「もうインフルエンザで学級閉鎖だって!」
新学期が始まったばかりの9月上旬、小学生の息子が驚いたように話してくれました。例年であれば冬に流行のピークを迎えるインフルエンザが、今年は異例の速さで猛威を振るっています。
TBSテレビの報道によると、青森県では過去10年で最も早く流行シーズン入りが発表され、北九州市では休校措置を取る学校も出てきているとのこと。この「季節外れの流行」は、単なる医療ニュースではありません。実は、私たちの暮らしや地球環境の持続可能性を示す、重要なサインなのです。
この記事では、今回のインフルエンザ早期流行の背景を、SDGs(持続可能な開発目標)の視点から読み解き、私たち一人ひとりができることを考えていきます。
こんな人におすすめです
- 季節外れのインフルエンザ流行の本当の理由を知りたい方
- 感染症の流行と、気候変動のような地球規模の課題とのつながりに関心がある方
- 家族や従業員を感染症から守るための、具体的で持続可能な対策を知りたい方
なぜ今?インフルエンザ早期流行の背景にあるもの
今回のインフルエンザ流行について、専門家はいくつかの要因を指摘しています。
- 複数の感染症の同時流行: 新型コロナや溶連菌なども流行しており、医療機関を受診する人が増えた結果、インフルエンザの発見数も増えている。
- 異常な暑さによる体力低下: 記録的な猛暑で夏バテ気味の人が多く、ウイルスへの抵抗力が落ちている。
- エアコンによる換気不足: ウイルスは低温で感染力が長持ちする傾向があり、換気が不十分な室内でエアコンを長時間使用することで感染リスクが高まる。
これらの要因は、私たちの生活習慣だけでなく、より大きな環境の変化、特に気候変動と無関係ではないのです。
SDGsの視点:なぜインフルエンザ流行が地球の課題なのか?
一見すると個人の健康問題に見えるインフルエンザの流行ですが、SDGsのレンズを通すと、地球全体の課題と深く結びついていることがわかります。
SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」への直接的な脅威
最も直接的に関わるのが、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」です。感染症のまん延は、人々の命と健康を脅かすだけでなく、医療機関のひっ迫を招き、社会全体の機能を低下させます。
特に、学級閉鎖や休校は、子どもたちのSDGs目標4「質の高い教育をみんなに」で保障されるべき学習の機会を奪ってしまいます。健康は、質の高い教育や経済活動の基盤であり、インフルエンザの流行は、私たちの社会の持続可能性そのものを揺るがす問題なのです。
気候変動(SDGs目標13)がもたらす間接的なリスク
ニュースで指摘された「異常な暑さ」。これはまさに、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」が警鐘を鳴らす問題です。気候変動は、単に気温が上がるだけでなく、感染症の流行パターンにも影響を与える可能性が指摘されています。
私が学生時代にサンゴ礁の保全活動で訪れたパラオの海も、海水温の上昇で白化現象が進んでいました。地球の悲鳴を肌で感じたあの時のように、今回のインフルエンザの流行も、地球環境の変化が私たちの健康に直接影響を及ぼしている一つの証拠と捉えるべきなのかもしれません。
私たちの健康と未来を守る「3つのアクション」
この課題に対して、悲観的になる必要はありません。私たち一人ひとりの行動が、自分自身と社会、そして地球の未来を守る力になります。
1. 個人でできる「守りのアクション」
まずは基本に立ち返ることが重要です。
- 基本の感染対策: 手洗い・うがい、そして効果的な換気を改めて徹底しましょう。特にエアコンを使う時期は、定期的に窓を開ける習慣が大切です。
- 免疫力を高める生活: バランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけ、夏バテの疲れを回復させましょう。サステナブルな食材を選ぶことは、サステナブル消費にも繋がり、地球環境の改善にも貢献します。
- 正しい情報へのアクセス: 公的機関や医療機関からの信頼できる情報に基づき、冷静に行動することが求められます。
2. 企業・組織でできる「支えのアクション」
企業は、従業員とその家族を守る重要な役割を担います。
- 健康経営の推進: 従業員の健康を資本と捉え、テレワークや時差出勤など柔軟な働き方を推奨し、体調不良時には休みやすい環境を整えることが、結果的に組織全体の生産性を守ります。
- オフィスの環境整備: 職場の換気システムの点検や、空気清浄機の導入は、従業員が安心して働ける環境づくりに不可欠です。
- BCP(事業継続計画)の見直し: 感染症のまん延を想定したBCPを策定・見直し、従業員の安全確保と事業の継続性を両立させる準備が求められます。
3. 社会全体で取り組む「未来へのアクション」
この問題を根本から解決するためには、より大きな視点が必要です。
- 気候変動対策への参加: インフルエンザ流行の遠因である気候変動に対し、個人としては省エネを心がける、企業としてはカーボンニュートラルを目指すなど、脱炭素社会への移行を加速させることが、未来の健康リスクを減らすことに繋がります。
まとめ:私たちの健康は、地球の健康とつながっている
今回の異例のインフルエンザ早期流行は、私たちの健康が、日々の生活習慣だけでなく、地球全体の環境と深く結びついていることを教えてくれます。
一個人の健康を守るための行動が、ひいては持続可能な社会を実現するための大切な一歩となります。まずは、SDGsとは何かを知り、自分にできることから始めてみませんか?
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