サステナビリティ

SDGsの全体像と主な目標は何であり、これまでの取り組みと今後の展望についてどのような状況があるのでしょうか?

結論

SDGsは、MDGsからの発展として採択され、17の目標が設定されました。日本政府も、国際的な責任と国内課題の解決から、政策としてこれに力を入れています。年金機構を通じた投資戦略など、具体的な取り組みが進められており、持続可能な未来の実現に向けた道筋が描かれています。

理由

MDGsからSDGsへの発展

MDGs(ミレニアム開発目標)は、2000年に国連が採択した8つの目標でした。しかし、途上国中心の取り組みとなっていたため、2015年には更に包括的な目標としてSDGsが生まれました。SDGsは、途上国だけでなく全世界を対象とし、17の目標と169の具体的なターゲットで構成されています。

MDGsとは

MDGs(ミレニアム開発目標)は、2000年に国連で採択された8つの目標でした。主に途上国の貧困削減や教育の普及などに焦点を当てたものでした。

MDGsからSDGsへの発展の背景

  • 包括性の強化: MDGsは途上国中心でしたが、先進国も含めた全世界を対象とする必要があるとの認識が高まりました。
  • 環境問題の取り組み: 気候変動などの環境問題への取り組みがMDGsでは不足していたため、SDGsでは強調されました。
  • 三つの側面のバランス: SDGsは、社会的、経済的、環境的な側面をバランス良く取り入れるように設計されました。

SDGsの全体像と主な目標

SDGsの17の目標は、

  • 貧困の撲滅: 世界中の人々の基本的な生活を保障。
  • 飢餓の終結: 食糧問題の解決と農業の持続可能な開発。
  • 健康と福祉: 全ての年齢層に健康を提供。
  • 質の高い教育: 良い教育を全ての子供に。
  • エシカル消費: 責任ある消費と生産の促進。これらの目標は、持続可能な開発と社会課題解決のための重要な指針となっています。

日本政府がSDGsに力を入れる理由

  • 国際的責任: 先進国としての役割と、国際社会への貢献。
  • 経済成長との両立: 環境保護と経済成長を両立させる新しいビジネスチャンス。
  • 国内課題の解決: 人口減少、高齢化などの国内課題の解決。

年金機構の役割

日本の年金機構は、SDGsに関連する投資を積極的に進めています。年金機構がESG投資を重視することになり、持続可能な企業活動の促進と、長期的なリターンの追求が目指されています。

日本年金機構は、運用額が約160兆円(2021年時点)にも上る、世界最大級の年金基金です。その規模から、投資戦略は国内外の市場に多大な影響を与えることとなります。

ESG投資に力を入れる背景

  • リスク管理: 環境、社会、企業統治(ESG)に関連するリスクは、企業の長期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクを適切に管理することは、年金資産の安定した運用に繋がります。
  • 長期的なリターン追求: ESGに配慮した投資先は、持続可能な経営を行う企業である可能性が高く、長期的なリターンが期待されます。
  • 社会的責任: 世界最大級の年金基金として、社会的な責任を果たす視点から、ESG投資は重要な戦略となります。特にSDGsの目標達成にも貢献する形となるため、国際社会からの評価と注目も高いです。

 

これまでの取り組みと今後の展望

国連の会議やパリ協定などの決定に従い、国際的な取り組みが進んでいます。

日本国内でも、政府、地方自治体、企業、市民団体が連携して、多岐にわたる活動が展開されています。そして学校でも教育が始まったことによって、消費者や若年層での意識の高まりが注目されています。

今後の展望としては、全体の目標達成に向けた具体的な行動指針と、各セクター間の連携強化、テクノロジー開発、適切な金融投資も求められるでしょう。

また、ESG投資に関しては、2004年のUNEP FI: 2004年に国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が発表した報告書が、ESG因子と企業価値の関連性を初めて明確にし、2006年のPRI設立: 2006年に国連主導で「責任投資原則」(PRI)が設立され、ESG投資の枠組みが形成されており、現在も世界へ影響を与えています。

まとめ

SDGsは、MDGsからの発展として誕生し、世界全体の持続可能な開発を促進する目標となっています。日本政府もこれに積極的に取り組んでおり、年金機構を通じた具体的な戦略などが進展しています。サステナビリティの知識を持つエキスパートのリーダーシップが、この道を切りひらくことが期待されています。

お読みいただきありがとうございました。一緒により住みやすい未来を創っていきましょう。

この質問の回答者

株式会社FrankPR代表取締役、松尾真希。

ハワイ州立大学大学院でMDGs(SDGsの前進)を学び、革製品ブランド”ラファエロ”を0から立ち上げる。中小企業の50%が人材不足や資金不足でSDGsゴール達成の活動に取り組めない中、夫婦2人だけの資本金100万円の零細企業でファッション業界、スタートアップ企業、女性経営者として、史上初の「外務省ジャパンSDGsアワード外務大臣賞」を受賞する。さらに前年には「環境省グッドライフアワード環境と福祉賞」も受賞しており2024年現在で政府系SDGsアワードをW受賞した日本で5社のみの一般企業となる。

経営とサステナビリティを両立する現役の経営者として、企業のための実践的な経営とSDGsゴール達成を支援する発信をしていく。