こんな人にオススメです
- 電動キックスケーター(Luupなど)を日常的に利用している方
- 最近、街中で見かける電動キックスケーターの安全性が気になっている方
- SDGs(持続可能な開発目標)と新しいモビリティの関係を知りたい方
- 飲酒運転の罰則や、事業者の安全対策について詳しく知りたい方
みなさん、こんにちは!「SDGsの知恵袋」編集長の日野雄大です。
街中でスイスイと走る電動キックスケーター、便利ですよね。2023年の法改正以降、16歳以上なら免許なしで乗れるようになり、まさに「次世代の足」として急速に普及しました。しかし、その手軽さの裏で、「飲酒運転」という深刻な影が広がっていることをご存知でしょうか?
最新のニュースでは、ついに警察とシェアサービス大手が連携し、違反者の情報を共有する仕組みまで動き出しました。今回は、この「特定原付」をめぐる安全と利便性のバランスについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
最新のSDGsニュース:電動スケーターの飲酒運転が深刻…警察が摘発情報の提供開始も効果不透明
(ソース:読売新聞オンライン 2025年12月28日) https://www.yomiuri.co.jp/national/20251227-GYT1T00372/
SDGsニュースの要約
2023年7月の法改正により普及した「電動キックスケーター(特定小型原動機付自転車)」の悪質運転が深刻化しています。特に飲酒運転の割合が高く、事故全体に占める飲酒率(17.8%)は自転車の約22倍という異常な数字を叩き出しています。事態を重く見た警察は、シェアサービス最大手「Luup」に対し、摘発情報の提供を開始しました。違反者を特定して利用を制限する狙いですが、事故の6割が午前0〜5時台に集中していることから、警察は「夜間帯の運用停止」を含む抜本的な対策を求めています。一方、事業者側は深夜需要との両立に苦慮しており、検知器による飲酒確認の試行など多角的な模索を続けていますが、解決の決定打は見えていません。
SDGsニュースのポイント
ここがポイントです。身近な例で考えてみましょう。
- 「特定原付」という新しい分類: 16歳以上なら免許不要で、最高時速20km以下で走る車両のことです。MaaS(マース)の一環として期待されています。
- 利用者の急増: シェアサービスの稼働台数は2年で3.6倍。Luupのアプリは累計500万ダウンロードを突破しました。
- 事故・違反の多さ: 施行から約1年で人身事故は586件、摘発は約6万5000件に上ります。
- 「自転車の22倍」という飲酒事故率: 飲酒事故の大半はシェアサービスの利用中。気軽に乗れる分、「ちょっと一杯」の後でも乗ってしまう人が多いようです。
- 深夜に集中する事故: 飲酒事故の6割が午前0時〜5時台に発生。終電後の「帰宅の足」として使われている実態が浮き彫りになりました。
- 警察 vs 事業者の温度差: 警察は「深夜の貸し出し停止」を求め、事業者は「深夜労働者などの利便性も守りたい」と主張しています。
- ヘルメットの重要性: 着用は「努力義務」ですが、未着用の転倒は着用時に比べ頭部損傷が約6.3倍になるというデータも。
- 情報の直接提供: 警察が摘発情報を事業者に渡すことで、違反者のアカウント停止などを迅速に行う仕組みが始まっています。
- 新たな規制の可能性: 今後、実効性のある対策が講じられなければ、さらなる法規制が検討される段階に来ています。
SDGsニュースを考察
今回のニュース、皆さんはどう感じましたか?「便利だからいいじゃないか」という声と「危なすぎる」という声、どちらも聞こえてきそうですね。
SDGs(持続可能な開発目標)の観点で見ると、この問題は非常に複雑です。
まず、電動キックスケーターは**Goal 11「住み続けられるまちづくりを」**において、CO2を出さない環境に優しい移動手段(カーボンニュートラルへの貢献)として大きな期待を背負っています。特にスマートシティの実現において、公共交通機関を補う「ラストワンマイル」の移動手段は欠かせません。
しかし、その移動が「他人の命を奪うリスク(飲酒運転)」や「自分の命を危険にさらすこと」に繋がっては、本末転倒です。これは**Goal 3「すべての人に健康と福祉を」**にある「道路交通事故による死傷者を半減させる」という目標に真っ向から反してしまいます。
これって、実は私たちの**「自由と責任」**の問題ではないでしょうか? 免許不要という「自由」を手に入れた代わりに、私たちはそれに見合うだけの「安全への責任」を果たせているのか。自転車の22倍という飲酒事故率は、残念ながらその責任が果たされていないことを数字で示してしまっています。
私たちにできること
この便利なモビリティを、負の遺産にしないために。今日からできるアクションを考えてみましょう。
- 「飲んだら乗らない」の再徹底: 「自転車と同じ感覚」は間違いです。特定原付はモーターで動く「車両」です。お酒を一口でも飲んだら、シェアサービスのアプリを開くのはやめましょう。
- ヘルメットの着用を当たり前に: エコマークやサステナブルな製品を選ぶのと同じように、自分の命を守る装備を整えることも立派なサステナブル消費の一部です。努力義務であっても、自分のために着用しましょう。
- 交通ルールの再確認: 歩道走行のルールや信号無視など、意外と知らないルールがあるかもしれません。便利な道具が「社会の敵」にならないよう、正しく使いこなす知恵を持ちたいですね。
小さな一歩ですが、「ルールを守る利用者が増えること」こそが、この便利なサービスを未来へ残す唯一の道ではないでしょうか。

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