非財務情報が企業価値を左右する時代に突入!投資指標としての重要性が増すESG

今回解説する脱炭素・SDGsニュース

【市況】ESG最前線レポート ─「非財務価値が財務に与える影響を可視化する」

非財務情報の開示が、企業にとって重要な課題となっています。ESG投資が広がる中、投資家は企業の環境・社会・ガバナンスに関する取り組みを重視しています。非財務情報を可視化し、その財務指標への影響を分析することで、企業は持続的な成長と企業価値向上を実現できます。

非財務情報開示の重要性と企業価値向上

近年、企業における非財務情報の公開が活発化しており、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みが企業価値の向上に寄与することが可視化されています。日本では、政府が非財務情報の可視化を促進し、企業の人的資本や多様性に関する指標の開示が求められています。これにより、企業の取り組み意欲や投資家の投資意欲が高まり、ESGが重要な投資指標となっています。

SDGsニュースの主な要点

  • 企業に非財務情報の開示を求める動きが世界的に活発化している。
  • 日本政府も2022年から「非財務情報可視化研究会」を開始し、企業の持続的価値創造を促すための議論を進めている。
  • 企業による人材への投資が先進国と比べて低い水準にあることが、非財務情報開示の必要性を高めている。
  • ESGへの取り組みが、企業のROEやPBRなどの財務指標にプラスの影響を与えることが可視化され始めている。
  • ある電子機器会社では、女性管理職比率や社員エンゲージメントの向上がROICにプラスの影響を与えるという分析結果が出ている。
  • ある通信会社では、女性社員比率や社内研修の回数を増やすことで、PBRが向上するという分析結果が出ている。
  • 金融庁は、有価証券報告書に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、人的資本や多様性に関する情報開示を求めている。
  • 従業員数1000人超の企業に義務付けられている男性の育休取得率の公表は、2025年4月からは300人超の企業にも拡大される。
  • 非財務情報の可視化は、企業の取り組み意欲を高めるだけでなく、投資家の投資意欲を高める効果も期待できる。
  • ESGは、重要な投資指標として、企業価値を左右する時代になっている。

「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

【SDGsニュース解説】 ESG時代の到来!企業価値を高める「非財務情報」の可視化とは?

こんにちは!脱炭素とSDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

皆さんは「非財務情報」って聞いたことありますか?なんだか難しそうな言葉ですよね…。簡単に言うと、お金では測れない企業の価値を表す情報のことなんです。

例えば、

  • 従業員の満足度
  • 環境への取り組み
  • 地域社会への貢献

といったものがあります。

昔は、企業の価値は、売上や利益といった財務情報で判断されることがほとんどでした。でも、時代は変わりました!

最近は、ESG投資という考え方が広まり、投資家たちは、企業のESGへの取り組みを重視するようになってきているんです。

ESGって何かというと、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取った言葉です。

つまり、環境問題社会問題に配慮し、企業統治をしっかり行っている企業は、長期的に成長し、企業価値が高まると考えられているんです。

だから、企業はESGへの取り組みを積極的にアピールすることが重要になってきています。そして、そのための重要なツールとなるのが、非財務情報の開示なんです。

なぜ非財務情報を開示する必要があるの?

企業が非財務情報を開示するメリットは、大きく分けて2つあります。

  1. 投資家からの評価向上
    投資家は、企業がESGに真剣に取り組んでいるかどうかを知るために、非財務情報を参考にします。環境問題に熱心に取り組んでいたり、従業員を大切にしていたりする企業は、投資家から高く評価され、投資を受けやすくなるでしょう。
  2. 企業価値の向上
    非財務情報を開示することで、企業は自社のESGへの取り組みを客観的に見直し、改善することができます。その結果、企業の持続可能性が高まり、長期的な成長につながり、企業価値向上が期待できます。

具体的な取り組み事例を見てみよう!

実際に、非財務情報を活用して企業価値を高めている企業の事例をご紹介します。

事例1:電子機器会社A社

A社は、女性管理職比率社員エンゲージメント(従業員の会社への愛着や貢献意欲)を高める取り組みを積極的に行っています。そして、これらの取り組みが、会社の収益性向上に繋がっていることを、データで示しています。

事例2:通信会社B社

B社は、女性社員比率を高めたり、社員研修の回数を増やしたりすることで、会社の株価が上昇する傾向にあることを明らかにしました。

これらの事例からもわかるように、非財務情報を可視化し、その財務指標への影響を分析することで、企業は自社のESGへの取り組みの成果を、客観的に示すことができます。

日本政府も動き出しました!

日本政府も、企業の非財務情報の開示を促進するために動き出しています。

2022年には、「非財務情報可視化研究会」が設置され、企業と投資家のコミュニケーションを円滑にするための議論が進められています。

また、金融庁は、企業が投資家向けに作成する有価証券報告書に、「サステナビリティに関する考え方及び取組」という項目を新設しました。この項目では、企業は、人的資本(従業員の能力や経験)や多様性(性別、年齢、国籍などの多様性)に関する情報を開示することが求められます。

さらに、従業員数1000人以上の企業には、男性の育児休業取得率を公表することが義務付けられていますが、2025年4月からは、この義務が従業員数300人以上の企業にも拡大されます。

まとめ|ESGは企業の成長戦略!

非財務情報の開示は、企業にとって、もはや避けて通れない課題となっています。

ESG投資の拡大や、規制環境の変化を踏まえ、企業は、非財務情報を積極的に開示し、投資家とのエンゲージメントを強化していくことが重要です。

非財務情報を可視化し、その財務指標への影響を分析することで、企業は、ESGへの取り組みが、企業価値向上につながることを示すことができます。

ESG経営は、企業の持続的な成長のための、重要な戦略なのです!

この記事が、少しでも皆さんのSDGsへの理解を深めるきっかけになれば幸いです。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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