欧州監督当局(EU)が警鐘!金融セクターのグリーンウォッシング対策を徹底

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

欧州監督当局(ESA)は、金融セクターにおけるグリーンウォッシングリスク増大に対応するため、監督措置の強化とデータアクセスの改善を求める報告書を発表しました。銀行、投資会社、保険会社の監督を強化し、持続可能な金融商品の信頼性を高めることが目的です。2023年にはグリーンウォッシング疑惑事件が前年比26%増加しました。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:EU Regulators Call for Increased Action to Address Growing Greenwashing Risk in Financial Sector

ニュースの内容

欧州監督当局(ESA)は、銀行、投資会社、保険会社におけるグリーンウォッシングリスクの増大に対応するため、監督措置の強化とデータアクセスの改善を求めました。2023年にはグリーンウォッシング疑惑事件が前年比26%増加し、持続可能な金融商品の信頼性向上が求められています。

SDGsニュースの主な要点

– 欧州監督当局(ESA)は、銀行、投資会社、保険会社におけるグリーンウォッシングリスクの増大に対応するため、監督措置の強化とデータアクセスの改善を求めました。

– ESAには、欧州証券市場監督局(ESMA)、欧州銀行監督局(EBA)、欧州保険年金監督局(EIOPA)が含まれます。

– 持続可能な投資商品の需要と提供の急速な増加が、グリーンウォッシングのリスクを高めています。

– グリーンウォッシングは、持続可能性に関する声明や行動が、実際のプロファイルを明確かつ公正に反映していない慣行を指します。

– EBAは、2023年のEUにおけるグリーンウォッシング疑惑事件が前年比で26%増加したと報告しました。

– ESMAは、規制当局がグリーンウォッシング対策を強化している一方で、NCAがリソースやデータアクセスの制約に直面していると指摘しました。

– ESMAは、NCAの人材、専門知識、監督ツールの増強を推奨し、EU委員会にNCAとESMAの権限強化を求めました。

– EBAは、持続可能性の主張の正確性を確保するため、銀行に対し、エンティティおよび製品レベルでの対策を勧告しました。

– EIOPAは、持続可能性の主張を評価する際の原則と、監督における課題に対処するための推奨事項を提示しました。

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

欧州の金融規制機関である欧州監督当局(ESA)が、銀行や投資会社、保険会社などの金融セクターにおけるグリーンウォッシングのリスクが高まっていると警鐘を鳴らしています。グリーンウォッシングとは、実際の取り組みよりも環境に配慮しているように見せかける企業の行為のことです。

ESAは最終報告書の中で、金融機関がグリーンウォッシングに対処するには、監督措置の強化とデータやその他のリソースへのアクセス改善が必要だと指摘。欧州証券市場監督局(ESMA)は、各国の監督当局に人材や専門知識、監督ツールの増強を求めています。また、欧州銀行監督局(EBA)は、銀行が持続可能性の主張の正確性と明確性を確保するよう勧告。欧州保険年金監督局(EIOPA)は、持続可能性の主張を評価する際の原則を示しました。

ESAの報告は、持続可能な金融への信頼を損なわないためにも、金融機関のグリーンウォッシング防止が急務であることを示唆しています。実際、EBAとEIOPAはグリーンウォッシング事件が大幅に増加していると報告。信頼できるデータへのアクセスの確保と、監督体制の強化が求められます。

企業にとって、ESGやSDGsへの取り組みは投資家や消費者の支持を得るために欠かせません。しかし、実態を伴わない見せかけだけの行動は、かえって企業価値を毀損しかねません。金融機関には、グリーンウォッシングのリスクを認識し、適切に対処していくことが求められるでしょう。そのためにも、信頼できるデータの活用と、監督当局との連携が重要になります。

金融は企業活動や社会インフラを支える血液のような存在です。金融セクターが本気でサステナビリティに取り組むことは、社会全体のグリーン化とSDGs達成に直結します。欧州の動きは、日本の金融機関にとっても他人事ではありません。グリーンウォッシングを防ぎ、持続可能な金融の実現に向けて、官民一体となった取り組みが期待されます。

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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