SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日も下記の最新のSDGsニュース記事について考察と意見をお伝えします。
金融庁は、令和6年度における有価証券報告書の作成・提出ガイドラインを発表しました。サステナビリティ、人的資本・多様性、コーポレートガバナンスの開示改善に向けた重点テーマ審査を含む内容です。
タイトル:令和6年度金融庁発表の有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等
https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240329-9/20240329.html
内容
金融庁は、サステナビリティや人的資本、コーポレートガバナンスの開示に関する内閣府令の改正を受け、令和6年度の有価証券報告書作成・提出に際しての留意点を発表。法令改正関係審査及び重点テーマ審査の実施や、課題に応じた改善例の提供が含まれます。
SDGsニュースの主な要点
– 金融庁は、令和6年度の有価証券報告書作成・提出における留意事項として、サステナビリティ開示を含む改正内閣府令に基づく法令改正関係審査及び重点テーマ審査の実施を発表しました。
– 令和5年度の有価証券報告書レビューでは、サステナビリティ、人的資本・多様性、コーポレートガバナンスに関する開示に改正があったことが対象で、これらの領域での企業取組みの開示が重視されました。
– 審査結果から、サステナビリティ関連のガバナンス、リスク及び機会の管理過程、重要な戦略・指標・目標の不明瞭な記載や欠如、人的資本に関する方針や実績の不足が共通の課題として識別されました。
– 特に、女性管理職比率の不適切な開示や、取締役会や監査役会の活動状況、内部監査の報告体制、政策保有株式に関する情報の不足が問題とされました。
– 政策保有株式については、長期間の売却計画の不透明性や、実質的な継続保有状態にあることが指摘されました。
– 金融庁は、サステナビリティ開示等の課題対応に資するための開示例集を提供し、自主的な改善を促しています。これには、スタートアップ企業への投資事例なども含まれます。
– 令和6年度の有価証券報告書レビューでは、サステナビリティに関する企業の取り組みやコーポレートガバナンスに関する開示が重点テーマとして設定され、法令改正に基づく審査が継続されます。
– 提出会社は、重点テーマに対応するための調査票に回答し、審査結果を踏まえた留意すべき事項に従って開示を行うよう求められています。
– 金融庁は、開示義務違反に関する情報提供窓口も設けており、適時開示や報道、投資家からの情報提供を基にした審査も実施することがあります。
「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見
日本の中小企業の経営者やCSR、SDGs推進責任者の皆様にとって、最近の金融庁からの発表は大きな意味を持っています。特に、令和6年度に向けての有価証券報告書の作成・提出における留意点が指摘されました。これは、サステナビリティ開示やコーポレートガバナンス、人的資本・多様性、さらには政策保有株式に関する詳細なガイドラインを含んでいます。
具体的には、令和5年度の有価証券報告書レビューを踏まえ、サステナビリティに関連する企業の取り組みやガバナンス、リスク及び機会の管理過程、そして人的資本に関する方針や実績の記載について、より明確な開示が求められています。特に注目すべきは、サステナビリティ関連のリスク及び機会、戦略及び指標に関する記載が不明瞭であることが指摘されており、これらの領域における自社の取り組みを再評価し、改善することが急務となっています。
また、金融庁はサステナビリティ開示等の課題対応にあたって参考となる開示例集を提供しており、これは自社の開示改善に役立てることができる貴重なリソースです。このような背景を受けて、企業がサステナビリティに関する取り組みをより透明性の高い形で開示することは、投資家やステークホルダーからの信頼を得るために不可欠であると言えます。
この動きは、サステナビリティへの関心が高まりつつある中、中小企業にとっても大きなチャンスとなります。サステナビリティに積極的に取り組むことで、企業価値の向上はもちろん、社会的な責任を果たすことにもつながります。企業がこれらの要件にどのように対応していくかは、今後のビジネス環境における競争力を左右する重要な要素の一つとなるでしょう。
中小企業の経営者やSDGs推進責任者の皆さんには、この機会を通じて自社のサステナビリティ戦略を再検討し、持続可能な社会の実現に向けた積極的な行動を起こすことをお勧めします。