大阪万博で話題!UNDP「20の悲劇」がNYへ。アートがSDGsを”自分ごと”にする力

こんにちは。「脱炭素とSDGsの知恵袋」編集長の日野広大です。私たちのメディアは、SDGsへの貢献が評価され、政府SDGs推進本部から「ジャパンSDGsアワード」で外務大臣賞をいただいたFrankPRが運営しています。今回は、SDGsを達成するための非常に重要な鍵となる「人々の関心」を、クリエイティブな方法で引き出す素晴らしい取り組みについて解説します。

大阪・関西万博で大きな注目を集めたアート作品「世界に隠された20の悲劇」が、現在、米ニューヨークの国連本部前でも展示されています。この作品がなぜ、子どもから大人まで多くの人の心を掴み、そしてSDGs達成のためにどのような意味を持つのか、その本質に迫ります。

この記事でわかること

  • 話題のアート「世界に隠された20の悲劇」とは何か
  • なぜアートやゲーム形式がSDGsの推進に有効なのか
  • この取り組みが示す「パートナーシップ(SDGs目標17)」の重要性
  • 私たちが今日からできる、世界の問題を「自分ごと」にするためのヒント
目次

「平和な日常」に隠された世界の課題とは?UNDPの画期的な試み

この「世界に隠された20の悲劇」は、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所が企画した、一枚の巨大なイラスト作品です。カラフルで楽しげな街の風景が描かれていますが、その中に、私たちの世界が直面する20の「悲劇」が隠されています。

参照ニュース: 万博で好評→NYでも 隠れた「20の悲劇」探す、UNDP巨大作品 (朝日新聞デジタル)

隠された悲劇には、以下のようなSDGsの重要課題が含まれています。

  • 気候変動による異常気象
  • 大気汚染に苦しむ人々
  • ジェンダーの不平等を示す場面
  • 貧困格差から生まれる歪み

来場者はまるで「ウォーリーをさがせ!」のように、絵の中に隠された悲劇を探し出すことで、楽しみながら世界の課題について学ぶことができます。大阪・関西万博の国連パビリオンで小中学生を中心に絶大な人気を博したこの作品は、その成功を受け、世界中の外交官が集まるニューヨークの国連本部前という象徴的な場所で、新たな対話を呼びかけています。

なぜ「探し絵」なのか?SDGs推進におけるアートとゲームの重要性

SDGsが掲げる目標は壮大であり、多くの人にとって「自分とは関係のない、遠い国の難しい問題」と感じられがちです。この「心理的な距離」こそが、目標達成に向けた最大の障壁の一つです。UNDPの試みは、この壁を乗り越えるための優れた処方箋と言えます。

1. 「無関心」の壁を越えるクリエイティブなアプローチ

「悲劇を探す」というゲーム性(ゲーミフィケーション)は、人々の知的好奇心を刺激し、能動的な参加を促します。一方的に情報を与えられるのではなく、自ら発見する体験は、記憶に残りやすく、強い印象を与えます。アートの持つ美しさや楽しさが入り口となることで、普段こうした問題に触れる機会の少ない人々も、自然とSDGsの世界に足を踏み入れることができるのです。

2. 子どもたちの心に届くSDGs教育の実践例

この作品は、SDGs教育(目標4:質の高い教育をみんなに)の観点からも非常に優れています。子どもたちは、難しい言葉やデータではなく、直感的なビジュアルを通じて世界の現実を知ります。なぜこれが「悲劇」なのかを考えるきっかけとなり、共感力や問題解決能力を育む生きた教材となるのです。大阪で特に子どもたちに好評だったという事実は、このアプローチの正しさを物語っています。

大阪から世界へ。日本発の取り組みが示すパートナーシップの可能性(SDGs17)

このプロジェクトが、日本の広告会社との協働で生まれ、大阪からニューヨークへと展開したことは、SDGsの根幹をなす目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の素晴らしい実例です。

国連機関、民間企業、そしてアートを受け取る市民。それぞれのセクターが手を取り合うことで、これほど強力なメッセージを発信できるのです。UNDPのブラウン総裁補が語るように、これらの課題は「国境を超えた問題」であり、解決のためにはあらゆる立場の垣根を越えた協力が不可欠です。

私たちFrankPRも、企業や団体の皆様が持つ専門性や情熱を、社会に伝わる形にデザインし、SDGs達成に向けたパートナーシップを構築するお手伝いをしています。このUNDPの事例は、そのための大きなヒントを与えてくれます。

あなたの日常に潜む「悲劇」は?私たちにできること

このアート作品が投げかける最も重要なメッセージは、「世界の悲劇は、私たちの日常と地続きである」ということです。

あなたも、この「探し絵」に挑戦してみませんか?UNDP駐日代表事務所のウェブサイトでは、スマートフォンやPCに最適化されたデジタル版が公開されています。

「世界に隠された20の悲劇」を体験する(UNDP駐日代表事務所ウェブサイト)
https://www.undp.org/ja/japan

ぜひ、ご家族やご友人、同僚の方と一緒に、隠された悲劇を探し、それについて話し合ってみてください。

  • 「この絵は、私たちの生活のどんな場面と似ているだろう?」
  • 「この悲劇をなくすために、私たちに何ができるだろう?」

そうした対話こそが、世界を変える第一歩になります。

まとめ:アートをきっかけに、世界の問題を自分ごとに

UNDPの「世界に隠された20の悲劇」は、単なるアート作品ではありません。それは、SDGsという壮大な目標を、私たち一人ひとりの「自分ごと」へと翻訳するための、パワフルなコミュニケーションツールです。

一見平和に見える日常の中に、世界の課題が「隠れて」いる。それに気づき、見つけ出し、行動を起こす。そのプロセスそのものが、私たちが目指す持続可能な未来への道筋を示しています。

この夏、ニューヨークで、そしてオンラインで、世界が注目するこの作品に触れ、未来を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。


執筆:脱炭素とSDGsの知恵袋 編集長 日野広大
参考資料:



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