新ガイドラインで5兆ドル規模のサステナブル債券市場の可能性 – 持続可能性パフォーマンス目標達成でSLL拡大へ

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日は下記のSDGsニュース記事について考察と意見をお伝えします。

新たなガイドラインにより、5兆ドル規模のサステナブル債券市場が可能性を秘めて開かれるかもしれません。融資銀行と借り手の持続可能性パフォーマンスに関する対話が容易になり、より多くの借り手が融資や債券の金利を持続可能性目標に連動させることが期待されています。サステナビリティ・リンク・ローンの発行ガイドラインも債務市場に新たな資金調達機会をもたらします。

タイトル: Will New Guidance Open the US$5tn Sustainable Bonds Market?

内容

新たなガイドラインにより5兆ドル規模のサステナブル債券市場が開かれる可能性があります。融資銀行と借り手の持続可能性パフォーマンスに関する対話が容易になり、借り手が融資や債券の金利を持続可能性目標と連動させる動きが拡大することが期待されています。サステナビリティ・リンク・ローン債券の発行ガイドラインにより、債務市場に新たな資金調達機会が生まれるとともに、サプライチェーン上流の発行者も参入しやすくなります。

SDGsニュースの主な要点

• 持続可能性関連ローン原則が5兆ドル市場の新ガイダンスを発表

• 融資銀行が借り手と持続可能性パフォーマンスの対話を行いやすくなる

• 借り手が融資や債券の金利を持続可能性目標達成と連動させる動きが拡大へ

• サステナビリティ・リンク・ローン債券の発行ガイドラインで債務市場に新たな資金調達機会

• SLL原則は収益の使途、評価プロセス、収益管理、報告の4つの中核要素を規定

• グリーン実現プロジェクト向けガイダンスでサプライチェーン上流の発行者も参入しやすく

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

脱炭素とSDGsの知恵袋の菊尾です。今回は、サステナブル債券市場の拡大につながる新たなガイドラインについて解説します。

サステナブル債券市場は、持続可能性と気候変動対策に特化した資金調達の最大の源泉です。この市場は企業や金融機関、政府機関など幅広い発行体が利用可能で、5兆ドル規模に達する可能性があります。

この度、持続可能性関連ローン原則(Principles)が新しいガイダンスを発表しました。このガイドラインにより、融資銀行は借り手と持続可能性パフォーマンスについて対話しやすくなります。その結果、より多くの借り手が融資や債券の金利を持続可能性目標の達成と連動させるようになると期待されています。

サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)は、借り手が野心的で定量化可能な持続可能性パフォーマンス目標(SPTs)を達成するかどうかに応じて、融資条件が変化する新しい融資手段です。SLLは目標ベースで発行目的が柔軟なため、うたい文句通りに機能しているかどうかの解釈の幅が広いのが課題でした。

新ガイドラインの主な推奨事項は以下の通りです。

– 収益の使途、評価と選定のプロセス、収益管理、報告の4つの中核要素に整合させること

– 発行体は持続可能性戦略と顧客の移行支援の取り組みを要約すること

– 外部レビューを発行体のウェブサイト等で公開すること

また、グリーン実現プロジェクト向けガイダンスにより、サプライチェーンの上流の発行者もグリーンボンド市場に参入しやすくなります。

このようにサステナブル債券市場の健全な発展を促す新たなガイドラインの策定は、投資家、発行体、引受人の共通のコミットメントを示すものです。今後、サステナビリティ連動債市場が拡大し、パリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて民間資金が動員されることが期待されます。

企業の皆様におかれましては、ぜひこの機会にサステナブル債券の発行を検討してみてはいかがでしょうか。金利面でのメリットに加え、自社のサステナビリティ経営の高度化につながるでしょう。

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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