SDGs・脱炭素の用語

【用語解説】風力発電の仕組みや現状は?SDGsへの貢献も徹底解説!

編集部の菊尾
編集部の菊尾
風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源として、SDGsの達成と脱炭素社会の実現に大きく貢献する発電方法であり、国内でも導入が加速しています。

概要

【風力発電の概要】

風力発電は、風の力を利用して風車を回転させ、その回転運動を発電機に伝えることで電気を生み出す発電方法です。風力発電の仕組みは、風の運動エネルギーを風車のブレードで回転エネルギーに変換し、その回転エネルギーを発電機で電気エネルギーに変換するというものです。風力発電は再生可能エネルギーの一つであり、化石燃料を使用しないクリーンな発電方法として注目されています。風力発電のメリットは、CO2を排出しないクリーンな発電方法であること、燃料費がかからないこと、国産エネルギーとして利用できることなどが挙げられます。一方で、風力発電の課題としては、風況に左右されるため安定した電力供給が難しいこと、騒音や低周波音の問題があること、鳥類への影響が懸念されることなどがあります。

該当するSDGsゴールとターゲット

風力発電は、以下のSDGsゴールとターゲットに貢献します。

- ゴール7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに):すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

- ターゲット7.2:2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる

- ゴール13(気候変動に具体的な対策を):気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

- ターゲット13.2:気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む

企業への影響

風力発電は、企業にとってもSDGsへの貢献や脱炭素経営の実現に向けた重要な取り組みの一つです。

再生可能エネルギーの利用拡大は、企業の環境負荷低減やESG投資の観点からも注目されており、風力発電への投資や導入を進める企業が増えています。また、風力発電関連の技術開発や製造、メンテナンスなどの分野でのビジネス機会も拡大しており、新たな市場の創出にもつながっています。

主な事例

1.東京電力グループの東京電力リニューアブルパワー

秋田県能代市と三種町の沖合に洋上風力発電所「能代港洋上風力発電所」を建設し、2022年12月から商業運転を開始しました。この発電所は、国内初の商業用洋上風力発電所であり、出力は約140MWで、一般家庭約13万世帯分の電力を供給できる規模です。

2.北海道石狩市の石狩湾新港

2023年1月に国内最大級の洋上風力発電所が運転を開始しました。この発電所は、JERAとグリーンパワーインベストメントが共同で建設したもので、総出力は112MWとなっています。

3.福島県

福島洋上風力コンソーシアムが福島沖で浮体式洋上風力発電の実証事業を進めています。浮体式洋上風力発電は、水深が深い海域でも設置できるため、日本の海域に適した技術として期待されています。

 

まとめ

風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源の一つとして、今後さらなる導入拡大が期待されています。

特に洋上風力発電は、安定した風況が得られるため、大規模な発電が可能であり、国内でも導入が進んでいます。企業にとっても、風力発電への投資や導入は、SDGsや脱炭素経営の実現に向けた重要な取り組みであり、ビジネス機会の拡大にもつながります。一方で、風力発電の課題解決に向けた技術開発や制度設計も必要であり、官民一体となった取り組みが求められています。