めます。これにより、ステークホルダーからの信頼を得るとともに、持続可能性へのコミットメントを示すことができます。

これらのアプローチを通じて、製造業や小売業の企業は、環境や社会にポジティブな影響を与えながら、長期的な競争力とビジネスの持続可能性を確保することができます。重要なのは、持続可能性の取り組みが経営戦略の一部となることです。

日本でも車や海外企業の関わる製造業がこのように重視されていることは否めません。なぜこのように社会が動いているのかを含めて、ぜひわたしの記事をフォローしてくださいね。

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この記事を書いた人

ハワイ州立大学大学院でMDGs(SDGsの前進)を学び、アカデミックな分野でサステナビリティの研究に没頭し、帰国後、革製品ブランド”ラファエロ”を0から立ち上げ、1日で1つの商品を3000個ほど売り上げるなど事業面でも圧倒的な実績を出しつつ実践的な脱炭素経営やサステナブル経営に取り組み、ファッション業界として史上初の「外務省ジャパンSDGsアワード」を受賞した唯一の企業となる(外務大臣賞)。さらに前年には「環境省グッドライフアワード環境と福祉賞」も受賞しており2024年現在で外務省と環境省のSDGsアワードをW受賞した日本で5社のみの一般企業となる。

これらの実績は、夫婦2名の資本金100万円の株式会社FrankPRで取り組んできたことで、資金不足・人材不足でもサステナビリティや脱炭素活動は事業活動と両立できることを実証する。

アカデミックと実践的な経営の両方のサステナビリティの知識を併せ持つ稀有な現役経営者として社会のサステナビリティや脱炭素を支援する発信をしていく。

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