1.今回解説する脱炭素・SDGsニュース:AIC Asks: Do ESG Credentials Matter to Investors Anymore?
SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日は下記のSDGsニュース記事について考察と意見をお伝えします。
投資家のESG離れが進む現状をAICの最新調査を基に解説。収益性への疑問やESGウォッシュ問題など、関心低下の要因と今後の展望を探ります。ジャパンSDGsアワード受賞企業FrankPRが運営する「脱炭素とSDGsの知恵袋」が、ESG投資の最新動向をサステナビリティの専門家の視点でお届けします。
2.ニュースの要約
2024年のAICの調査によると、ESG(環境・社会・ガバナンス)への投資家の関心が3年連続で減少しており、2021年の66%から2024年には48%に落ち込んでいます。パフォーマンスへの懸念がこの変化の中心にあり、ESG投資がリターンを改善する可能性を信じる投資家は17%に減少しました。年齢によってESGへの態度が異なり、若い世代はESGを重視する傾向が強い一方、高齢者はその重要性を低く見積もる傾向があります。全体的な関心は薄れているものの、透明性と開示が最も重要なESGの考慮事項として浮上しています。
3.SDGsニュースの主な要点
- AICの調査によると、投資家のESGへの関心が3年連続で低下。
- 2021年には66%だったESG要因を考慮する投資家は、2024年には48%に減少。
- パフォーマンスへの懸念が関心低下の主要因の一つ。ESG投資が収益を改善する可能性が高いと考える投資家はわずか17%。
- ESGの中でも、環境問題とガバナンスへの関心が最も高く37%、社会問題は後れを取っている。
- 透明性と情報開示は投資家にとって最も重要なESG要素となっており、60%が重視。
- 一部の投資家はESGを「woke(社会問題に過剰に敏感)」と捉え、否定的に見ている。
- BlackRockのCEOラリー・フィンク氏は、ESGが「武器化」されたと発言。
4.「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見
ESG投資の未来:持続可能性と収益性の調和を目指して
こんにちは!脱炭素とSDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
近年、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みがますます重要視されています。投資の世界でも、ESG投資という言葉をよく耳にするようになりました。企業の持続可能性を重視するESG投資は、未来への投資として注目を集めていましたが、最近の動向に変化が見られています。
ESG投資:その光と影
ESG投資とは、財務情報だけでなく、企業のESGへの取り組みを考慮に入れて行う投資のことです。環境保護、社会貢献、倫理的な企業統治など、非財務的な要素も重視することで、より持続的で責任ある投資を目指します。
2010年代、ESG投資は大きな盛り上がりを見せました。多くの投資家がESGを重視するようになり、企業もESGへの取り組みを積極的にアピールするようになりました。しかし、近年、その勢いに陰りが見え始めています。
投資会社協会(AIC)の調査によると、ESG投資への関心は3年連続で低下しています。その背景には、ESG投資のパフォーマンスに対する疑問や、いわゆる「ESGウォッシュ」問題など、様々な要因が絡み合っています。
投資家の本音:収益性への期待とESGウォッシュへの懸念
投資家にとって、投資の第一の目的は「収益」です。どんなに素晴らしい理念に基づいた投資であっても、利益が出なければ意味がありません。ESG投資は長期的な視点で企業の価値向上を目指すものですが、短期的な収益が見えにくいことから、投資家は不安を感じているようです。
また、「ESGウォッシュ」も大きな問題です。ESGウォッシュとは、実際にはESGに真剣に取り組んでいないにもかかわらず、ESGを重視しているように見せかけることです。このような企業の存在は、投資家のESG投資への信頼を損ない、関心低下につながっています。
ESGの3要素:環境、社会、そしてガバナンス
ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素から成り立っています。
- 環境:地球環境保護への取り組み。CO2排出量削減、再生可能エネルギーの利用、廃棄物削減など。
- 社会:人権尊重、労働環境改善、地域社会への貢献など。
- ガバナンス:公正で透明性の高い企業統治。コンプライアンス遵守、情報開示の徹底など。
これらの3要素は、企業の持続可能性を評価する上で重要な指標となります。投資家は、これらの要素を総合的に判断し、投資先を決定します。
松尾真希の視点:本質的なESG経営の重要性
弊社の代表である松尾真希は、ESGは単なる流行ではなく、企業が長期的に成長していくために不可欠な要素だと考えています。「三方良し」の精神、つまり「売り手良し、買い手良し、世間良し」の考え方は、ESG経営の本質を捉えたものと言えるでしょう。
真のESG経営とは、企業が利益を追求するだけでなく、社会全体の持続可能性に貢献することです。環境問題、社会問題、そして倫理的な企業統治。これらの課題に真摯に取り組むことが、企業の長期的な価値向上につながると信じています。
未来への提言:透明性と対話による信頼構築
ESG投資の未来は、企業と投資家の信頼関係にかかっています。企業は、ESGへの取り組みについて、透明性の高い情報開示を行う必要があります。投資家は、企業と積極的に対話し、ESGへの取り組みを深く理解する必要があります。
「ESGウォッシュ」を排除し、真に持続可能な企業を支援していくためには、企業と投資家の双方が努力していく必要があります。