イギリス、ESG格付けプロバイダーへの規制強化へ – 透明性向上と持続可能な金融を促進

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

イギリス政府は、ESG格付けプロバイダーに対する規制を強化する法案を2025年に導入する予定です。ESG格付けの透明性欠如が問題視される中、財務大臣は、投資家保護と持続可能な金融への取り組み強化を表明しました。新法案では、金融行動監視機構 (FCA) の監督下で、ESG格付けの信頼性と比較可能性の向上が図られます。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:UK to Introduce Law to Regulate ESG Ratings Providers

ニュースの内容

英国政府は2025年にESG格付けプロバイダーを規制する法案を導入予定で、FCAの監督下に置くことを目指しています。この取り組みは、ESG格付けの透明性を高め、持続可能な金融を促進するためのもので、業界との協議を経て法案を提出する予定です。持続可能な金融グループはこの計画を歓迎し、格付けの透明性向上を期待しています。

SDGsニュースの主な要点

  • イギリス政府は、ESG格付けプロバイダーを規制する法案を2025年に導入すると発表。
  • レイチェル・リーブス財務大臣は、ESG格付けの透明性向上に取り組み、イギリスを持続可能な金融における世界のリーダーとして確固たるものにすることを目指すと表明。
  • 新法案では、ESG格付けプロバイダーは金融行動監視機構 (FCA) の監督下に置かれる予定。
  • 投資家が投資プロセスにESGを考慮することが増える一方で、ESG格付けプロバイダーの活動や事業は十分に監視されていないという現状への対策。
  • 証券規制基準設定機関 (IOSCO) は2021年、ESG格付けとデータの透明性向上を求める勧告を発表しており、今回のイギリス政府の動きもその流れに沿ったもの。
  • イギリスでは今年初め、FCAがESG格付けおよびデータ製品プロバイダー向けの自主行動規範を発表している。
  • 政府は、今回の規制強化により、企業が不透明なESG格付けによって不利な立場に置かれることなく、成長を促進し、よりクリーンな経済を実現することを目指す。

「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

脱炭素とSDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日のテーマは、ずばり ESG! 最近、この言葉を耳にする機会が増えましたよね。

企業のSDGsへの取り組みが重視される中、世界中で ESG投資 が急増しています。 ESG投資 とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮して行う投資のこと。 地球環境や社会に貢献したいと考える投資家を中心に、ESG投資 は急速に広まっています。

そして、この ESG投資 を支えているのが ESG格付け です。 ESG格付け とは、企業の ESG への取り組み状況を評価して、スコアやランク付けを行う仕組みのこと。 投資家は、この ESG格付け を参考に、投資先を選定しています。

しかし、近年、この ESG格付け を巡って、ある問題が指摘されるようになってきました。 それは… 「ESG格付けの透明性が低い!」 という問題です。

なぜESG格付けの透明性が問題になるの?

実は、 ESG格付けプロバイダー によって、同じ企業の ESG格付け が大きく異なるケースが少なくありません。 なぜなら、 ESG の評価項目や評価方法が、プロバイダーによって異なるからです。

さらに、評価の根拠となるデータや情報が公開されていないケースも多く、投資家からは「ブラックボックス化している」という批判の声も上がっています。

このような状況では、投資家は、どの企業が本当に ESG に積極的に取り組んでいるのか、判断することができませんよね? また、企業にとっても、どのような取り組みを評価してもらえるのかが分からず、適切な対応が難しくなってしまいます。

イギリス政府がついに動き出す!

そこで立ち上がったのが、イギリス政府です! イギリス政府は、 ESG格付け を巡るこうした問題を解決するため、 ESG格付けプロバイダー に対する規制に乗り出すことを発表しました。 2025年には、新たな法案を導入し、 ESG格付け の透明性向上を図る予定です。

具体的には、

  • ESG格付けプロバイダー を金融行動監視機構 (FCA) の監督下に置く
  • ESG格付け の信頼性と比較可能性を高めるためのルールを導入する

といった対策が検討されています。

この規制によって、 ESG格付け の透明性が向上し、投資家がより安心して投資判断を行えるようになることが期待されています。 また、企業にとっても、 ESG への取り組みを適切に評価してもらえるようになり、より一層、 ESG への取り組みを強化するインセンティブが働くことが期待されます。

日本企業への影響は?

今回のイギリス政府の動きは、世界的に ESG への関心が高まる中、ESG格付け のあり方が改めて問われる出来事として、日本企業にとっても決して他人事ではありません。

今後、日本でも ESG格付け を巡る議論が活発化し、規制強化の動きが加速する可能性も考えられます。 だからこそ、日本企業は、いち早くこの流れに対応し、 ESG への取り組みを強化していくことが重要です。

私たちFrankPRも応援します!

ところで皆さん、企業におけるSDGsの取り組み状況についてご存知ですか? 帝国データバンクの調査によると、中小企業の約半数は、資金不足や人材不足などを理由にSDGsへの取り組みが進んでいないという結果が出ています。

一方で、SDGsに取り組んでいる企業の約7割は、その効果を実感しているという調査結果もあります。 SDGsへの取り組みは、企業にとって新たなビジネスチャンスの創出や、企業価値の向上、優秀な人材の確保など、様々なメリットをもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。

私たち株式会社FrankPRは、企業のSDGs推進をサポートする広報代理店として、今回のイギリス政府の動きを歓迎するとともに、日本企業の ESG への取り組みを積極的に支援していきます。

今後も、最新の ESG 情報や企業の取り組み事例などを発信していきますので、ぜひご期待ください!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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