SDGs採択10年の通信簿、私たちの現在地は?2025年版レポートから未来を考える

こんにちは、「SDGsの知恵袋」編集長の日野です。

9月の終わりは「SDGs週間」。2015年に国連でSDGsが採択されてから、今年で10年という大きな節目を迎えました。今では子どもたちの教育現場でも耳にするほど身近になったSDGsですが、私たちは目標達成に向けて、今どのあたりにいるのでしょうか。

先日、その現在地を示す「通信簿」とも言えるhttps://kabutan.jp/news/marketnews/?&b=n202509270147持続可能な開発報告書2025年版」が公表されました。今日はその中身を一緒に見ながら、残り5年となった未来のために何ができるかを考えていきたいと思います。

目次

世界の成績表は「赤点」続出の厳しい結果に

まず、世界全体の進捗状況ですが、残念ながら非常に厳しい結果が示されました。

評価できたターゲットのうち、「順調に進んでいる」のはわずか18%。つまり10科目あったら2科目も合格していないような状況です。さらに18%は「後退している」とされており、このままでは17のゴールのいずれも達成できない見通しだと指摘されています。

特に、目標2「飢餓をゼロに」目標16「平和と公正をすべての人に」、そして海や陸の豊かさを守る環境分野の目標が、軌道から大きく外れているとのこと。世界で続く紛争や貧困の問題が、私たちの未来に暗い影を落としていることが分かります。

日本の順位は19位。得意なこと、苦手なこと。

では、日本の状況はどうでしょうか。

日本のSDGs達成度は、167カ国中19位。昨年から1つ順位を落としましたが、世界的に見れば上位グループにいます。目標1「貧困をなくそう」は達成済みで、目標3「すべての人に健康と福祉を」目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」なども達成の見込みと、得意な分野もあります。

しかし、ここがポイントです。日本にもまだまだ「苦手科目」がたくさんあります。報告書で特に大きな課題だと指摘されたのは、以下の5つの目標です。

  • 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」:女性議員の比率の低さが課題です。
  • 目標13「気候変動に具体的な対策を」:化石燃料の利用によるCO2排出が問題視されています。
  • 目標14「海の豊かさを守ろう」:水産資源の乱獲が指摘されています。
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」:化学肥料の多用などが挙げられています。
  • 目標12「つくる責任 つかう責任」:私たちの消費スタイルが環境に負荷をかけています。

「SDGs」という言葉は浸透しましたが、実際の行動が追いついていない現実が浮き彫りになった形です。

残り5年、私たちができることとしての「ESG投資」

目標達成期限の2030年まで、あと5年しかありません。この厳しい現実を前に、私たちに何ができるのでしょうか。

もちろん、日々の暮らしで環境に配慮したり、社会問題に関心を持つことも大切です。そして、この記事で提案されているのが「ESG投資」という選択肢です。

これは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮している企業を、私たちがお金(投資)を通じて応援する仕組みのこと。いわば「SDGsの金融版」ですね。

私たちがESG投資をすることで、企業はもっとSDGsへの取り組みを頑張ろう、というインセンティブが働きます。それは結果的に、社会全体の持続可能性を高めることにつながります。

今回のレポートが示したのは、決して明るい未来ではありませんでした。しかし、それは諦める理由にはなりません。むしろ、今こそ行動すべきだというサインです。SDGs週間を機に、世界を持続不可能な方向から救うための一つのアクションとして、「お金」という身近なツールで未来に投票するESGについて考えてみませんか?

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