「ねぇ、どうして日本の総理大臣は男の人ばっかりなの?」
先日、小学生の娘にこう聞かれ、ハッとさせられました。彼女の素朴な疑問は、日本の社会が長年抱える大きな課題をまっすぐに突いています。奇しくも2025年10月、日本では自民党の新総裁に高市早苗氏が選出され、「日本初の女性総理大臣」が現実味を帯びてきました。
この歴史的な動きを、私たちはどう捉えれば良いのでしょうか。今回は、世界の女性リーダーたちの活躍を眺めながら、なぜ多様なリーダーシップが【用語解説】SDGsとは?17のゴールと169のターゲットを徹底解説!、特に目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に不可欠なのかを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
こんな人におすすめです
- なぜ政治の世界でジェンダー平等が必要なのか疑問に思っている方
- 世界の女性リーダーの活躍と日本の現状を知りたい方
- SDGs目標5達成のために、自分に何ができるか考えたい企業や個人の皆様
2025年、世界で輝く女性リーダーたち
世界に目を向けると、多くの女性たちが国のトップとして活躍しています。例えば、アイスランドではハトラ・トーマスドッティル氏が大統領を務め、ジョージアではサロメ・ズラビシュヴィリ氏が同国初の女性大統領としてリーダーシップを発揮しています。最近では、ウクライナで39歳の女性副首相が新首相に指名されるなど、新しい世代の女性リーダーも次々と誕生しています。
彼女たちの存在は、単に「女性がトップになった」という象徴的な意味だけにとどまりません。多様なバックグラウンドを持つリーダーが生まれることは、社会全体の意思決定に厚みと広がりをもたらし、これまで見過ごされてきた課題に光を当てる力を持っています。
なぜ女性リーダーの存在がSDGs達成の鍵なのか?
女性リーダーの増加は、SDGs目標5のターゲット5.5「政治、経済、公共分野のあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画と平等なリーダーシップの機会を確保する」に直結します。では、なぜこれが社会全体にとって重要なのでしょうか。
多様な視点がもたらすイノベーションと包摂的な社会
リーダーの性別構成が多様化すると、政策決定のプロセスに新しい視点が加わります。例えば、育児、介護、教育、医療といった、人々の生活に密接に関わる分野の課題が、より優先的に議論される傾向があると言われています。
これは、机上の空論ではありません。女性の政治参画が進んでいる国ほど、社会保障が手厚く、平和的で、環境政策にも積極的であるというデータもあります。まさに、【用語解説】ダイバーシティ&インクルージョンとは?企業の取り組みと課題を解説が、国全体の持続可能性を高める好例と言えるでしょう。
次世代への希望のバトン
娘の質問に返って考えてみると、メディアで見る国のリーダーがいつも同じような姿であることは、子どもたちの将来の夢や可能性に無意識の「壁」を作ってしまうかもしれません。
多様なリーダーの姿は、「性別に関わらず、誰でもリーダーになれる」という強力なメッセージを社会に発信します。これは、SDGs「10-3. 機会均等の確保、成果の不平等の是正」の進化: 社会の公平と公正への道筋にも繋がる、未来への大切な投資なのです。
日本の現状と課題 -「初の女性首相」誕生への道のり
一方で、日本の現状は依然として厳しいものがあります。世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数2025」で、日本は148カ国中118位。特に「政治」分野のスコアが著しく低く、G7の中では最下位という状況が続いています。
こうした状況の中で、高市新総裁の誕生は「自民の景色が少し変わる」歴史的な一歩です。これが一過性のものに終わらず、後に続く女性たちが現れやすい環境を作っていけるかどうかが、今後の大きな課題です。
かつて私がサンゴ礁の保全活動で訪れたパラオの海では、多様な魚たちが共存することで、美しい生態系が保たれていました。社会も同じです。多様な人々がそれぞれの能力を発揮できる場所こそ、本当に豊かで持続可能な社会なのだと、私は信じています。
まとめ:今日からできる3つのアクション
「どうせ自分の一票じゃ何も変わらない」そう思うこともあるかもしれません。しかし、社会は私たち一人ひとりの意識と行動の集合体です。初の女性首相誕生が期待される今だからこそ、私たちにできることがあります。
- 知る・話す: まずは日本のジェンダーギャップの現状に関心を持ち、家族や友人と話してみましょう。なぜ女性リーダーが少ないのか、どうすれば増えるのか。対話が変化の第一歩です。
- 選挙に行く: あなたの一票は、未来の社会の姿を決める大切な意思表示です。候補者の政策だけでなく、ジェンダー平等への考え方にも注目してみましょう。
- 役割を問い直す: 家庭や職場で「これは女性の仕事」「これは男性の仕事」といった無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)がないか、一度立ち止まって考えてみませんか。
高市新総裁が誕生したことで、日本の景色は少し変わりました。この変化を、社会全体の大きな前進へと繋げていくのは、私たち一人ひとりの力です。多様なリーダーシップが当たり前になる未来を、一緒につくっていきましょう。
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