自動車業界の脱炭素革命:出光興産・ENEOS・トヨタ・三菱重工業の共同挑戦

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース:自動車向け脱炭素燃料、出光・ENEOS・トヨタ・三菱重工が共同検討

ニュースの内容

出光興産、ENEOS、トヨタ自動車、三菱重工業の4社は、自動車の脱炭素に貢献するカーボンニュートラル(CN)燃料の導入・普及を共同で検討すると発表しました。日本国内で2030年頃の導入を目指し、CN燃料の市場導入シナリオやロードマップ、必要な制度について議論し、エネルギーセキュリティの観点から国内製造の実現可能性も調査します。

SDGsニュースの主な要点

– 出光興産、ENEOS、トヨタ自動車、三菱重工業の4社は、自動車の脱炭素に貢献するカーボンニュートラル(CN)燃料の導入・普及を共同で検討すると発表。

– 日本国内で2030年頃のCN燃料導入を目指す。

– CN燃料の市場導入シナリオやロードマップ、必要な制度について議論。

– エネルギーセキュリティの観点から、国内製造の実現可能性も調査。

– CN燃料には、再生可能エネルギー由来のグリーン水素や、バイオマス由来燃料、合成燃料(e-fuel)などが含まれる。

– 液体のCN燃料は「ためる」「はこぶ」の点で優位性があり、輸送可能なエネルギー源として期待される。

– 出光興産は「一歩先のエネルギー」の社会実装を目指し、国内外の企業と連携してCN燃料の早期導入・普及を推進。

– ENEOSはエネルギー・素材の安定供給とCN社会の実現の両立に挑戦し、水素や再生可能エネルギーの活用を推進。

– トヨタは燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)に加え、内燃エンジン車のCO2排出量削減にも取り組み、バイオマス由来燃料を使用したフレックス燃料車を導入。

– 三菱重工グループは、2040年までにカーボンニュートラルを達成することを目指し、CO2エコシステムや水素エコシステムの構築に取り組んでいる。

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

今回は、日本の主要企業が取り組むSDGs達成とカーボンニュートラル実現に向けた最新の動きをご紹介します。

自動車業界が率先してカーボンニュートラル燃料の導入を検討

2023年5月、出光興産、ENEOSホールディングス、トヨタ自動車、三菱重工業の4社は、自動車のカーボンニュートラルに貢献する燃料の導入・普及に向けて共同で検討することを発表しました。

カーボンニュートラル(CN)燃料とは、再生可能エネルギー由来のグリーン水素や、そうした水素とCO2を原料とする合成燃料(e-fuel)、バイオマス由来燃料などの総称です。液体のCN燃料は「ためる」「はこぶ」点で優位性があり、輸送可能なエネルギー源として期待されています。

4社は、日本の自動車市場におけるCN燃料の導入シナリオやロードマップ、必要な制度について検討するほか、国内での製造の実現可能性も調査します。トヨタは内燃機関車のCO2排出量削減にも取り組んでおり、CN燃料の普及に貢献するエンジン開発も視野に入れています。

日本企業の海外でのカーボンニュートラル事業も活発化

一方、日本企業による海外でのカーボンニュートラル関連事業も活発化しています。

例えば、米国のスタートアップOptimus Technologiesは、ディーゼルエンジンを改造して100%バイオディーゼル燃料で走行できるようにするシステムを開発しました。日本の大手トラックメーカーの新車にこのシステムを搭載する動きが出ています。

また、日本の総合エンジニアリング会社の千代田化工建設は、水素を液化して安全に輸送する技術を確立。水素エネルギーの普及に貢献しています。

さらに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、途上国での温室効果ガス削減プロジェクトに投資するなど、気候変動対策に積極的に取り組んでいます。

日本企業のSDGsへの取り組みは着実に前進

一方で、日本企業のSDGs達成に向けた取り組みは着実に前進しています。日本経済新聞社の調査によると、上場企業の7割がSDGsの取り組みで何らかの効果を実感しているそうです。

ただし、中小企業の半数はSDGsに取り組めていないという指摘もあり、資金や人材の確保が課題とされています。

日本企業が持続可能な社会の実現に向けて、これらの課題を乗り越え、より一層のイノベーションを重ねていくことを期待しています。

エネルギーの安全保障の観点から、国内でのCN燃料製造の実現可能性を検討するなど、日本の産業界が英知を結集して取り組んでいることは特筆すべき点です。SDGsの達成に向けて、日本発の新たな技術開発が生まれることを願っています。

皆さまの企業活動を通じたSDGs達成への貢献に、編集部一同、心から敬意を表します。

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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