ココアサプライチェーンの持続可能性:EUDR施行延期とココアコレクティブの主張

1.今回解説する脱炭素・SDGsニュース:Cocoa Coalition of Ferrero, Mars, Mondelez and Nestlé urges EU not to water down delay-hit EUDR environmental laws

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日は下記のSDGsニュース記事について考察と意見をお伝えします。

ココア業界団体「ココアコレクティブ」が、EUの森林破壊防止に関する環境法「EUDR」の施行延期をEU議会に要請しました。EUDRは森林破壊リスクのある製品の輸入を規制するもので、ココアも対象となります。ココアコレクティブは、準備期間が不足しているとして1年間の延期を求めていますが、環境団体からは森林破壊リスクの増加を懸念する声が上がっています。EUの対応が注目されます。

2.ニュースの要約

フェレロ、マース、モンデリーズ、ネスレなどの大手菓子企業からなるココアコレクティブは、EUに対してEUDR法案のさらなる修正を避けるよう求めています。この法律は、供給チェーンにおける必須の管理を初めて導入するもので、企業は「森林破壊のない」原材料調達を証明する必要があります。EUは12ヶ月の実施延期を提案しており、ココアコレクティブはこの提案を支持していますが、実施の遅延が環境や地域社会に深刻な影響を及ぼすと警告しています。

3.SDGsニュースの主な要点

  • ココア業界団体「ココアコレクティブ」がEU環境法EUDRの施行延期をEU議会に要請。
  • EUDRは森林破壊リスクのある製品の輸入規制を目的とした法律。
  • ココアコレクティブは、企業の準備期間不足を理由に1年間の延期を求める。
  • 環境団体は、EUDR施行延期による森林破壊リスクの増加を懸念。
  • EU委員会は12ヶ月の延期を提案したが、欧州理事会を含む承認が必要。
  • ココアコレクティブは、延期による更なる交渉の再開には反対の姿勢。
  • 小規模農家への支援の必要性も訴える。

4.「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

EUの森林破壊防止法EUDR、施行延期で波紋 ― チョコレートの未来は?

こんにちは!「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集部の菊尾です。

最近は、企業のSDGsへの取り組みがますます注目されていますよね。帝国データバンクの調査によると、SDGsに取り組んでいる企業の7割が効果を実感しているそうです。素晴らしいですね!一方で、資金や人材不足から取り組めていない中小企業も半分ほどいるという現実も突きつけられています。

EUDRとは? なぜ延期?

EUDR(European Union Deforestation Regulation)は、EU域内で販売される製品が、森林破壊に繋がっているかどうかをチェックし、問題があれば輸入を制限するという、とても重要な法律です。私たちの暮らしが、世界の森林破壊に加担していないかを確認する、大切な役割を担っています。

今回のニュースは、ココア業界団体「ココアコレクティブ」が、このEUDRの施行延期をEU議会に要請したというもの。理由は「企業側の準備期間が足りない」からだそうです。確かに、新しいルールに適応するには時間が必要ですが、本当にそれが理由でしょうか…?

ココアと森林破壊、そしてEUDR

実は、ココアの生産は、森林破壊と密接に関係しています。西アフリカの森林がココア農園へと姿を変え、貴重な生態系が失われているのです。そこで、EUDRはココアを含む様々な製品を対象に、森林破壊リスクのある生産地からの輸入を規制することで、この問題に対処しようとしています。

ココアコレクティブは、フェレロ、マース、モンデレスといった大手チョコレートメーカーも加盟する団体。彼らが施行延期を求めている背景には、複雑な事情が絡んでいるのかもしれません。

松尾社長の考え

私たちの代表、松尾真希社長は、ハワイ州立大学大学院でSDGsの前身であるMDGsを研究し、革製品ブランド「ラファエロ」の活動でジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞した、まさにサステナビリティの第一人者です。

EUDRの延期は、短期的に企業の負担を軽減するかもしれませんが、長期的に見ると、森林破壊を加速させ、結果的に地球環境にも、私たち消費者にも、そしてココア生産者自身にも悪影響を与える可能性があります。

多少の困難があっても、未来のために乗り越えるべき課題だと、松尾社長は考えています。

私たちにできること

では、私たち消費者は何ができるでしょうか?まずは、チョコレートの原材料がどこから来ているのか、どんな風に作られているのか、関心を持つことが大切です。そして、環境に配慮した製品を選ぶことで、企業のサステナブルな取り組みを応援しましょう。

小さな行動の積み重ねが、大きな変化を生み出します。私たち一人ひとりが意識を持って行動することで、未来の地球を守り、持続可能な社会を実現できるはずです。

まとめと未来への希望

EUDR施行延期は、サステナビリティへの道のりで、私たちが直面する課題の一つです。しかし、諦める必要はありません。企業、消費者、そして政府が協力し、共に知恵を出し合うことで、必ず解決策を見つけることができると信じています。

「脱炭素とSDGsの知恵袋」は、これからも最新の情報を発信し、皆さんのサステナブルな行動を応援していきます。一緒に、未来のために、一歩ずつ進んでいきましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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