【コラム】自公連立、26年の歴史に幕。この激震は「持続可能な政治」への産みの苦しみか

2025年10月10日、日本の政治を大きく揺るがすニュースが飛び込んできました。公明党が、26年間続いた自民党との連立政権から離脱する方針を伝えたのです。

高市早苗新総裁の誕生からわずか数日。これから国会がどうなるのか、私たちの暮らしにどんな影響があるのか。テレビやネットの速報を見ながら、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、この歴史的な転換点を、単なる「混乱」や「政争」として片付けてしまうのはあまりにもったいない。私は、これを「日本の政治が、より持続可能になるための産みの苦しみ」と捉えるべきだと考えています。今回は、【用語解説】SDGsとは?17のゴールと169のターゲットを徹底解説!の視点、特に目標16「平和と公正をすべての人に」から、この出来事の本質を読み解いていきたいと思います。


目次

なぜ連立は崩壊したのか?対立の根源にあるもの

報道によると、公明党の斉藤鉄夫代表は、連立離脱の最大の理由を「『政治とカネ』に関する基本姿勢について(高市氏と)意見の相違があった」と説明しました。企業・団体献金の規制強化などを巡り、両者の間には埋めがたい溝があったようです。

一方、高市総裁は「一方的に伝えられた」「まさに独裁だ」と、公明党の姿勢に不満をあらわにしています。

どちらの主張が正しいか、という議論はさておき、重要なのは、長年のパートナーシップを解消するほどに「政治の透明性」や「公正さ」に対する価値観が対立したという事実です。


SDGs目標16が問う「信頼できる政治」

SDGsと聞くと、環境問題や貧困問題を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、SDGsが目指すのは、地球環境だけでなく、私たち人間社会そのものの持続可能性です。

その中で目標16「平和と公正をすべての人に」は、社会の土台となる部分に光を当てています。具体的には、ターゲット16.6で「あらゆるレベルにおいて、実効的で責任ある、透明性の高い機関を発展させる」ことを掲げています。

「政治とカネ」の問題は、まさにこの政治機関の「透明性」と「責任」を揺るがすものです。政治にお金がどう流れ、どう使われているのかが不透明であれば、国民は政治を信頼できません。信頼のないところに、健全な民主主義は成り立たず、持続可能な社会を築くための安定した基盤も失われてしまいます。

今回の連立離脱は、この「信頼」という、政治の根幹に関わる問題が引き起こした必然だったのかもしれません。


激動の先に、私たちが選択する未来

連立の崩壊により、高市氏の首相就任は不透明な状況となりました。自民党は国民民主党や日本維新の会との連携を模索する可能性があり、日本の政策、特に財政政策が大きく変わるかもしれません。

短期的に見れば、政局の不安定化は市場にとって「非常にマイナスだ」と専門家は指摘します。しかし、長期的な視点に立てば、これはチャンスです。26年間固定化されていた勢力図が激変し、政治のあり方そのものを見直す絶好の機会が訪れたのですから。

私たち国民は、この歴史的な転換点の目撃者であり、当事者です。

この激動をただ傍観するのではなく、「私たちはどんな政治を望むのか」「信頼できる政治とは何か」を一人ひとりが真剣に考え、声を上げていく必要があります。来る首相指名選挙、そしてその先の国政選挙での一票は、未来の日本の形を決定づける、これまで以上に重い一票となるでしょう。

長年続いた慣習が壊れる時には、痛みが伴います。しかし、その痛みの先にこそ、より公正で、透明で、真に持続可能な社会への道が拓かれている。私はそう信じています。

高市早苗氏「公明が一方的に連立離脱伝達」 企業献金規制の返答保留https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA108Q00Q5A011C2000000

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