SDGsの知恵袋編集部の菊尾です。
今日も下記の最新の脱炭素やSDGsのニュース記事について考察と意見をお伝えします。
BSIがISO 14068-1を含む標準を提供し、カーボンニュートラルとネットゼロ排出の達成を支援します。これにより、組織は気候変動対策において測定可能で公正な成果を達成することが可能となります。
Contents
今回解説する脱炭素・SDGsニュース:BSI: Standards Supporting the Journey to Carbon Neutrality
ニュースの内容
BSIは標準レポートを用いてカーボンニュートラルおよびネットゼロ排出への取り組みを支援し、組織が気候変動対策で具体的な成果を上げることを可能にしています。
SDGsニュースの主な要点
– BSIはカーボンニュートラルおよびネットゼロ排出に向けた取り組みを支援している。
– ISO 14068-1を含む様々な規格を管理し、組織が温室効果ガス排出量の削減を目指すためのガイダンスを提供。
– パリ協定に基づき、2030年までに温室効果ガスの排出量を43%削減する必要があることを説明。
– BSIのサービスには認証、テスト、情報セキュリティ、ソフトウェアソリューション、コンサルティングが含まれ、持続可能性への取り組みを支援。
– グリーンウォッシングのリスクを軽減するために厳格な報告基準を策定し、透明性を高める。
– ロンドン宣言を通じて、BSIは国際標準化機構と協力し、気候科学を規格開発に積極的に取り入れることを推進。
「SDGsの知恵袋の編集部」の考察と意見
イギリスの規格団体BSIが、企業のカーボンニュートラルとネットゼロ排出への取り組みを支援する国際規格「ISO 14068-1」を管理しているというニュースがありました。カーボンニュートラルとは、企業活動で排出される二酸化炭素と、森林などによって吸収される二酸化炭素の量を同じにすることです。一方、ネットゼロは、排出量を可能な限りゼロに近づけることを目指します。
パリ協定の目標達成のためには、2030年までに世界の温室効果ガス排出量を43%削減する必要があります。そのマイルストーンとして、まずはカーボンニュートラルを目指す企業が増えています。しかし、実際には排出量の算定や削減が難しく、うまくいかない企業も多いのが現状です。
そこでBSIは、ISO 14068-1によってカーボンニュートラルの達成方法を具体的に示しています。この規格に沿って活動することで、企業は着実に排出量を減らし、ステークホルダーにも透明性のある報告ができるようになります。
ただし、実際よりも環境に優しく見せかける「グリーンウォッシング」には注意が必要です。BSIは厳格な要件を設けることで、このリスクを減らそうとしています。
また、BSIは2021年に「ロンドン宣言」を発表し、気候変動の科学的知見を規格に積極的に取り入れることを宣言しました。5,000もの規格を最新の気候科学に合わせて改訂する取り組みは、企業の持続可能な社会への移行を加速させるでしょう。
日本でもSDGsへの関心は高まっていますが、中小企業の半数は人材不足や資金不足から取り組めていないのが実情です。一方で、7割の企業がSDGsの効果を実感しているというデータもあります。脱炭素に向けた国際規格を活用することで、日本企業もサステナビリティ経営を加速できるはずです。社会全体で企業の挑戦を応援していきたいですね。