SDGs・脱炭素の用語

【用語解説】生物多様性とは?私たちの暮らしと密接な関係

概要

生物多様性の概要

生物多様性とは、様々な生きものがつながり合って生態系を形成し、私たちの暮らしを支えている状態を指します。地球上には数百万種もの生物が存在し、それぞれが固有の役割を果たすことで、バランスのとれた生態系が保たれています。しかし近年、開発や乱獲、気候変動などの影響により、生物多様性の損失が急速に進んでいます。

対象のSDGsゴールとターゲット

生物多様性は、以下のSDGsゴールとターゲットに貢献します。

・ゴール14(海の豊かさを守ろう):海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

-ターゲット14.2:2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
-ターゲット14.5:2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。

・ゴール15(陸の豊かさも守ろう):陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

 

-ターゲット15.1:2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
-ターゲット15.5:自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

企業への影響

生物多様性の損失は、企業活動にも大きな影響を与えます。

原材料の調達や水資源の確保が困難になるだけでなく、生態系サービスの低下により、事業の継続そのものが脅かされる可能性があります。また、生物多様性への配慮は、ESG投資の観点からも重要性が高まっています。先進的な企業は、生物多様性の保全を経営戦略に組み込み、持続可能な事業展開を目指しています。

主な事例

パタゴニア

オーガニックコットンの使用や環境に配慮した素材の開発により、生物多様性の保全に貢献しています。また、環境保護団体への寄付や従業員のボランティア活動を通じて、生態系の回復にも取り組んでいます。

イオン

「イオン生物多様性方針」を策定し、持続可能な調達や店舗での緑化、環境教育など、様々な角度から生物多様性の保全に取り組んでいます。また、公益信託「イオン環境財団」を通じて、国内外の環境保全活動を支援しています。

株式会社FrankPR

バングラデシュの革製品を通じて、現地の雇用創出と技術向上を支援しています。また、環境に配慮した素材の使用やアップサイクルの推進により、生物多様性の保全にも貢献しています。

まとめ

生物多様性は、私たちの暮らしと密接に関わる重要な課題です。

SDGsの達成に向けて、企業には生物多様性の保全と持続可能な利用の両立が求められています。原材料の調達から製品の開発、社会貢献活動に至るまで、様々な場面で生物多様性に配慮した取り組みを進めることが重要です。私たち一人ひとりも、エシカル消費や自然保護活動への参加など、できることから生物多様性の保全に貢献していくことが求められています。