気候関連開示の義務化加速!ISSB基準で温室効果ガス排出量の透明性向上へ

1.今回解説する脱炭素・SDGsニュース:Jurisdictions Representing Over Half of Global GHG Emissions are Moving Towards Coverage by ISSB Sustainability Reporting Standards: IFRS Report

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日は下記のSDGsニュース記事について考察と意見をお伝えします。

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の開示基準に基づく企業報告が、世界30以上の国と地域で義務化、もしくは義務化に向けた動きが進んでいます。ISSB基準は、企業の気候関連情報開示の透明性を高め、持続可能な投資を促進する上で重要な役割を果たすと期待されています。

2.ニュースの要約

30以上の国が国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)の開示基準に基づく報告を求める方向に進んでおり、これによりグローバルな温室効果ガス排出量の半分以上を占める国々がカバーされる見込みです。2023年には、企業の82%が気候関連の開示基準に従って報告しており、進展が見られますが、投資家が必要とする情報は依然として不足しています。

3.SDGsニュースの主な要点

  • ISSB基準に基づく報告を義務化する国と地域が30以上に増加
  • 対象となる国と地域のGDPは世界の57%、時価総額は40%以上、温室効果ガス排出量は半分以上
  • 気候関連開示の義務化対象のほぼすべてでスコープ3排出量報告が含まれる
  • 多くの国と地域で業界固有の情報開示も義務化または検討
  • 当初は気候関連開示に焦点が当てられていたが、90%がすべての持続可能性関連リスクと機会を網羅する報告義務化を検討
  • TCFD提言に基づく企業報告も増加傾向
  • 2023年には、調査対象企業の82%がTCFD提言の少なくとも1つに沿って報告
  • 平均開示数は5.2項目、全11項目の開示はわずか2~3%

4.「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

皆さん、こんにちは!「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集部の菊尾です。最近、企業のサステナビリティや脱炭素への取り組みがますます重要になっていますね。今日は、そんな中で注目すべき大きなニュースが入ってきましたので、皆さんと一緒に深掘りしていきたいと思います。

最新ニュース:ISSB基準採用の動きが世界で加速中!

先日、IFRS財団から、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の開示基準に基づく企業報告を義務化する、または義務化に向けて動いている国・地域が、世界で30以上にのぼるという進捗報告が発表されました。

ISSBって何?という方もいらっしゃるかもしれませんね。簡単に言うと、ISSBは企業のサステナビリティに関するリスクや機会の情報を投資家に提供するための、国際的な基準を作る組織です。2021年のCOP26で設立され、2023年には最初のサステナビリティ開示基準(IFRS S1)と気候関連開示基準(IFRS S2)を発表しました。

TCFDからISSBへ:気候関連開示の進化

今回のニュースでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)についても触れられています。TCFDは、2015年に金融安定理事会(FSB)によって設立され、気候関連の財務リスクに関する情報開示のフレームワークを開発してきました。

TCFDの勧告は、事実上、気候関連開示の業界標準となっていましたが、ISSBが設立されたことにより、その役割はISSBに引き継がれることになりました。今回の報告書によると、2023年には82%の企業がTCFDの11の推奨事項のうち少なくとも1つに沿って報告しており、これは2022年の73%から増加しています。

今後の展望と私たちにできること

ISSB基準の採用は、世界の企業に大きな変革を迫るものです。しかし、これは同時に、持続可能な社会の実現に向けて大きく前進するチャンスでもあります。

企業は、ISSB基準への対応を通じて、自社のサステナビリティに関する取り組みを強化し、投資家や社会からの信頼を高めることができるでしょう。また、温室効果ガス排出量の削減や、再生可能エネルギーの利用促進など、具体的な行動を起こすことで、地球環境の保全にも貢献できます。

まとめ:持続可能な未来のために、共に歩もう!

今回のニュースは、企業のサステナビリティ報告が新たな段階に入ったことを示しています。ISSB基準の採用は、企業にとって大きなチャレンジですが、同時に、持続可能な社会の実現に向けて大きく貢献するチャンスでもあります。

私たち一人ひとりが、この変化を前向きに捉え、それぞれの立場でできることに取り組むことが重要です。企業は、ISSB基準への対応を通じて、自社のサステナビリティに関する取り組みを強化し、投資家や社会からの信頼を高めることができるでしょう。個人は、消費者として、サステナブルな商品やサービスを選ぶことで、企業の取り組みを後押しすることができます。

サステナビリティへの道のりは、決して平坦ではありません。しかし、私たちには、より良い未来を創る力があります。共に学び、共に考え、共に行動することで、必ずや持続可能な社会を実現できると信じています。

私たち「脱炭素とSDGsの知恵袋」も、微力ながら、その一助となれるよう、これからも情報発信を続けてまいります。

さあ、皆さんも一緒に、持続可能な未来に向けて、新たな一歩を踏み出しませんか?

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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