世界の銀行が結集!NZBAが目指す持続可能な金融と2050年ネットゼロ達成への道筋

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

世界中の銀行が加盟する「ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)」は、2050年までに融資や投資をネットゼロ排出目標に整合させることを目指しています。ファースト・アブダビ銀行が運営グループの議長に就任し、11月の気候変動ファイナンスに焦点を当てたCOP29に向けた活動が注目されています。NZBAは、金融機関によるESG投資を促進し、脱炭素化を加速させる役割を担っています。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:What is the United Nations’ Net Zero Banking Alliance?

ニュースの内容

国連のネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)は、2050年までに温室効果ガスのネットゼロ排出を目指す銀行のグループで、144の銀行が参加し、総資産は74兆ドルに達します。持続可能な開発を推進するため、銀行はリスク管理や市場機会の獲得において重要な役割を果たします。最近、ファースト・アブダビ銀行がNZBAの運営グループの議長に任命され、持続可能な銀行運営を促進する取り組みが進められています。

SDGsニュースの主な要点

  • ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)は、2050年までに融資・投資・資本市場活動をネットゼロ排出に整合させることを約束する世界中の銀行の連合体である。
  • 2021年に設立され、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が主導している。
  • 現在、144の銀行が加盟しており、世界の銀行資産の41%を占めている。
  • NZBAは、加盟銀行に対し、2030年までに科学に基づいた信頼性の高いネットゼロ目標を策定・設定・達成するための枠組み、ガイダンス、ピアラーニングの機会を提供している。
  • ファースト・アブダビ銀行(FAB)がNZBA運営グループの議長に任命され、COP29までの期間、議長を務める。
  • FABは、中東・北アフリカ地域を含む世界の様々な地域の状況に応じた脱炭素化の道筋の必要性を強調している。
  • ノルデア銀行は、北欧地域の代表として運営グループに参加し、金融業界における北欧の視点を反映させることの重要性を訴えている。
  • NZBAは、気候変動ファイナンスの重要な担い手として、COP29などの国際的な議論においても注目されている。

「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

脱炭素とSDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今回は、世界の金融業界で大きな動きが起きているというニュースについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います!

その動きとは、 「ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)」 の活動です。

「え、ネットゼロバンキングアライアンス…?何だか難しそう…」
と思った方もいるかもしれませんね。
でも、安心してください! これから、分かりやすく解説していきますので、ご安心を!

NZBAは、簡単に言うと、 世界の銀行が協力して、地球温暖化を食い止めよう! という取り組みです。

具体的には、2050年までに、銀行が融資や投資を行う際に、 温室効果ガスの排出を実質ゼロにする という目標を掲げています。

近年、 ESG投資サステナビリティ への意識が高まる中、金融機関の役割はますます重要になってきています。

今回のNZBAの動きは、まさに金融業界が 脱炭素化 に向けて大きく動き出したことを象徴する出来事と言えるでしょう。

では、なぜ世界の銀行は、ここまで積極的に 脱炭素化 に取り組むようになったのでしょうか?
そこには、様々な背景があります。

地球温暖化の危機と金融機関の責任

まず、 地球温暖化 の危機が深刻化していることが挙げられます。

世界中で異常気象や自然災害が多発し、私たちの生活にも大きな影響が出始めていますよね。

このまま温暖化が進むと、地球全体の環境が破壊され、取り返しのつかない事態になる可能性も指摘されています。

金融機関は、企業への融資や投資を通じて、経済活動に大きな影響力を持っています。

だからこそ、金融機関が率先して 脱炭素化 を推進することで、社会全体を サステナブル な方向へ導くことができるのです。

高まるESG投資への期待

近年、 ESG投資 が世界的に注目されています。

ESG投資 とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮した投資のこと。

従来の財務情報だけでなく、企業の サステナビリティ への取り組みを重視することで、長期的な投資収益と社会貢献の両立を目指します。

投資家からの ESG投資 への期待が高まる中、金融機関は、 脱炭素化 に積極的に取り組む企業を支援することで、投資家のニーズに応える必要が出てきています。

NZBAの具体的な活動内容

NZBAは、具体的な活動として、

  • 加盟銀行に対して、 2050年ネットゼロ目標 の達成に向けた計画策定を支援する
  • 気候変動対策資金 の供給を拡大する
  • 脱炭素化 に向けた技術開発やイノベーションを促進する

などを推進しています。

ファースト・アブダビ銀行が運営グループの議長に就任し、COP29に向けた活動も加速しています。

COP29とは、2024年11月にアラブ首長国連邦で開催される国連気候変動枠組条約締約国会議のこと。

COP29では、 気候変動対策資金 の調達や、 脱炭素化 に向けた国際的な協力体制の構築などが主要な議題として議論されます。

NZBAは、COP29においても、金融機関としての立場から、積極的に意見を発信していくことが期待されています。

企業への影響と対応

NZBAの活動は、企業の事業活動にも大きな影響を与える可能性があります。

今後、金融機関は、 脱炭素化 に取り組む企業に対して、積極的に融資や投資を行う一方で、取り組みが不十分な企業に対しては、融資を引き締めたり、投資を停止したりする可能性があります。

つまり、 脱炭素化 への取り組みが、企業の資金調達や事業継続に大きく影響する時代になってきているのです。

企業は、

  • 自社の事業活動における GHG排出量 を把握し、削減目標を設定する
  • 再生可能エネルギー の導入や省エネなど、具体的な 脱炭素化 対策を推進する
  • ESG に関する情報開示を充実させ、投資家からの信頼を獲得する

など、 脱炭素化 に向けた取り組みを強化していくことが求められます。

特に、資金力や人材が限られている中小企業にとっては、 脱炭素化 への対応は大きな負担となるかもしれません。

しかし、帝国データバンクの調査によると、 SDGs に取り組んでいる企業の7割が、その効果を実感しているという結果が出ています。

SDGs への取り組みは、新たなビジネスチャンスの創出や、企業価値の向上、優秀な人材の確保など、様々なメリットをもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。

まとめ

今回は、 ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA) の取り組みについて解説しました。

金融業界の 脱炭素化 の動きは、私たちの社会全体を サステナブル な方向へ変革していくための大きな力となるでしょう。

私たちは、今回のニュースをきっかけに、改めて SDGs の重要性を認識し、自社の取り組みを見直す良い機会にしていきたいですね!

この記事が、少しでも皆さんの SDGs への理解を深めるきっかけになれば幸いです。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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