こんな人にオススメです
- 都市の緑化(緑)に関心がある方
- 生物多様性がどうビジネスになるか知りたい方
- 麻布台ヒルズやグラングリーン大阪(うめきた)の秘密に興味がある方
- SDGsゴール11(住み続けられるまちづくり)と経済の両立を考えたい方
- 「自然共生」が不動産の価値になるって本当?と疑問な方
「最近、都心のビル街にすごく素敵な緑が増えたな」と感じませんか?昔の「とりあえず植えました」感のある緑地と違い、麻布台ヒルズや大阪の「グラングリーン大阪」のような場所は、まるで森の中にいるみたいですよね。
実は今、都市の緑地化が「見た目」から「生態系機能」重視へと大きく進化しています。しかも驚くことに、こうした「こだわりの緑」が、コストをかけても経済的に「ペイする(採算が合う)」というんです。
今回は、SDGs時代の新しいまちづくりと「緑の価値」について、ワクワクするニュースをご紹介します。
最新のSDGsニュース:
都市の緑地化、生態系価値を高めてマネタイズするには (出所: オルタナ)
SDGsニュースの要約
都市の緑地化が、単なる景観づくりから「生態系機能」を重視する形へと進化しています。これまでは手間のかからない外来種が多かったのに対し、最近はその土地本来の「郷土種(在来種)」を使い、高木から下草までを組み合わせた「立体的」な緑空間が増えています。東京の「麻布台ヒルズ」や大阪の「グラングリーン大阪」はその代表例で、生物多様性の向上や人々のウェルビーイング(豊かさ)にも貢献しています。注目すべきは、こうした質の高い緑地が、開発許可のボーナス(麻布台ヒルズ)や、官民連携(グラングリーン大阪)によって実現し、さらには「物件が高くても迅速に売れる」という形で、経済的にも採算が合っている点です。
SDGsニュースのポイント
- 緑の「目的」が変わった: 昔は見た目や日陰が目的でしたが、今は「生態系としての機能」が重視されています。
- 植える「種類」が変わった: 手間のかからない外来種から、その土地本来の「郷土種(在来種)」へと変化しています。
- 緑の「形」が変わった: 芝生と高い木だけ、といった平面的な緑ではなく、高木・中木・下草を組み合わせた「立体的」な緑空間や、ビルの壁面・斜面を使った緑化が増えています。
- 事例1:麻布台ヒルズ(東京):
- 緑地配置を先に決めてから建物を配置する、というこだわり。
- 約320種の植物(在来種中心)を使い、生物多様性だけでなく、畑や果樹など人の「ウェルビーイング」も重視しています。
- 質の高い緑地のおかげで、東京都の開発許可で「床面積のボーナス」を得ており、採算性に悪影響はなかったそうです。
- 事例2:グラングリーン大阪(うめきた):
- 大阪都心部にとって貴重な、約8haもの広大な緑地(うめきた公園含む)が誕生します。
- 「防災公園」としての役割も持ち、整備費用の一部に公費が使われる「官民連携(公民連携)」モデルです。
- 管理費も公費だけでなく、開発事業者やパートナー制度など「自主財源」で運営されます。
- 国も「TSUNAG」プロジェクトで後押し:
- 両緑地とも、国土交通省の「TSUNAG(優良緑地確保計画認定制度)」で最高の三ツ星評価を得ています。
- この認定は、TNFD(自然関連財務情報開示)などでも活用でき、投資を呼び込むメリットがあります。
- 結論:こだわりの緑地は「ペイする」:
- 開発担当者によると、こうした質の高い緑地を持つ物件は「他より高い価格でも、迅速に成約に至る」とのこと。
- 「自然共生」が、不動産を選ぶ際の重要な評価項目になってきた、と言えそうです。
SDGsニュースを考察
この記事、本当にワクワクしますね! SDGsゴール11「住み続けられるまちづくりを」とゴール15「陸の豊かさも守ろう(生物多様性)」が、見事にビジネスとして両立している事例です。
これまでの緑地は、ともすれば「コストがかかるもの」「規制だから仕方なく作るもの」というイメージがあったかもしれません。
でも、麻布台ヒルズやグラングリーン大阪の成功は、「質の高い自然共生は、コストではなく、企業価値と収益性を高める『投資』である」ことを証明してくれています。
これは、企業のサステナビリティ経営が、社会貢献(生物多様性の保全)と経済的リターン(高くても売れる)を同時に達成できる、という最高の好循環です。
特に「緑地の配置を先に決めた(麻布台ヒルズ)」というエピソードは、発想の転換を象徴しています。緑を「建物のスキマに植えるもの」から「まちの主役」へと変えたわけです。
また、グラングリーン大阪の「官民連携」も重要です。防災公園という公的な役割と、民間の開発力・運営力を組み合わせることで、これほど大規模な緑地が実現できた。これは他の都市でも応用できる素晴らしいモデルですね。
記事の最後にあるように、これからは「自然共生にお金を払う」ことが当たり前になり、それが不動産や都市の価値を測るモノサシになっていく…そんな未来を感じます。
私たちにできること
「大きな開発の話は、自分には関係ないかな?」いえいえ、そんなことはありません。私たちの日々の選択が、この素晴らしい流れを後押しします。
1. 「緑の価値」を意識して選ぶ:
もし家を借りたり買ったり、あるいはホテルに泊まったりする時、「緑が多いか」「どんな緑か(在来種かなど)」を基準に選んでみませんか? 私たちのサステナブル消費(エシカル消費)が、「緑に投資する企業」を応援することにつながります。
2. 地元の緑地に関わってみる:
近所の公園や緑地が、どんな植物でできているか見てみましょう。地域の緑化活動やイベントに参加してみるのもいいですね。都市の生物多様性は、私たち自身のウェルビーイング(心身の豊かさ)にも直結しています。
3. 企業の「姿勢」に注目する:
不動産会社やデベロッパーが、TNFDやサステナビリティ経営で、どれだけ「自然共生」に本気で取り組んでいるか。これからは、そんな視点で企業を見てみるのも面白いですよ。
都市の「緑」が、コストから「価値」へ。私たちの意識と選択で、もっと豊かで持続可能なまちづくりを応援していきたいですね。

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