【2025年自民党総裁選の概要】
こんにちは。「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長の日野広大です。当メディアは、ジャパンSDGsアワードで外務大臣賞を受賞した企業の知見を活かし、国内外の最新動向を厳選してお届けしています。
石破茂首相の退陣表明を受け、「ポスト石破」を選ぶ自民党総裁選が9月22日告示、10月4日投開票の日程で行われます。
自民党のトップである総裁を決める選挙で、選出された新総裁は、国会での首相指名選挙を経て新しい首相に就任します。今回の選挙で選ばれる新総裁は、石破氏の総裁としての残りの任期(2027年9月まで)を引き継ぐことになります。
◆総裁選の仕組み:「フルスペック」方式とは?
今回の総裁選は、党所属の国会議員と全国の党員・党友が投票する「フルスペック」方式で実施されます。
- 投票の内訳: 国会議員票(295票)と、党員・党友の投票結果に応じて比例配分される党員票(295票)の合計590票で争われます。党員票が全体の半分を占めるため、党員の意向が反映されやすいのが特徴です。
- 決選投票: 1回目の投票で有効票の過半数を獲得する候補がいない場合、上位2人による決選投票が行われます。その際、党員票は各都道府県連に1票ずつの計47票に圧縮され、国会議員票と合わせて勝者が決まります。
- 立候補の要件: 総裁選に立候補できるのは党所属の国会議員で、同僚の国会議員20人の推薦が必要です。
【立候補者の顔ぶれと選挙の構図】
9月12日時点で、茂木敏充前党幹事長と小林鷹之元経済安全保障担当相が出馬を表明。加えて、高市早苗前経済安保相、林芳正官房長官、小泉進次郎農林水産相も出馬の意向を固めたとされ、5人が争う大枠の構図が確定しました。
今回の総裁選では、各陣営とも、昨年の総裁選で石破首相が獲得した「石破票」の行方が勝敗に影響するとみて、その取り込みに注力する方針です。
【各候補の動向と戦略】
各候補者は、石破首相やその支持層を意識した動きを見せています。
- 茂木敏充氏:「石破降ろし」を主導した一人ですが、出馬会見では首相を「率直に評価している」と述べました。
- 小林鷹之氏:これまで首相の政権運営を批判してきましたが、出馬意向を伝えた際には「この1年間のリーダーシップに敬意を感じた」と強調しました。
- 林芳正氏:官房長官として首相を支えてきた立場であり、陣営からは首相支持層が自候補に流れることへの期待が寄せられています。
- 小泉進次郎氏:首相の退陣を「説得」した形になったことで「首相を踏み台にした」との声も上がる中、本人は会見で「『もう少し話そう』と思っていただけた」と良好な関係をアピールしました。
- 高市早苗氏:政策的に距離のある岸田文雄前首相と会談するなど、決選投票を見据えて他派閥との連携を探る動きを見せています。
【注目点と課題】
今回の総裁選では、小泉進次郎氏の動向が特に注目されています。高い知名度に加え国会議員からの支持も厚く、立候補すれば本命視される可能性が指摘されています。一方で、1年前の前回総裁選で3位に敗れた経験や、外交経験の浅さを懸念する声もあります。
また、自民党は衆参両院で少数与党となっており、新総裁にとっては野党との連携構築が至上命題となります。小泉氏については、日本維新の会とのパイプを期待する声がある一方、経験不足を危惧する意見も聞かれます。
市場関係者は、誰が首相になっても財政拡張的な政策になるとの見方を示しており、各候補の財政政策に高い関心を寄せています。
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