ESG開示能力向上へ:74%の上場企業がテクノロジー投資を計画

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

デロイトの最新調査によると、上場企業の74%が来年中にESG開示能力を向上させるための新しいテクノロジーやツールに投資する予定です。ほぼすべての企業が報告要件の強化に対応する準備をしていますが、データ品質が依然としてESG課題のトップとなっています。企業はESG報告の強化から、リスク軽減や効率性向上などのメリットを期待しています。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:74% of Public Companies Plan to Invest in Sustainability Reporting Technology and Tools Over Next Year: Deloitte Survey

ニュースの内容

デロイトの調査によると、上場企業の約74%が、ESG開示能力の向上に役立つ新しいテクノロジーやツールに投資する予定であり、ほぼすべての企業が報告要件の強化に対応する準備をしているが、データ品質が最大の課題であることがわかった。また、部門横断的なESGチームの設立が持続可能性の進捗と準備に大きな影響を与えており、ESG報告の経営幹部の責任が増大していることも明らかになった。

SDGsニュースの主な要点

  • 上場企業の74%がESG開示能力向上のための新技術・ツールに投資予定
  • ほぼ全ての企業(99%)が強化されたESG報告要件に対応準備中
  • データ品質が最大のESG課題(88%が上位3つの課題として挙げる)
  • 52%の企業が部門横断的なESGチームを設置済み
  • ESG報告強化による期待効果:リスク軽減(53%)、効率性向上(52%)
  • 55%の企業でCSOがESG開示の管理責任を負う(2022年の42%から増加)

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

脱炭素とSDGsの知恵袋編集部の菊尾です。今回は、デロイトが発表した最新の調査結果について、皆さまにお伝えしたいと思います。この調査は、企業のESG開示能力の向上に関する興味深い洞察を提供しています。

まず、驚くべき結果として、上場企業の74%が今後1年間でESG開示能力を向上させるための新しいテクノロジーやツールに投資する予定だということが分かりました。これは、企業がESGの重要性を認識し、積極的に取り組もうとしている証拠と言えるでしょう。

しかし、ここで注目すべき点があります。データ品質が依然としてESG課題のトップに挙げられているのです。88%の企業がデータ品質を上位3つの課題として挙げています。これは、ESG開示の信頼性と正確性を確保する上で、まだまだ課題が残っていることを示しています。

私たち株式会社FrankPRも、SDGsの達成に向けて日々努力を重ねていますが、データの収集と分析は常に課題となっています。特に、バングラデシュでのシングルマザー支援事業では、現地の状況を正確に把握し、その影響を測定することの難しさを実感しています。

一方で、この調査結果は中小企業にとっても重要な示唆を含んでいます。帝国データバンクの調査によると、中小企業の半数が資金不足や人材不足でSDGsに取り組めていないという現状があります。しかし、同時に7割の企業がSDGsへの取り組みの効果を実感しているという結果も出ています。

これらの結果を踏まえると、ESG開示能力の向上は、大企業だけでなく中小企業にとっても重要な課題であり、同時にビジネスチャンスでもあると言えるでしょう。新しいテクノロジーやツール投資は、初期投資は必要ですが、長期的には企業の競争力向上につながる可能性があります。

私たちFrankPRの経験からも、SDGsへの取り組みは決して大企業だけのものではないと確信しています。私たちは小規模な企業ですが、バングラデシュでのシングルマザー支援を通じて、10のSDGsゴール達成に貢献しています。このような取り組みが評価され、ジャパンSDGsアワード外務大臣賞を受賞できたことは、中小企業でもSDGsに貢献できることの証明だと考えています。

ESG課題に取り組む上で、部門横断的なESGチームの設置も重要です。調査によると、52%の企業がすでにそのようなチームを設置しており、残りの企業もその設立を計画中とのことです。これは、ESGが企業全体の課題として認識されつつあることを示しています。

最後に、この調査結果は、ESGへの取り組みが単なるコストではなく、企業価値向上のための投資であることを示唆しています。企業がESG報告から期待するビジネス成果として、リスクの軽減(53%)、効率性とROIの向上(52%)、人材の誘致と維持(51%)などが挙げられています。

私たちFrankPRも、SDGsへの取り組みを通じて、ブランド価値の向上や新たなビジネスチャンスの創出を実感しています。例えば、エシカル消費への意識が高まる中、私たちの革製品ブランド「Raffaello」は、サステナビリティを重視する消費者から高い支持を得ています。

結論として、ESG開示能力の向上は、企業規模に関わらず、今後のビジネス成功の鍵となるでしょう。新しいテクノロジーやツールへの投資、データ品質の向上、そして部門横断的なアプローチは、この課題に取り組む上で重要な要素となります。私たち中小企業も、自社の規模や特性に合わせたESGへの取り組みを進めることで、持続可能な成長を実現できると信じています。

SDGsや脱炭素への取り組みは、決して遠い目標ではありません。私たちの日常のビジネス活動の中に組み込むことができるのです。一緒に、より良い未来を作っていきましょう。

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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