【SDGs】皆既月食と光害 赤い月が示す私たちの未来


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3年ぶりの皆既月食

2025年9月8日の未明、日本全国で3年ぶりとなる「皆既月食」が見られます。夜空に浮かぶ満月が地球の影にすっぽりと隠れ、幻想的な「赤黒い月」へと姿を変える天体ショー。多くの人が心待ちにしているのではないでしょうか。

実はこの美しい天体ショー、私たちの暮らしと地球の未来を考えるSDGsと、意外なところで深くつながっているのです。今回は、この皆既月食をきっかけに、私たちが地球のために何ができるのかを一緒に考えていきたいと思います。

こんな人におすすめです

  • 天体観測が好きで、自然の不思議に興味がある方
  • SDGsを身近なことから学びたいと考えている親子
  • 持続可能なまちづくりや環境問題に関心のある企業担当者

3年ぶりの天体ショー!「皆既月食」基本情報

まずは、今回の皆既月食の基本情報を押さえておきましょう。気象予報士の野田俊一郎さんによると、日程は以下の通りです。

  • 日付: 2025年9月8日(月)未明 ※9月7日(日)の深夜です。
  • 部分食の開始: 午前1時27分ごろ
  • 皆既食の開始: 午前2時30分ごろ
  • 皆既食の終了: 午前3時50分過ぎ
  • 部分食の終了: 午前4時57分ごろ  引用元:https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/2154600

「赤黒い月」が最も美しく見えるのは、午前2時半から午前3時50分過ぎにかけて。少し夜更かしが必要ですが、次に日本全国で見やすい時間帯の皆既月食は来年(2026年)の3月3日まで待たなくてはなりません。

なぜ月は赤黒く見えるの?地球の大気が起こす奇跡

皆既月食のとき、月が真っ暗にならず「赤黒く」見えるのはなぜでしょうか?

それは、地球の「大気」が関係しています。
太陽の光が地球の縁を通過するとき、地球の大気がプリズムのような役割を果たします。波長の短い青い光は散乱され、波長の長い赤い光だけが屈折して、地球の影の中にある月に届くのです。これが、朝焼けや夕焼けが赤く見えるのと同じ原理です。

つまり、私たちが皆既月食で見る赤い光は、地球のすべての大気を通り抜けてきた光なのです。そう考えると、なんだかとてもロマンチックですよね。この美しい現象は、地球にクリーンな大気があるからこそ見られる、奇跡の贈り物と言えるかもしれません。

皆既月食とSDGs?3つの意外なつながり

さて、ここからが本題です。この天体ショーが、どのようにSDGsと結びつくのでしょうか。

1. 「光害(ひかりがい)」を考えるきっかけに(SDGs目標11)

美しい月や星を見るためには、夜空が暗いことが重要です。しかし、都市部の明るすぎる照明や、必要以上に空を照らす光は「光害(ひかりがい)」という環境問題を引き起こしています。

この光害は、生態系(特に夜行性の動植物)を混乱させたり、私たちの健康に影響を与えたりするだけでなく、貴重な天体観測の機会を奪ってしまいます。

皆既月食を機に、私たちの街の明かりについて考えてみることは、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献します。不要な照明を消すことは、光害を減らすだけでなく、エネルギーの無駄遣いをなくすことにもつながります。これは、エネルギー効率を高め、カーボンニュートラルな社会を目指す上でも非常に重要です。

2. 科学への好奇心を育む最高の教材(SDGs目標4)

「どうして月は赤くなるの?」「宇宙はどうなっているの?」

先日、小学生の息子と夜空を見上げたとき、たくさんの質問をされました。皆既月食のような壮大な天体ショーは、子どもたちの知的好奇心を刺激し、科学への興味を育む最高の環境教育の機会です。

宇宙の仕組みや地球環境について親子で語り合う時間は、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の達成にもつながります。未来を担う子どもたちが、地球を大切に思う心を育むきっかけになるはずです。

3. 地球という惑星の繊細さを実感する(SDGs目標13, 15)

赤黒い月は、地球の大気がきれいでなければ、あそこまで美しくは見えません。大気汚染が進めば、その色もくすんでしまうかもしれません。

私たちは、この奇跡のように美しい惑星に生きています。皆既月食は、そんな地球の繊細なバランスの上に私たちの暮らしが成り立っていることを、改めて教えてくれます。

この美しい星空を未来に残していくために、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」への取り組みが、いかに大切かを実感する良い機会となるでしょう。

まとめ:夜空を見上げて、今日からできるアクションを

3年ぶりの皆既月食は、ただの珍しい天体ショーではありません。それは、地球の美しさと、私たちが直面している課題を同時に映し出す鏡のような存在です。

この機会に、ぜひ夜空を見上げてみてください。そして、その美しい光景を守るために、私たちに何ができるのかを考えてみませんか?

今日からできる3つのアクション

  1. 家の不要な明かりを消してみる: 小さな省エネと光害対策の第一歩です。
  2. 親子や友人と月食について話す: なぜ月が赤く見えるのか、SDGsとの関係などを話題にしてみましょう。
  3. 地域の観測会に参加する: 専門家の話を聞きながら、地域の人々と一緒に夜空の不思議を楽しんでみましょう。

一つの天体現象から、私たちの未来は変えられます。まずは知ること、そして小さな一歩を踏み出すこと。それが、持続可能な未来への大きな推進力になるはずです。

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