発酵技術でCO2を価値ある製品に変えるクリーンテックスタートアップ、大型資金調達で成長加速

SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。

今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。

デンマークのクリーンテックスタートアップAgainが、シリーズAの資金調達ラウンドで4,300万ドルを調達しました。同社は発酵技術を用いてCO2を価値ある製品に変換することで、重工業の脱炭素化に貢献しています。今回の資金調達により、欧米での事業拡大と製品ポートフォリオの拡充を目指します。

今回解説する脱炭素・SDGsニュース: Cleantech Startup Again Raises $43 Million to Turn Industrial CO2 Emissions Into Household Products

ニュースの内容

クリーンテックのスタートアップ企業AgainはシリーズAの資金調達ラウンドで4,300万ドルを調達し、脱炭素化プラントの建設と事業拡大に充てる予定。AgainはCO2を価値ある製品に変える技術を提供し、既に1トンのCO2を酢酸などの化学物質に変換している。資金調達はHV CapitalとGVが主導し、KOMPAS VC、EIFO、CSC Leasing、ACME Capital、Atlantic Labsも参加した。

SDGsニュースの主な要点

  • デンマークのスタートアップ企業Againが4,300万ドルの資金調達に成功
  • 発酵技術を用いてCO2を価値ある製品に変換し、重工業の脱炭素化に貢献
  • 排ガスから回収したCO2と水素を原料に、酢酸などの化学物質を生産
    • 新たな資金で欧米での事業拡大、製品ポートフォリオの拡充を目指す
  • HV CapitalとGV(Google Ventures)が共同でラウンドを主導

SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見

こんにちは、脱炭素とSDGsの知恵袋の編集部の菊尾です。今回は、クリーンテック分野で注目を集めているスタートアップ企業の最新ニュースについてお話しします。

デンマークのスタートアップ企業Againが、シリーズAの資金調達ラウンドで4,300万ドル(約64億円)を調達したというビッグニュースが飛び込んできました。Againは、CO2を価値ある製品に変換する革新的な技術を持つクリーンテック企業です。この資金調達は、脱炭素化に向けた取り組みが世界中で加速していることを示す好例といえるでしょう。

Againの技術は、排ガスから回収したCO2と水素を原料に、発酵プロセスを通じて酢酸などの化学物質を生産するというものです。これは、まさに「廃棄物を資源に変える」という循環型経済の理念を体現しています。私たちが日常生活で使用する多くの製品の原料となる化学物質を、CO2から作り出すことができるのです。これはSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」と目標13「気候変動に具体的な対策を」に直接貢献する取り組みといえます。

この技術の素晴らしい点は、重工業の脱炭素化に大きく貢献できる可能性があることです。製造業や化学産業などのCO2排出量の多い産業にとって、この技術は game changer となる可能性を秘めています。

Againの成功は、クリーンテック分野におけるスタートアップ企業の重要性を改めて示しています。大企業だけでなく、革新的なアイデアを持つスタートアップ企業が、脱炭素社会の実現に向けて大きな役割を果たすことができるのです。

しかし、日本の状況に目を向けると、まだまだ課題が山積しています。帝国データバンクの調査によると、中小企業の半数が資金不足や人材不足でSDGsに取り組めていないという現状があります。これは非常に残念な状況です。

一方で、同じ調査で7割の企業がSDGsへの取り組みの効果を実感しているという結果も出ています。つまり、一度SDGsに取り組み始めると、その効果を実感できる企業が多いということです。ここに、日本企業のSDGs推進の可能性があると私は考えています。

では、どうすれば日本の中小企業もSDGsや脱炭素化に取り組めるようになるのでしょうか?私は、以下の3点が重要だと考えています。

1. 情報共有と啓発活動の強化:

   成功事例や具体的な取り組み方法を広く共有することで、SDGsや脱炭素化への理解を深め、取り組みのハードルを下げることができます。

2. 資金調達支援の拡充:

   Againのような成功例を参考に、日本でもクリーンテック分野のスタートアップ企業への投資を促進する仕組みづくりが必要です。

3. 人材育成と技術支援:

   SDGsや脱炭素化に取り組むための専門知識や技術を持つ人材の育成、そして中小企業への技術支援を強化することが重要です。

私たち株式会社FrankPRが運営する「脱炭素とSDGsの知恵袋」は、まさにこの情報共有と啓発活動の一翼を担うべく活動しています。Againのような先進的な事例を紹介することで、日本企業のSDGs推進や脱炭素化への取り組みを後押ししたいと考えています。

最後に、SDGsや脱炭素化への取り組みは、決して大企業だけのものではありません。Againの事例が示すように、革新的なアイデアと情熱があれば、スタートアップ企業でも大きな影響を与えることができるのです。日本の中小企業の皆さんも、自社の強みを活かしたSDGsへの取り組みを考えてみてはいかがでしょうか?それが新たなビジネスチャンスや成長につながる可能性があります。

私たち「脱炭素とSDGsの知恵袋」は、これからも最新の情報や有益な事例を発信し続けます。皆さんのSDGsや脱炭素化への取り組みを全力でサポートしていきますので、ぜひ一緒に持続可能な社会の実現に向けて歩んでいきましょう!

SDGsの知恵袋編集部 菊尾

ファッション業界として史上初の外務省ジャパンSDGsアワードを受賞した株式会社FrankPRのスタッフです。2024年現在、日本で5社しかいない外務省と環境省のSDGsアワード受賞社長である松尾真希から直接学んできた人材不足や資金不足でもできる経営実践型の脱炭素やサステナビリティの知識を生かしてお役に立てる記事を執筆してまいります。

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